2歳になると、もう赤ちゃんとは言えない気がする。かなり自分の意思を主張するようになるからだ。それ以前の息子は、どちらかというと受け身の可愛さだった。しかし2歳になると自分自身を見せてくる。そのために、親が可愛がりすぎないようにセーブするのが難しくなる。
例えば、子犬が可愛いように赤ちゃんがかわいいというのは、ある程度、自分自身をクールに保つことができる。ところが、自分の意志を持ち始めて、そこに可愛さが生まれてくると、自らの親ばかを消滅させるのが難しくなってくる。私が雪かきから帰ってくると、息子は走り寄ってきて私の手を引いてコタツに引っ張っていってくれる。このような行動されると、息子を単なる人間という生物のように観察できにくくなってくる。夜寝るときなどは、私の手と母親の手をくっつけてくる。コンタクトレンズをはめようとすると、ティッシュペーパーをとってくれる。 2歳という小さな子供が、大人でもやらないような気遣いをすると、さすがの私でも目頭が熱くなる。もう冷静に、乳幼児を観察できないかもしれない。
むかしから子供はかすがいというが、それは本当であると思った。父親と母親の手をつなげようとする行為は、他の人には出来ない技だ。しかしである。 2歳児に道徳心があるのかと言われれば、そう思えない気もする。道徳心から父親と母親の手をつなげようとする行為が生まれるとはとても思えない。普通に考えれば、 2歳児の心の中にある煩悩が、父親と母親の手をつなげようとすると考えるのが自然だろう。子供にとって、それはある種の防衛本能かもしれない。自分がかすがいになることによって、安全保障を得られることが、本能的に分かっているのかもしれない。もっと言うと、遺伝子に組み込まれているような気もする。
話は変わるが昨日、女性のお客さんが訪ねてきた。結婚すると言う報告である。しかもご近所さんになるという話だった。いろいろ心配していたので、一安心した。余計なお節介かもしれないが、うちの宿では、いろいろお客さんの相談ごとに乗ることが多いが、その結果、状況が良くなることもあれば、悪くなることもある。今回は、めでたいお話だったので、心の底からほっとした。宿屋をやっていて本当に良かったと思った。
こういうめでたい話が成立するたびに、宿屋とは何だろうと思う。もちろん部屋にお客さんをお泊めするのが仕事なのだが、それは単なる最低条件であって、 充分条件では無い気がする。宿屋の本来の役割というのは、泊まりにきてくれた人に幸せになってもらう事では無いだろうか? もちろん余計なお節介はするべきではないし、しようと思ってもできるもでもない。出来る事は限られている。たったの数時間、宿に泊まっている間に、何かちょっとした、ささやかな事をしてあげることをしかできない。でも、そんなささやかなことでも、何かのきっかけになってくれれば、それはそれでいいのかもしれない。
つづく。
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気は優しくて力持ち!になれそうな風貌の息子さん。
どうぞ、しばらくの間、ブルーベリーYGHのアイドルでいてね!
彼が、本当に好きなものを見つけて、彼自身の冒険が始まる時、宿屋のアイドルだけではいられない時間が始まるのでしょうね。
マネージャーさんと、奥さまの間で生まれ育ち、彼が何を選びとっていくのか、まだ先のことながら、楽しみです!
我が子が1歳の時、保育園で2歳の自立心を素晴らしいと思って見ていました。
うちの施設に来ている重度の障碍児くんは寝たきりで痰の吸引も必要ですが、弟はお兄ちゃんが大好き。お世話したくて仕方ないらしく、お母さんのしているのを見よう見まねで覚え、大人の見守りがあれば痰の吸引ができてしまいます。
世の中では2歳頃を「イヤイヤ期」なんて呼ぶけど、それは見方次第。大人顔負けのやる気と吸収能力を持っていますね。
我が子が1歳の時、保育園で2歳の自立心を素晴らしいと思って見ていました。
うちの施設に来ている重度の障碍児くんは寝たきりで痰の吸引も必要ですが、弟はお兄ちゃんが大好き。お世話したくて仕方ないらしく、お母さんのしているのを見よう見まねで覚え、大人の見守りがあれば痰の吸引ができてしまいます。
世の中では2歳頃を「イヤイヤ期」なんて呼ぶけど、それは見方次第。大人顔負けのやる気と吸収能力を持っていますね。
二重投稿すみませんm(_ _)m
愛おしくて仕方がない様子が伝わってきます。
幸せですね!
あんみつさん
まるさん
>世の中では2歳頃を「イヤイヤ期」なんて呼ぶけど、
確かに息子は、イヤイヤ期に入っていると思います。以前より、はるかに強い自分の主張が見られます。それだけに、自分の主張で、父親と母親の手をつなごうとさせる行為に感動も覚えます。これは、子犬を可愛いと思う、いわゆる受け身の可愛さではなくて、その子の驚くべき自己主張に対する可愛さですね。もちろん自己主張には、わがままや、うざったいものもありますが、いつまでも子犬のぬいぐるみのような状態では困りますから、やはり自己主張を発揮してくれるようになると、ある意味嬉しいものです。特にうちの子は、よその子供に比べて、成長が遅いので、ちょっとハラハラしていました。兄弟でもいれば、そういうこともなかったのでしょうが。