もちろん全滅しないシャクナゲもある。それは天然のシャクナゲである。天然のシャクナゲは、山の林の中に存在する。したがって息が降っても、カラマツやゴヨウマツの枝などに雪がブロックされるので、つぼみが枯れる事は無いのだ。しかし、人工的に作ったシャクナゲ園は、カラマツやゴヨウマツの木を伐採してしまっているので、雪が降ったらつぼみが全滅してしまうしかない。自然災害に弱いのである。
しかし、安心してもらいたい。もしそのような事態があっても、少しばかりシャクナゲを歩いて標高を稼げは、そこには天然のシャクナゲがある。そこに行けば、美しいシャクナゲを見ることができるのだ。よく、シャクナゲのピークはいつ頃ですか?と言う問い合わせがあるが、実際はそんなものはない。クローンであるソメイヨシノではあるまいし、個体や種類によってシャクナゲの開花時期が違うのであるから、ピークなどというものは存在しないのだ。
それにシャクナゲ園自体が、 200メートル以上の標高差があるために、標高によってピークはまったく違ってくる。もちろん、周りの木の影によって変わってくる日照時間の有無によっても開花が違ってくる。北斜面か南斜面か、東斜面か西斜面かによっても違ってくる。だから地元のガイドさんか、宿屋のオーナーに聞けば、その辺は詳しく教えてくれるだろう。
また、シャクナゲが群生しているところは、シャクナゲ園だけでは無い。鬼押し出し溶岩の終点あたりには、天然の白山シャクナゲの群生がある。面積的に言えばシャクナゲ園以上の広大なところに分布しているが、地味な白山シャクナゲであるために、嬬恋村では誰もプッシュしていない。当然のことながら、どの観光ガイドにも掲載してないし、観光協会や、嬬恋村観光商工課も観光地としては紹介していない。
桟敷山の山麓にも巨大なシャクナゲ群生地がある。ここには地味な白山シャクナゲではなくて、きれいな東シャクナゲが大量にある。しかしここも、どの観光ガイドにも紹介されてない。もちろん嬬恋村も観光協会も紹介していない。地元民でさえ知らない人は多いだろう。ここはいわく付きの場所で、もう少しで太陽光発電のために壊滅するかもしれない地域だった。あと1歩のところで、貴重な自然が破壊されるところだった。なんとか開発を阻止できたので、私はほっとしている。
それはともかく、このシャクナゲ群生地が、なぜ全く紹介されないのか不思議に思ったことがあった。しかし何度か私が調査のために通ってみたら、その理由が分かった気がした。クマの巣がたくさん見られたからだ。おそらく湯ノ丸山に出没するクマたちは、普段はこの辺あたりを餌場にしているのだろう。この辺を散策したい人たちは、ガイド付きで散策することをお勧めする。
他にもシャクナゲの群生地はたくさんある。ここに書いても良いが、多くは私有地であるので、私有地でないところを1つだけ紹介しておく。高峰山と黒斑山の裏コースである。あそこは東シャクナゲの群生地があるが、嬬恋村で最も遅くまで見ることのできるシャクナゲの群生地である。年度によっても違うが、 7月上旬に見られる群生地は、あの辺あたりだけかもしれない。
これは手前味噌になるが、シャクナゲの群生地の情報を知りたい人は、うちの宿に泊まるといいかもしれない。毎日のように山に登る宿屋は、嬬恋村では私ぐらいのものだ。昔は、ペンションモチモチの木の奥さんや嬬恋高原クラブのご夫妻が、よく登っていて、山で出会うこともあったのだが、両方とも宿を閉めてしまった。最近は、山の中で出会う地元の宿のオーナーさんが、めっきり減ってしまっている。ちょっと残念だが、それでもたまに山の中でペンションオーナーさんと出会うこともあるから、ひょっとしたら、私の他にも山に詳しい人はいるのかもしれない。
つづく。
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