2015年04月28日

バスでやってくるお客さん

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 交通手段にも色々あるが、伝説的な交通手段と言ったら、北の斜里バス、南の安栄観光だろう。安栄観光とは、石垣島から波照間島までのフェリーを出している会社である。この安栄観光のフェリーには、スゴイ伝説がある。台風なんかが来ると、八重山観光フェリーとか、波照間海運が、安全のために次々と欠航するのだが、この案観光のフェリーだけは出向するという。波が大きくなれば船は空中に飛ぶ。嘘か本当か知らないが小さな漁船の上を飛んだという伝説もある。もちろんお客さんはゲロゲロ状態である。座席のポケットにはゲロ袋が完備されている。しかし、そんなもので間に合う訳もなく、甲板はゲロゲロだらけになってしまう。ちなみに、どんな船が進行しているかというと、 Wikipediaで調べてみたらこんな感じである。

 第1あんえい号 旅客定員92名 速力40ノット
 第12あんえい号 旅客定員92名 速力40ノット 2004年1月就航
 第88あんえい号 旅客定員92名 速力40ノット 2004年12月就航
 第98あんえい号 旅客定員99名 速力40ノット 2005年5月就航

 おいおい、世界中の軍艦より速度が速いではないか。 40ノットといえば、時速74キロである。翼をつければ、本当に空を飛んでしまうのかもしれない。

 まぁそんなことはいいとして、北の斜里バス伝説について。斜里バスというのは、知床半島を走るバスのことである。このバスもスゴイ伝説が存在した。路線バスなのに、スピード違反で警察に捕まっている。前にのろのろ走っている乗用車があると、どんどん煽ってくる。そして崖に落っこちるなんて話もよく聞かされた。当然のことながら崖に落ちた車を引き上げるために都会からクレーン車がやってくる。ところが斜里バスは、そのクレーン車も煽って崖に落としたと言われている。私も斜里バスで珍しい体験をしている。お客さんを乗車せたままガソリンスタンドに入ったり、野生の熊に盛んにパッシングしていたのを見たことがある。

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 バスといえば、きりたっぷりと言う宿のオーナーの伝説がすごい。 二キロぐらい離れていたバス停の看板を、毎日1メートルずつずらして行って、自分の宿の真ん前に近づけていたらしい。あと五百メートルぐらいまで近づくと、バス会社の人にバス停を元の位置に戻されてしまう。しかし、彼はめげずに何度もバス停の看板の移動を行ったらしい。するとバス会社の人が、ある日突然訪ねてきて、あなたの宿の前に新しいバス停を作るから、バス停の看板の移動はやめてほしいと、頭を下げてきたらしい。

 そういえば、昔、全日空スカイホリデーのビックスニーカー号という観光バスがあったけれど、あれは今でもあるのだろうか? 軽井沢あたりでも最近観光バスを見かけなくなっている。しかしバブルの頃は、日本全国観光バスだらけだった。観光バスは、なんだかんだと言って効率よく観光地を回れるのである。しかも、若い女性のガイドさんが、色々解説してくれるのだ。

 しかし、その昔、カニ族と言われた人たちは、観光バスで旅行する人たちをエビ族と言って小馬鹿にしていた。カニ族とエビ族は、仲が悪いのだ。カニ族というのは、大きなリュックサックを背負って旅をする人たちで、その姿がカニのように見えたからカニ族と言われていた。確かに昔のリュックはカニの甲羅に似ている。ではなぜ観光バスで旅行する人たちをエビ族と呼んだかというと、観光バスを介護車に見立てて、そこに乗っている人を腰の曲がっているおじいさんや、おばあさんだと揶揄したのだ。

 しかし今ではカニ族もエビ族も死語となっている。
 そもそも、腰の曲がった老人が存在しなくなっている。
 昭和は、遠くになりにけりだ。

 脱線するが、平成生まれの若者は、昭和時代にパソコンがあったのを知らない。下手したらテレビや冷蔵庫も無かったことにされかねない。彼らの頭では明治・大正あたりとゴッチャにされているのだ。これも全て「三丁目の夕日」のイメージからきているのだと思う。

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 長い前置きは、このくらいにして北軽井沢ブルーベリーYGHの御客さんには長距離バスでくる人が多い。夏になると関西方面から夜行バスに乗ってやってくる。そして軽井沢で一日遊んで北軽井沢にやってきて、うちの宿にチェックインするのだ。

 夜行バスは安くて便利である。寝ている間に軽井沢に到着するからだ。私も何度か夜行バスを使っている。東京から四国まで夜行バスで行ったことがある。電車とちがうところは、走行してすぐに照明が消えて真っ暗になるところだ。そのために強制睡眠にはいることができる。逆に東京からだと近すぎて夜行バスにならない。昼間の移動になってしまうので個人的には電車の方が好きである。

 それはともかくとして、最近、多くなってきたのは、中型バスを貸し切って北軽井沢にくる団体様だ。ほとんどが山岳会で、効率よく百名山を登るには、これが一番であるらしい。なにしろ山岳会は荷物が多いので、貸切バスは便利なのだ。大学のサークルも貸切バスでやってくる。やはり荷物が多い。しかし、一番荷物が多いのは、コスプレの団体様である。北軽井沢は、徐々にコスプレ族の聖地になりつつある。エビ族からコスプレ族とは、時代も変わったものだ。

 関係ないが、嫁さんが父親の二十三回忌に出たときに、家族で写真を撮ったらしいが、そのスタジオが、コスプレみたいな貸衣装をただで貸してくれるところだったらしい。しかし、男の子用のコスプレ衣装にろくなのが無かったらしく、自前の服で写真を撮ったらしい。

 あと、どうでも良いことなのだが、世の中には路線バスマニアがいるらしい。鉄道マニアを鉄ちゃんと言うが、飛行機マニアはヒッちゃん、バスマニアはバッちゃんだ。「鉄道ジャナール」のような専門雑誌もあるらしい。オタク度もかなり濃くて、専門分化されているらしい。車両オタク・路線オタク・運転手の運転技術オタク・エンジン音オタクといった様々な趣味があるらしい。かとおもうと、バス停マニアもいるようで、全てのバス停の写真を撮らないと気がすまない人もいる。もちろんバス路線全てを乗りつぶすために北軽井沢にやってきた人がいた。世の中には、面白いことを趣味にしている人が多いのには驚かされる。


つづく。

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posted by マネージャー at 23:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
斜里バス伝説!
私も昔、毎年のように北海道ツーリングに行っていたときに聞きましたし、実際に知床のカムイワッカの滝へ向かう時に後方からバスがきたので、こちらもライダーの意地として追いつかれまいとダートの林道を必死に飛ばして走っていった思い出があります。あの頃は一般の観光バスなんてまず入ってこなかったから、たぶん斜里バスだったと思います。
Posted by イトウ at 2015年04月29日 16:17
こわいですね。
よく生きて帰ってこられましたね。

もっとも、最近の斜里バスは大人しくなっているらしく、どうしてだろう?と思ったら、暴走運転手が定年退職でやめられて、新人が常識的な人だったと聞いています。

Posted by マネージャー at 2015年05月01日 09:38
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