2015年06月18日

一昨日、鼻曲山の登山道を整備していたら

 一昨日、鼻曲山の登山道を整備していた。メンバーは2人である。国境平から登る登山道は、木が何本も倒れて登山道を遮断しており、途中から笹の籔がひどくなっていて、登山者が登りにくくなっていたからだ。ところが、作業の途中に電話がじゃんじゃん入ってきていた。運悪く作業メンバーの1人が、観光協会の携帯電話を持っていた。その観光協会に、いろいろなマスコミから電話がかかってきたのである。用件は浅間山の噴火の事である。もちろん噴火したことなど知る訳がない。

 私たちは鼻曲山の登山道にたわけだが、全く知らなかった。しかし電話はじゃんじゃんかかってくる。そのために、 1人が全く仕事ができない状態になってしまった。 2人でいちにちの作業を行う予定だったのだが、 1人しか作業ができないために、全く仕事にならない。おまけに電話をかけてきたマスコミ関係者は、いろいろと誘導質問をしてくるが、そもそも噴火したことさえ知らないのだから、答えられないのにしつこい。巧に回答を誘導してくるが、答えようがないので役場に電話をしてくれと言うしかないのである。

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 ここで思い出すのが2004年の噴火の時のことだ。あの時はマスコミたちにさんざんやられてしまった。高感度カメラで撮影された画像を何度もテレビに流された。火口そばの所をzoom upされて撮影されたものを流した。しかも、流される事に色を着色されて、次第に激しい噴火のように映像を改ざんされていった。

 これに何度か抗議した結果、高感度カメラで撮影してますというテロップが入るようになったが、あの映像のおかげで、全国の友人や親戚から浅間山近辺の住民たちは全滅したのではないかと思われてしまった。

 しかしそんなことはないのである。浅間山の火口周辺4 kmに民家も道路もないのだ。そこが御岳山や白根山と違うところだ。登山道の入口でさえ4キロ以上離れている。一般的に言って4キロ以上離れていれば、安全なのだ。そして4キロ以内に民家や道路はないのである。現在浅間山はレベル2である。火口周辺の規制があるだけだ。入山規制はされていない。そういう状態なのである。しかし、その日は何軒もキャンセルが入ってしまった。マスコミがあれだけ騒いだら、そういう人も出てくるだろう。残念だが仕方がない。

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 しつこいようだが私の過去の書き込みをここに紹介しておく。
 これを読んでくれれば、浅間山麓のことがよくわかると思う。

 http://kaze3.seesaa.net/article/406229611.html

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 御嶽山の噴火によって半径4キロ以内は入山禁止となった。ここがポイントなのだ。半径から4キロ離れていれば、火山はたいして怖くないのである。あれだけ噴火しても半径4キロの外なら安全なのだ。なので、吾妻山や浅間山などもレベル3になると半径4キロの立ち入りは禁止になる。

 ところがである。どこもかしこも半径4キロというふうにはいかないのだ。具体的に言うと桜島。桜島の半径4キロ以内に何があるのか? 桜島がスッポリはいっちゃうのだ。鹿児島市は、ぎりぎりセーフ。で、今の桜島の噴火警戒レベル3なのである。ここに半径4キロを適用したらパニックになるだろう。もちろん、そんなことできるわけがない。だいいち鹿児島の人間は、桜島の噴火と共生してきた歴史がある。余計なお世話だろう。口永良部島や阿蘇山だとさらにパニックになる。一回地図を開いてみてほしい。

 じゃあ浅間山は?

 幸いにも半径4キロ以内に民家は無い。生活道路も、ほとんどない。だからレベル3になっても何もかわらないのである。住民も観光客も何の心配も無い。しかし、そうはいかなかった。2004年の噴火では、ストロンボリ式噴火にもかかわらず風評被害で観光客はバタッとこなくなった。だから風評被害は怖いけれど、火山は怖くない。噴火しても4キロ以内に民家は無い。5キロ以内にもほとんどない。あっても別荘が多少ある程度である。

 草津白根山はどうだろう?

 もう絶望である。もし草津白根山がレベル3になったら、御愁傷様というしかない。半径4キロの中には、万座どころか草津温泉の中心街もスッポリ入っている。だから、この夏は、草津町民は生きた心地がしなかっただろう。もちろん志賀高原もそうであるが、風向きを考えたら東側にある草津町民の心臓はバクバクものであったと思う。さいわい、草津白根山は首の皮1枚でレベル2にふみとどまったが、レベル3に近いレベル2だったと思う。さいわい9月になってから火山性地震がパッタリとまった。まだ油断はできないが、このままいけば、レベル1の安全水準になる日も遠くないだろう。

 さて、ここで気が付いた人もいると思う。レベル3になっても大して影響の無い地域と、そうではない地域があることに。

 では、御嶽山はどうなのだろうか?

 半径4キロ以内に、山小屋はもちろんのこと、ロープウエイやら温泉やらスキー場やらキャンプ場やら旅館ペンション民宿など、いろんなものがワンサカある。つまり御嶽山が噴火すると自動的に被害がおきやすい地域なのだ。

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 長い前置きはここまでとして、本題に入る。実は今回の噴火は、浅間高原の自然にとって悪いことでは無いのだ。少々の火山灰が浅間高原に降り注いだことによって、高山植物が元気になるからである。そして元気になって花が豊作になるからである。 pH値が酸性の火山灰が広く降り注ぐことによって、つつじ科の植物が元気になる。そしてれんげツツジや、シャクナゲが美しい花を咲かせてくれる可能性が高くなった。来年の浅間高原は花が豊作になる可能性が高い。特に浅間園や火山博物館や鬼押し出し園の花が美しくなる可能性が高い。

 あと飲料水にとっても悪い話ではありません。嬬恋村の水道は、地下水だが、過去にpH値が酸性の火山灰が広く降り注いた事によって、無菌状態の水源となっている。ほぼ塩素が必要ない状態で蛇口から出てきている。これだって浅間の恵みだと思う。

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 また、浅間山特有の植生も少しではあるが元気になる可能性もある。詳しい事は書けないが、浅間山には固有の植物があるみたいなのだ。残念ながら、植物学者があまりに熱心に調べてくれないために、地元の素人の山岳関係者が少しずつ調査をしている。そして固有種の可能性のある植物が、少しずつ発見されている。そーゆー希少動植物が元気になる可能性がある。そこまで大げさな話では無いにしても、時々噴火してくれれば、カラマツやゴヨウマツが枯れてくれて、代わりにつつじ科の高山植物が繁栄してくれれば、浅間山本来の植生が戻ってくれるからである。そうなれば、また美しい浅間高原が戻ってくれるかもしれない。しかし、そのようなことになるには、毎日のように小規模の噴火が必要になってくる。なのでマスコミさえ騒がなければ、こういう噴火は大歓迎なのだ。

 浅間山はレベル2である。
 火口周辺しか立ち入り規制は無い。
 なので私も毎日、愛犬コロを連れて登っている。
 昨日も、素晴らしい展望を独り占めできて楽しむことができた。

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つづく。

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posted by マネージャー at 07:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たくさんの人が事実を見ないで報道を見てしまう。
間違いだとしても。
どんなに真実を語っても流される映像を信じてしまう。
残念だけどそうなってしまうのですね。
Posted by うさぎ at 2015年06月18日 11:54
印象操作は、誰にも簡単にできると言うことですね。
しかも事実(映像)を使ってするからたちが悪い。
そして派手な不幸ほど視聴率がとれたりする。

Posted by マネージャー at 2015年06月19日 07:41
マスコミってのは事実を拡大解釈して報道するイメージがありますね。
Posted by マサ at 2015年06月19日 22:16
印象操作・・・というんですかね。
とにかく現場に『困っている』と言わせたいみたいです。
だから『喜んでる』と答えたくなる。
Posted by マネージャー at 2015年06月21日 05:54
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