2015年08月04日

北軽井沢の名物をあげてみる【高原野菜編】

北軽井沢の名物【高原野菜編】

 その昔、東京の野菜市場でアルバイトをしていたことがありました。そのときに野菜の目利きを教えていただいたのが、今になって役に立っているので、助かっています。当時感心した事は、市場に野菜を仕入れに来る八百屋さんたちに3種類の呼び名があることです。

 1つは上物師。これは主に高級料亭などに野菜を収める八百屋さんのことです。彼らはただひたすらに、高級品を求めます。もう一つはゲソ屋。普通の八百屋さんがこれにあたります。そして最後に『あかにし』 。これは市場で売れ残った野菜を徹底的に買い叩く連中で、腐ってしまう直前の野菜を捨て値どうぜんで買い漁って、それを格安のバーゲンとして売りさばく人たちです。格安スーパーの人間とか、露天商の人たちが多かったようです。この3種類の人たちと仲良く仕事をしたことが、宿屋をやっていく上で非常に役立っているのだから世の中はわからない。

15-7-19-01.JPG

 あと、全国各地の農協によっても貧富の差があるのが面白かったですね。例えば、金に困ってる農家たちで構成されている農協なんかは、雨の日に出荷してきます。普通は雨が降ると、農家さん達は嫌がって仕事をしませんので、出荷の数も少なくなり、野菜の値段が跳ね上がります。なので、お金に困った農家さん達は、雨の日をわざわざ狙って出荷するわけです。だから野菜の入った箱が、泥だらけだったりします。

 ところが、お金に困ってない農家さん達は、雨の日は仕事を休みますので、いつも箱は綺麗なままで、晴れてる日に出荷してきます。もちろん品物も綺麗なままですから、上物師たちからも好評です。では、嬬恋村の農家さん達は、どういう農家だったかと言うと、お金のある農家だったという記憶があります。いつも箱が綺麗で、品物も綺麗なものが多かった気がしました。

 長い前置きになりましたが、ここから本題に入ります。

 自動車で北軽井沢に遊びにきて帰るときに高原野菜を買い込んで帰りたいと言う人が多いと思います。そこで今回は、高原野菜の買い方をこっそり教えちゃいたいと思います。実は北軽井沢には、八百屋がありません。したがって野菜を買うときは、農家の直売所から買うことになります。国道146号線沿いに農家の直売所が、たくさんあります。まぁどこで買ってもいいのですが、実は農家によって得意不得意の分野があります。かぼちゃが得意な農家もあれば、とうもろこしが得意な農家もあります。それを見極めて、買うのがコツです。

 例えば長野原町(北軽井沢)では、とうもろこしといえば、たいてい「めぐみ」です。これが嬬恋村になると「ゴールドラッシュ」か「ピュアホワイト」が主流です。まぁどちらを買っても大差が無いといえばないのですが、野菜ソムリエクラスの人であれば、微妙な違いに戸惑うかもしれません。うちの食卓には、たいてい「めぐみ」が出ます。食べたお客さんは、あまりの甘さに驚かれて、めぐみを売っている店を聞いてきます。ところがこれが説明しにくいですよね。なにしろ農家さんから買ってるわけですから。

DSCF0065.JPG


◆久保農園(北軽井沢信号前)

 そこで、わかりやすい店を紹介するわけですが、 1番わかりやすいのが、北軽井沢の信号前にある久保農園です。この久保農園は、北軽井沢から少し北に行ったところの応桑というところにある農家さんです。昔はあまりものが良くなかったのですが、最近は品質が安定してきて、かなり良いものが出るようになりました。キャベツやとうもろこし、大根、レタスなどが格安で売られています。ただし、ちょっと「あかにし」ぽいところがあります。そこで売られているものは、必ずしも北軽井沢で取れたものとは限らないので、その辺は注意です。

 とはいうものの、小諸あたりから仕入れてきているものが大半なので高原野菜である事は間違いありません。もっとも、「安いなぁ」と思えるような商品は、全て北軽井沢の産品です。それらは「我が家大根」とか「我が家きゅうり」とか書いてあります。それらは、東京の八百屋さんの5分の1ぐらいの値段で売られています。

◆羽入田農園(ロイヤル通り)

 もう一つ有名な野菜直売所は、羽入田農園さんです。ここは、一押しの店です。最高の野菜が揃っていますので、ぜひたちよることをお薦めします。羽生田農園では高原キャベツ、とうもろこし、じゃがいも、レタス、白菜、トマト、きゅうり、なす、豆類など数十種類の野菜を作っています。有機肥料を使用しているのでどの野菜もとってもおいしいです。うちの野菜も、大半はここで買っています。

 もちろん他のペンションさんたちも、ここで買われる人が多いですね。ホテルグリーンプラザさんも、直接羽生田農園さんから購入されているようです。正直言うと、うちの野菜のほとんどをここで仕入れています。ここは専門用語でいうところの上物師御用達の店です。他の直売所では、 B級品も売っているケースが多いのですが、ここでは、 B級品をおまけとしてプレゼントしているので、品物の悪い野菜がおいてやる事はほとんどありません。

 イチオシなのは、とうもろこしの「めぐみ」ですが、幻のキャベツ419もお勧めです。このキャベツは市場に殆どで回る事は無いそうです。他のキャベツとの違いは、歯触りがあって甘味のあるところです。甘味が全然違うんですね。それなのに一般的に市場に出てこないのは、すぐ割れてしまうからだそうです。

場所は、こちらです↓
https://www.google.co.jp/maps/@36.449767,138.57183,3a,75y,259.42h,85.48t/data=!3m6!1e1!3m4!1s4rQZLXY1RszUuY2wYz8L-g!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja

7-6-04.JPG


◆鬼押ハイウェイぞいの野菜直売所

 有料道路を出たところに何件かあります。家族でやっているところが多く味は絶品です。ただし、各直売所によって、得手不得手があるようです。かぼちゃが得意だったり、キャベツが得意だったり。とうもろこしは、ほとんどゴールドラッシュです。焼いて販売しているところもありますが、もともとは生で食べられるとうもろこしなので、 3分程度の殺菌で丸かじりにされる人も多いですね。私のところは、宿という立場上、さすがに生で出すわけにはいかず、 5分ほど殺菌していますが、本当なら生で食べてみたいものです。

 たまに、うちのお客さんで100本単位でゴールドラッシュを注文する人がおられるので、どうしてだろう?と不思議に思っていたのですが、よくよく聞いてみたら、レストランの自営業をしている人達でした。店を休んで北軽井沢に来て、あまりのとうもろこしの美味しさに驚き、 100本ずつ3回か4回に分けて輸送をしてもらうように契約してきたと聞いて驚いた記憶があります。

 それから珍しい野菜を売っているケースも多いですね。生で食べられるかぼちゃとか、畑から塩分を吸収する野菜とか、いろんな野菜があります。それらは北軽井沢ブルーベリーの食卓によく出てきますので、ぜひ味わってみてください。そして気に入ったら、お土産で買っていくと良いと思います。



◆美味しい野菜の調理方法

 ここで美味しい野菜の調理方法を少しだけ伝授します。まずとうもろこしの「めぐみ」のゆで方ですが、冷たい水に入れて茹でます。どの野菜も水から茹でるのが原則です。そして沸騰してきたら塩を入れて5分間だけ茹でて完成です。あとおいしいキャベツの食べ方ですが、千切りではなく大きくざく切りにして食べるのが1番です。黒酢に黒胡椒をかけて食べてもよし、ドレッシングをかけてもよし、縮緬ジャコをかけてもいいですね。もちろんマヨネーズでもいいです。でも、最初は生でじっくり噛んでみて、甘みを味わってからにしてください。


つづく。

↓ブログ更新を読みたい方は投票を

人気blogランキング




posted by マネージャー at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック