最近、孤独のグルメって本を読んだんですが、テレビドラマもよかったけれど、原作もいいですね。
料理の薀蓄を述べるのではなく、ひたすらに主人公の中年男の食事シーンと心理描写を綴っているドラマで、ストーリーは無くて、ドキュメンタリーのように孤独に食事をする。しかし、一見、孤独に見えるこの行為も、おいしい食事との出会いによって、孤独が孤独でなくなるのです。「おいしい」によって孤独から解放される。
もう一つ言うと、この解放は、ツレがいては駄目で、男一人でないとだめなのです。誰の目も気にせずに、ただ黙々と食べれる自由が無いとだめ。誰の目も気にせずに、ただ黙々とメニューを選択する自由が無いと駄目。つまり逆説なんですよ。こどくであればこそ、「おいしい」によって孤独から解放されるのです。
でも、なんか、どっかで読んだことがある気がしてならなかったです。テレビドラマでもそうなんですけれど、デジャブ〜というか、こういう主人公を何人も見ている気がしました。いや、こういう人を私は何百人と知っている。そうです。孤独のグルメのような主人公を、私は何百人と知っていることに気が付いたのです。
孤独にフラリと旅に出て、そしてうちの宿に泊まる一人旅の御客さんたち。別に宿のイベントに参加するわけでも無く、お茶会でわいわいやるわけでもなし、ただ、ふらりとやってきて泊まって帰って行く。しかも誰も居ないような平日とか、オフシーズンにやってくる。
バイクで走るために来た人も居れば、釣りをしにくる人も居る。中には「寝に来ました」と言って、本当に寝るだけで帰って行く御客さんもいます。その人は、ドサッと花の球根をもってきて寄付してくれる花屋さんだったりもします。また、宿に泊まって宿の雪かきだけして帰っていった御客様もいました。
みんな孤独な旅人にみえるけれど、少しも孤独では無い。北軽井沢で目的を達成することによって、孤独から解放される。つまり最も自由な、究極な旅を満喫するわけです。そういう人は、無口です。無口なために満足されているのかどうか、外見には分かりにくいんですよ。だから、こっちはドキドキしてしまう。けれど帰り際に言葉少なに「また来ます」と去って行く。無口な人が多いだけに、その言葉が出るまでは、ビクビクしているんですが、「また来ます」の一言でホッとする。で、後ろ姿を見送るわけですが、それがまたぶっきらぼうでかっこいいんですよね。
で、孤独のグルメの作者、久住昌之にぜひお願いしたいんですが、「孤独の旅人」もぜひ書いてくれないかなあ? 取材協力しますよ。ネタなら山ほどあります。なにせこっちは多くの「孤独の旅人」を見てきているので。
つづく。
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ラベル:孤独のグルメ
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しかも笑えてしまう。
役者さんが大変そうですね。
出会いってわくわくします。
進之助さん
うさぎさん
一見すると、一人グルメも一人旅も、孤独にみえるんですが、そうでなかったりするのが面白いところですね。人、それぞれに旅先で大いに楽しんで、孤独から解放されていますから。