話は変わりますが、脳の発達に3つほど臨界期がある事はよく知られています。例えば視覚。誕生から数ヶ月間、全く光を知らないままでいますと、脳の視覚システムが構築できず一生涯失明したままになる事はよく知られています。つまり、赤ちゃんは生まれてすぐ光を浴びないと失明してしまうわけです。脳のなかの視覚における神経回路がその発達の臨界期を過ぎてしまったからです。だから後で、いくら光を浴びても、目が見えるようにはなりません。これが臨界期です。
もうひとつよく知られているのが、言語の臨界期です。 10歳までに人間社会の言語に触れることができなかった子供たちは、脳における言語システムそのものが構築できないために、 10歳以降にどんなに勉強しても文字を覚えることも言葉を話すこともできないと言われています。狼少女アマラの話は有名ですが、彼女は言語の臨界期を過ぎていたために、人間の言葉を最後まで理解できずに死んでしまいました。
そして、脳の発達にはもう一つの臨界期があると言われています。それは脳の「眼窩前頭域」で、この部分の盛んな発達は生後36ヵ月(3歳)ぐらいだと言われています。もちろん、 20歳ぐらいまで発達を続けるという研究者もいるようですが、その発達レベルは3歳までとは比較にならないほど弱いようです。この「眼窩前頭域」の発達が脆弱だと自分の感情が抑えられないで、すぐにキレるハイリスクの子(危険度の高い子)になり、共感能力や思いやりを欠く子や、無気力、無感動な子になりやすい言われています。多動児やその他の発達障害も、この「眼窩前頭域」の発達と無関係で無いと言われています。
逆に臨界期が見られないのが、大脳新皮質の部分で、 3歳以降に急激に発達して、溢れんばかりの知識を吸収するようになると言われています。だから、3歳以前の子供に勉強教えるのはあまり意味のないことで、 3歳以前の子供にとって重要な事は、「眼窩前頭域」を発達させることだと言われています。 3歳を過ぎますと、「眼窩前頭域」の臨界期を迎えるからです。詳しくは、脳科学者の
『決定版 その子育ては科学的に間違っています 國米欣明』
を読んでもらうとして、うちの息子の将来を決める性格形成にとって、これから数ヶ月間が非常に重要な時期であることだけは確かです。
夏の間は宿の仕事一筋で、ろくに息子の相手をしてやれませんでしたので、これからの半年間は、息子の「眼窩前頭域」の発達のためにちょっと頑張ろうかなーと思っています。天気さえよければ児童公園やおもちゃ王国に連れて行って、社会のルールを学ばせたり我慢をさせる事を学ばせなければなりません。これが、ひらがなやカタカナを覚えることよりも1万倍大切な事はわかっていたのですが、どうしても仕事が忙しくて、今までできませんでした。
これはどこの家庭のお父さんお母さんでも同じような悩みを抱えているかと思いますが、私のうちもご多分に漏れなかったです。秋には、ちょくちょくと旅行に連れて行って、列車に乗ったり、船に乗ったり、飛行機に乗ったりして、いろいろな土地土地で社会のルールを覚えさせたいなぁと思っています。もちろん、たっぷり叱ったりする予定です。だから息子が3歳になる来年3月までは、平日は休館日も多くなるかもしれません。(ごめんなさい!)
とりあえず、9月になったら、おもちゃ王国につれていこうっと!
つづく。
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「可愛い子には旅をさせよ」ですね。
息子は保育所で集団のルールを学べて良かったです。親から伝えられないものをしっかり補ってもらえました。
ブルーベリーで毎年お世話になることも、成長の糧になっていると思います。