2015年09月04日

アレルギーをおもちの御客様が増えてきた気がする

 二日間、夕食なしの日を続けたら、体調が少しづつ回復してきました。正直言って、今年の夏はしんどかったです。薬漬けに栄養ドリンク漬けで、なんとかたもちました。いつ倒れてもおかしくなかったですが、この2日で、なんとか回復できました。

 どうして、今年は、こんなにきつかったのかと言いますと、アレルギーの御客様が増えたのが原因です。昔は、アレルギーの御客様は、ひと夏に1人か2人いれば良い方でしたから、アレルギーの御客様といっても大したことはなかったのです。ところが今年は、1日に3人くらいいたりする。それも全員、同じアレルギーだったらよかったのですが、魚アレルギー・肉アレルギー・卵アレルギー・果物アレルギーといった御客様が、同時にお泊まりになったりします。そうなると料理の手間が倍または3倍になる吾です。

 たとえば卵アレルギーのお子さんがいる御家族に揚げ物やハンバーグは出せません。で、魚料理とかを出すわけですが、そうすると他のテーブルとメニューが違ってきます。すると、ハンバーグや唐揚げを食べたいお子さんは「どうして、うちだけハンバーグや唐揚げが無いの?」とションボリしていますから、こっちも辛い。

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 卵を使わないハンバーグや唐揚げを作る時間は、どうしてもとれない。一人だけなら、なんとかなるけれど、1日に3人もいたら、しかも別のアレルギーの御客様がいたら、一人一人特別なものをつくる時間が無いわけです。なにしろうちの料理は10皿ありますから、作るのも大変ですが皿洗いも大変なので、とても手が回らない。だから「ゆるしてくれよ」と、別メニューをお出しする。

 実はアレルギーというのは、程度の差が大きくでるもので、つなぎに卵を使っても大丈夫な卵アレルギーの方もいれば、一度でも卵焼きを焼いたフライパンを使ってくれるなという、超敏感なアレルギーの御客様もいらっしゃいます。だから同じ卵アレルギーでも、同じで無かったりする。で、最終的にマクロビクラスの超敏感なアレルギーの御客様は、お断りするしかないケースも出てきました。これが暇なときなら対処できるんですが、夏の忙しい時は、事実上無理でしたね。こっちの身体がもたないからです。

 長い前置きになりましたが、いつから、こんなにアレルギーの御客様が増えたんでしょうか? 自分なりにちょっと調べてみたんですが、健康ブームがはじまってからアレルギーの御客様が増えているみたいですね。変な民間信仰的な健康法でアレルギーが増えている気がしてならないです。

 で、うちの風呂に無添加石けんを置こうかと家内に相談してみたら却下されてしまいました。見栄えが悪いそうです。家内は、こういう事にはうるさいので、あえて抵抗するわけにもいかず、欲しい人に小さなものを渡すなど、別の方法で無添加石けんを用意することを考えています。

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 まあ、そんなことはどうでもいいとして、アレルギーに完全対処している宿が近所に無いか調べてみました。超敏感なアレルギーの御客様をお断りする場合、紹介する先がないといけないかなあと。で、調べてみたらありました、ありました。軽井沢グリーンプラザホテルです。ここは、バイキングですけれど、100種類ぐらいのメニューがあって、全ての料理にアレルギー物質の表がついているんですよね。そのメニュー表を最初にもらえるのです。もちろん幼児食のコーナーもありました。さすがグリーンプラザホテルです。おもちゃ王国の親会社だけのことはあります。今度から超敏感なアレルギーの御客様は、こちらにご案内しようかと思いました。

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 それはともかく、宿屋でさえ、こんなに大変なのだから毎日料理を作っているお母さんは、もっと大変ですね。本当に頭が下がります。特に魚アレルギーのお子さんが居たら、もう大変。作れるものが無くなってしまう。最近は、ビーフシチューのルーにも魚エキスがはいっているし、へたしたらコンソメだって危ない。もちろん味噌汁も鍋も作れない。ドレッシングだって美味しいものには、たいてい魚エキスがはいっている。和食系統のものには、ほとんど入っているのです。で、考えた末に、肉と温野菜ばかりになる。味付けも塩胡椒が中心になる。どうしても味が単調になってしまう。それでは宿屋のプライドが許さないので、悩むことの多い毎日でした。


つづく。

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posted by マネージャー at 08:08| Comment(3) | TrackBack(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
それは例年以上に大変でしたね。
食物アレルギー、おっしゃる通りに程度も様々…

以前、さいたま市民医療センターの小児科医(アレルギー専門医)の講演を伺いました。

手元に資料がなく記憶の範囲ですが、治療方針の基本は「小学校入学までに極力食べられるものを増やす(味覚の完成は就学年齢と同時期)」
つまり「食べて治す」…危険が伴いますので入院します。
ごくごく少量から、調理法もアレルギー反応が起きにくいものから選択しつつ、与えて観察します。
(正しいスキンケアのあり方にも触れていました。)

血液検査でアレルギー反応があっても、食べて問題がなければ避ける必要はありません。
そのためさいたま市の学校は、食物アレルギーの申告方法が変わりました。
従来保護者からの申告でしたが、家庭による曖昧な判断で食べられるものを制限するケースが多いのではないか?ということで、医師による具体的な診断書(学校向けの書式)の提出が義務となりました。

健康第一で、北軽井沢ならではの美味しいものをいっぱい食べていただきたいですね。
Posted by あんみつ at 2015年09月04日 08:49
宿主さんも、断ることなく、がんばられた夏だったのですね。
大変なことでした。ユースで1人10皿も食事が並ぶなんて、
まずありません。半分もないと思います。
いかにコスト削減するか・・・というのが、ありありわかる、
夕飯のところが多く、もやしの和え物は毎回出てくるところがあります。
食事は旅の楽しみのひとつでありますが、食事の美味しいユースは、本当に少ないです。
それだけにブルーベリーさんは貴重な存在なのです。
Posted by すにゃん at 2015年09月04日 19:47
あんみつさん

宿屋としては、とにかく御客様から情報が欲しいですよね。単に肉アレルギーと言われても、どのくらいのアレルギーかわからない。ダシやエキスも駄目なのか? それともベジタリアンのたぐいなのか? 牛肉だけが駄目なのか? 全ての肉が駄目なのか? これが分かるだけで、かなり助かるんですけれどね。



すにゃんさん

10皿といっても半分は小鉢です。
だから量が多いわけでは無いのですが、
種類を多くつくったら次に出せるレパートリーは減るわけで、
複数のアレルギーの御客様が連泊されると、
メニューが無くなって、新メニューを開発なんてこともありました。




Posted by マネージャー at 2015年09月04日 22:42
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