2016年03月02日

勉強のために他の宿に泊まってみた結果1

 先日、観光協会の理事会がありました。主な議題は、ウィンターフェスティバルを完全に廃止するか、形を変えて縮小したうえで継続するかの議論でした。会議は、予定時刻を大幅にオーバーしても収拾がつかなくて、お客様がいた関係上、私は早退してしまいました。正直言って、あの後どういう風に展開したのかわかりません。その議事録が送られてくるでしょうから、どんな結果になったのか、不安といえば不安です。仮に継続するにしても、今までのような大規模なイベントは明らかに不可能です。原因は、観光協会のメンバーも高齢化にあります。理事の大半は、 50歳から75歳位であって、彼らは10年後には、 60歳から85歳になるんですね。体がもたないわけです。

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 また、従業員がやめたり、奥さんが病気になったりして、観光協会の活動ができなくなりつつあるというケースも多いです。本業の不動産業や宿がうまくいかなくて、観光協会どころではないというケースも多々あります。こういう人たちに、ボランティアを強要することなど出来る訳がありませんので、みんなで村おこしをするという夢も見れなくなってきました。そこで、嬬恋村にある5つの観光協会を合併させて、 1つの観光協会にして、大きな組織にすると言う動きが出てきています。しかし、これもいろいろ難しい問題があってうまくいってません。

 おもしろいことに、これらの一連の流れは、今から15年前の日本ユースホステル協会にもあった話です。マネージャーの高齢化もそうだし、地方協会を合併させて大きな組織にするという話もありました。けれど、何一つ解決することなく今日まで続いています。そのために、ユースホステルは、新興勢力のゲストハウスに押され気味になっています。新興勢力のゲストハウスのオーナーたちは、若いんですよね。だから対象となるお客さまも若いんです。若者にしかできない旅のスタイルであるバックパッカーを取り込んでいる。

 うちの宿も、オープン当初は、大勢のバックパッカーがやってきたものですが、今はそれほど泊まりにきていません。おそらく宿が主催するハイキングツアーが少なくなって来たのが原因の1つでしょう。また、ファミリー層が増えてきたのも原因の1つでしょう。

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 ちなみにファミリー層が増えると、予約もかなり早く入るようになってきました。ゴールデンウィークとかお盆は、数ヶ月前からすぐに埋まります。家族旅行は、早めに宿を押さえる必要があるんでしょうね。そのせいか夏休みや連休はあっという間に埋まるようになってきています。

 このような客層の変化に、私は戸惑いました。
 で、ファミリー層がどのようなスタイルで旅をするのか研究してみました。

 具体的に言うと、 2015年の11月から2016年の1月にかけて、いろいろなランクのホテルやペンションや民宿に毎週のように家族で泊まってみたのです。で、気がついたことがありました。

 まず、どうやって宿泊先を決めたかというと、インターネットで探したんですね。じゃらんや、るるぶのような紙媒体で決めてないわけです。というか、そういう便利な紙媒体は、もう手に入らないんです。だからインターネットを利用することになる。

 当然のことながら口コミを読んで決めています。口コミの最大情報量を持つサイトは、トリップアドバイザー・じゃらん・楽天・ブッキングゴムなどですが、どこがいちばん参考になったかというと、じゃらん・楽天なんですよね。この2つが1人勝ちしているわけです。

 私も家内も、昔はユースホステルを使って旅したクチなので、最初はできるだけユースホステルを使いたいと思って検索したのですが、なかなか適当な宿が見つからないわけです。というか、インターネットから情報が集まらないんですよね。 1つの宿に100以上の口コミがあって、そのクチコミを読むと、宿の状態がありありと頭に浮かんでくるというようなサイトは無いわけです。そういうサイトは、じゃらん・楽天だけでした。

 あと、 GoogleやYahoo!の検索を使って宿を探すという作業も行ったのですが、これは能率的な探し方では無いわけです。自分でいろいろ探してみて初めて分かったのですが、知りたい情報を手に入れるまで時間がかかりすぎるんですよね。特に観光地の情報を持ってない場合は、致命的にわかりづらいのです。仕方ないので、じゃらん・楽天の口コミサイトを見るわけです。

 というか、それらが検索の上位にヒットするわけです。だから必然的に、そこを見るようになり、じゃらん・楽天が用意している検索機能をついつい使ってしまうわけです。そして、それらを使っているうちに、簡単に自分が理想とする宿にたどり着くわけです。そしてそこに予約するわけです。

 で、予約する前に、すべての口コミを読んでいるわけです。口コミの中には、絶賛もあれば辛口の評価もあります。だから、その宿の欠点も事前に知り尽くしていますから、実際に泊まった時は、その欠点が全く気にならないわけです。それを承知で予約(契約)してるわけなので、気にならないんですね。気になるのは、口コミで指摘されてなかった欠点だけです。

 この点に気がついた私は、ちょっと青ざめてしまいました。

 実は、うちの宿の口コミは実際よりも評価がよすぎるんです。じゃらんのお客様からは、5つ星をたくさんいただいていますが、これは明らかに褒めすぎだと思っています。これを真に受けられてしまったらエライことになると思いました。うちは、そんなたいそうな宿ではありません。思い当たることがあるとすれば、コストパフォーマンスで星が多いのではないかと。実際の施設のレベルはそんなに高くないです。価格帯の割には、頑張っているという事なんではないかと思っています。

 それが証拠に、最近私たちが泊まったホテルは、うちの宿なんかよりもはるかにレベルが高かったですが、4つ星だったり、3星だったりしたのは、価格が2万円から3万円と言う値段だったからだと思います。もしあのレベルで、うちの宿と同じ価格帯だったら、絶対に5つ星だったでしょうね。

 話がそれました。
 口コミサイトの話です。

 宿屋の私が、そして宿屋の私の嫁さんが、意を決して家族旅行に出かけた時に、どうやって宿を選ぶのか?実際にやってみたら、一生懸命見るところは口コミなんですよね。

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 もちろん宿屋の情報ネットワークがありますから、どの宿が評判高いかは私も事前に知っています。だから自分の持ってる情報で良い宿に泊まっろうと思えば泊まれるのですが、今回はそういう宿は、一切排除して自分の全く知らない宿に泊まっろうと言うテーマを持って、宿探しをしてみたんですね。

 で、実際に自腹を切って、そこそこの宿に泊まろうと思ったら、必死になって宿を探すわけです。で、 1泊に3万円くらいを使おうと思ったら、目の色を変えて口コミサイトを探して読み込むわけです。失敗したくないわけです。年収の高くない若いご家族だったら、なおさらかもしれません。自分で自腹を切って宿を探してみたら、その辺の気持ちは痛いほどわかりました。

 逆に言うと、どうして楽天・じゃらんが1人勝ちしてるのかもよく判りました。楽天・じゃらんの価値は、口コミにこそあるのです。あそこの口コミは、実際にそこの予約サイトから予約した人しか書けません。そして口コミを書いた人は、どういうプランで宿泊したか、値段設定はいくらで泊まって書いたかがわかるようになっています。その上で、その人がどのように感じたのか書いてあるわけですから、それはそれで貴重な資料なんです。サクラを使って操作できる資料ではないわけです。操作できるサイトとは違うわけです。

 あと、口コミに対しての宿側の対応も、ここで分かるわけです。3万円もとっていて、いいかげんな対応をする宿は、すぐにばれてしまう。逆に7000円の御客様にも丁寧な返事を書いている宿もあります。そういう宿は、星が低くても興味がわいてきます。ある意味、宿屋は、御客様に試されているわけです。


つづく。

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posted by マネージャー at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | テーマ別雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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