2016年04月20日

大河ドラマ「真田丸」を地元から語ってみる 13

 真田丸15話の録画を見ました。いやー笑った笑った。 15話は、喜劇を書くシナリオライターの個性が非常によく出た回でしたね。秀吉のキャラクターが、非常に面白かったです。あと色々な伏線が、随所に散りばめられていました。

 それはそうとして、やはりこの15話も、ちょっと説明不足のところがあります。まず、いきなり秀吉が、徳川家康を使って真田昌幸を攻めると上杉景勝に宣言し、上杉景勝が非常に驚いた顔をしていましたが、これは見ていた視聴者の皆さんも、同じだったのではないでしょうか? いつの間にか、秀吉、家康が仲良くなっていて、いつの間にか秀吉が家康を使って真田昌幸を攻撃することになっていたからです。

sdfgq2.jpg

 この辺の事情に詳しくない人たちにとっては、「? 」ですよね。
 説明が足りないです。
 この大河ドラマでは、肝心な説明を省いてしまう癖があるんですよね。

 では、どうしてこうなったのか?
 ちょっと説明をしたいと思います。

 実は第一次上田合戦で勝利した真田昌幸は、秀吉と連合して徳川を徹底的に攻撃するつもりでいたんです。もちろん秀吉もそのつもりでした。ところが、その直後に、天変地異が起こります。

 天正の大地震が起きるんです。


 この地震は、ものすごい地震で、飛騨では城が一瞬のうちに消えてしまい、一族が全滅したところまででてきました。他にもいろいろな城が壊滅しています。熊本地震の熊本城なんかより被害の大きい城が続出したんです。その上、若狭湾と伊勢湾に同時に津波が発生しています。その結果、近畿地方と濃尾地方は、経済が壊滅的な打撃を受けます。東日本大震災をイメージすればいいと思います。

 問題は、震災によるダメージの大きかったのが秀吉の領土だったことです。
 もう少しで、家康を追い詰める寸前だったのに、
 いきなり東日本大震災クラスの災害が起きてしまった。
 しかも一ヶ月にわたって大規模余震が続いた。
 家康を攻撃するどころではなくなってしまったんですね。
 それが、第一次上田合戦で真田昌幸が勝利した四ヶ月後に起きるわけです。
 そこで秀吉は、家康を懐柔することにしたんですね。
 戦争をやめて、政略で家康を子分にしようとしたわけです。

sss024.jpg

 もちろん家康も、秀吉の意図を知っています。
 だから条件を出します。
 信濃の国衆をくれと言うわけです。
 要するに、真田をちょうだいと言ってるわけです。

 家康にしてみたら、石川数正の寝返りによって、徳川の軍事システムが秀吉にばればれになっているために、早急に軍事体制を武田信玄のシステムに変更しなければなりません。そのためには、真田の力がどうしても必要なわけです。

 もちろん、真田昌幸にしたらとんでもない話ですから、良い返事をする訳がありません。秀吉に対しても、渋い顔します。もちろん秀吉は、激怒します。 家康に、真田を攻撃することを容認し、上杉景勝に、真田に対して支援することを禁じます。そして、秀吉自ら真田昌幸を討伐するぞと言い始めるんです。

 もちろんこれは芝居です。家康の面子を立ててあげてるだけです。本気で真田を攻撃するつもりは全くありません。それは家康も知っていますから、真田を攻めるそぶりをして、甲府まで軍を進めますが、そこで引き返して、家康は秀吉に臣従するんです。

 また、真田を家康に渡すためには、上杉景勝から引き離さないとならない。だから秀吉は、上杉景勝に真田を攻撃するから手出しはするなと言って、真田を上杉から引き離すのです。そうしないと、真田を家康にやれない。これも秀吉の巧妙な計算です。真田昌幸などより一枚も二枚も上手なんです。真田昌幸は、してやられたんですね。

 しかし、これは真田にとって悪いことではなかった。
 秀吉によって、国衆から大名に引き上げられたからです。
 もちろん家康の配下になりましたけれど。

sss022.jpg

 ところで、もし織田信長であったら、天正の大地震で経済がめちゃくちゃであっても、真田昌幸と連合して家康を攻撃して滅ぼしたと思います。しかし秀吉は、根っからの商人ですから、そういう不経済なことはしません。それよりも、手っ取り早く家康を子分にして、その軍事力を使って、早く天下統一を成し遂げる事を選んだんでしょうね。この時点の秀吉は、領土の拡張よりも、経済の中枢を握ることに熱心でしたから。天下統一をしたら、領土の大小なんか意味をなさないことを知っていましたね。統一さえしたら、その気になったら家康など、一ひねりでつぶせますから。


つづく。

↓ブログ更新を読みたい方は投票を

人気blogランキング







posted by マネージャー at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 真田丸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック