宿屋と自然ガイドを職業にしている関係上、動物園には何度もお世話になっています。昔は暇さえあれば動物園に通っていました。上野動物園はもちろんのこと、旭山動物園をはじめとして全国各地の動物園を見学しているのですが、その中でも小諸動物園は、非常に味わいの深い動物園の1つです。なので、ここには息子と一緒に何度か訪れています。小さな小さな動物園なのですが、その小ささがいいんですね。もちろん旭山動物園も悪くは無いんですが、あそこは大きすぎるんです。けれど小諸動物園は小さくてお客さんも少なくて混雑が全くありませんので、それだけに、ここにしかない味わいを得られるんです。
ここで小諸動物園を見学するポイントを説明しておきます。
どうせ行くなら午後のもぐもぐタイムの時間がいい。
下の写真を見てください。飼育員さんがペンギンさんを散歩させながら餌をあげています。そして見学してる子供たちにペンギンのことを詳しく解説し、餌のあげかたを教えて、子供たちに餌をあげさせるんです。 3歳になったばかりのうちの息子も、小鯵をもらって何度もペンギンたちに餌をあげました。息子も大喜びです。
ただし、お盆などの夏のピークシーズンの時は、さすがに小さな小諸動物園も混雑してくるので、この行事はなくなってしまい、代わりに流しそうめんならぬ、流し小鯵を見せてくれます。
しかし圧巻なのは、ライオンのもぐもぐタイム。ライオンといえば、いつも眠っているイメージのある動物ですが、小諸動物園のライオンは14時以降になると、ドアにタックルをしたり、檻の中を駆けまわったりして、盛んにその獰猛さをアピールします。餌をくれと、イライラが頂点に達してくるんです。
そして15時ごろに飼育員さんがやってきて、ライオンの説明をします。例えばライオンの檻は、一見立派そうな鉄格子に見えますが、チンパンジーならば、その握力で、あっという間に破壊してしまうのだそうです。ところが、この巨大なライオンには、それが出来ないんですね。握力がないからです。もちろんタックルすれば、すごいパワーを発揮しますが、檻の接触面積が広いために、ライオンを跳ね返してしまうそうです。
面白いのは、ライオンの餌の説明です。何の肉かと思えば、鹿の肉でした。地元猟友会が、害獣駆除でしとめたた鹿が、ライオンの餌になっているんですね。そういえばここのところ、浅間高原には鹿が増えてきて、深刻な社会問題になっていました。それを駆除して、ライオンの餌になっているわけです。ライオンは、アフリカではインパラなどしかの仲間を食べて生きていますから、彼らにとっては非常に美味しい肉なんだと思います。ちなみにライオンの食べる音が凄い。バリバリバリ・・・っと骨を砕く音が園内にこだまします。息子は、恐れてライオンの檻から離れてしまいました。
あと、この動物園の動物には必ず、動物の名前を書いてある看板があります。その名前を呼ぶと、動物たちは明らかに反応を示します。特に猿たちが反応します。なので私は必ず名前を呼びながら、彼らに語りかけるんですが、結構、聞き耳を立てているんですよね。これも、小さな動物園だからこそ反応があるんだと思います。大きな動物園だと、人間が多すぎて無反応になってくるんですよね。
また、この動物園の特徴として小さな子供が喜びそうな動物がたくさんいます。例えば、鹿1つをとっても、日本鹿ではなく屋久鹿がいるんです。小さな小さな鹿で、 3歳の息子よりも小さいですから、息子も近寄りにやすいんですよね。馬もいますけれど、やはり小さな小さな馬がいます。 3歳の息子と背丈が変わらないぐらい小さな馬です。だから子供たちが、親しみやすいのですよね。
そのせいか、この日も地元の子供たちが、少ないお小遣いを使ってひとりで入園して、動物のもぐもぐタイムに参加していました。観光客ではなく、ご両親と一緒でもなく、友達と一緒でもなく、たったひとりで動物園にやってきている地元のお子さんがいるのです。こういう小さな動物園が、私は好きなんですよね。
つづく。
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