なので、人間に対して警戒心を持たないシエルティを選び、子犬の頃から、いろんな人たちに抱っこしてもらいました。アマガミは絶対に許しませんでした。その苦労の甲斐もあって、愛犬コロは、子供が大好きになり、誰にでもなついてしまう愛嬌のある犬になってくれました。
そのおかげで、コロのやつは宿の人気者で、コロに会いに来るお客さん・コロとの散歩を楽しみに来られる御客様がたくさんいます。犬を飼ったことのない嫁さんは、私のコロに対するしつけの厳しさと、粘り強い密着に驚いていましたが、結果として、コロが誰からも愛される犬になって、毎日コロが御客様と楽しそうに暮らせるようになったことに感心しています。厳しい躾が、愛犬コロにとっての幸せな一生を保証してくれたわけです。愛犬コロは、いろんな人達から可愛がられ、散歩に連れて行ってもらってます。
これは、息子が生まれた時も同じでした。犬を躾けるような訳にはいきませんでしたが、万が一、間違った教育方法を行い、御客様の小さなお子さんを傷つけてしまっては大変なので、道徳教育を徹底して行ないました。人を噛んだりしたら容赦なく激怒したし、暴力も絶対に許さなかった。お子さんを育てたかたなら分かると思いますが、1歳以下の、赤ちゃんは普通に暴力をふるいます。噛むし、叩いてきます。うざいと思えば頭突きもしてきます。泣きわめきながら物を放り投げます。1歳以上になると、もっと酷くなります。なので、暴力をいけないことだと思わせるのに一苦労しました。
2歳になると、道徳教育が効果を現し始めました。文字を理解してきたので、ネットのオークションで大量の絵本を購入し、毎日、読み聞かせることによって、ものの善悪が分かってきたからです。絵本の力は偉大で、その効果は抜群です。3月26日生まれの息子は、3歳0ヶ月で子供園(幼稚園)に入りました。入園すると集団生活で鍛えられたのか、宿で、お客さんの子供さんとも、仲良く遊べるようになりました。喧嘩をすることもなく、誰とでも仲良く遊べるようになってきたのです。
4歳になると、自分のおやつを全部食べずに少しずつ秘密の小箱の中に蓄えて、お客さんの子供に配ったりするようになりました。さらに、自分のおもちゃを差し出してみたり、お客さんが「メガネがない、絵本の読めないなぁ」と言ってるのを聞いて、私の眼鏡を持ち出してお客さんに渡すようになりました。もちろん度数が違うので使えないわけですが、 4歳なりの親切心が芽生えて来ている。自分の欲望よりも、人に喜んでくれることに生き甲斐を感じてくれている。
去年の秋に、佐渡島にある私の実家に連れて行った時、息子は佐渡島のおばあちゃんからドラえもんのシールをたくさんもらいました。シールが大好きな息子は、それを自分の宝箱の中に入れて大切に保存していたのですが、子ども連れのお客さんがやってくると、息子は、小さな子供たちにドラえもんのシールを惜しげも無く、次々と配って歩きました。もちろんお客さんの子供さんたちは大喜びです。
そんな息子の様子を見た私は、
「道徳教育が成功した」
と思って胸を撫で下ろしていたんですが、最近、ちょっと違うかもしれない。と、思うようになってきました。まぁそれについては、後で詳しく述べるとして、どういう風に道徳教育をしたかというと、これもいろいろ試行錯誤しています。
まず最初(1歳の頃)に、いけないことをしたときに、強く叱っていました。しかしこれは失敗でした。私が強く叱ると、息子も癇癪を起こしやすくなるのです。特に母親に対して癇癪を起こす。自分より下と認定した人に対して、癇癪を起こすんですよ。
これはまずい。
これではお客小さなお子さんに癇癪を起こす可能性がある。
なので、強く叱るのはやめて、優しく諭すようにしたんですが、これも失敗でした。
あまり優しくしすぎると、わがままになってしまうんです。
なので、強く叱るけれど回数を減らし、叱った後は1時間以上楽しく遊ぶようにしました。できれば遊びながら少しずつ叱っていく。それを繰り返していくと、赤ちゃんがえりをするようになる。叱られると泣きながら抱きついてくるのです。赤ちゃんのように甘えてくる。で、その後、仲直りするように一緒に1時間以上遊ぶ。すると非常に親子関係が良くなっていくのが判りました。
私の経験だと、子供と1日1時間以上遊べば、1週間に1回くらい強く叱っるだけで親子関係が円滑になります。それ以上叱りすぎると逆効果で、息子が暴力的になってくる。
しかし叱らずに子供と1日1時間以上遊べば、子供は、甘えてきてわがままになるので、1週間に1回くらい強く叱った方が良い。その程度ならショックを受けて赤ちゃん返りする。泣きながら抱きついてくる。そのときに、優しい言葉語りかけると、素直になる。これを繰り返すと親子関係が信じられないくらいに円滑になります。強く叱らなくても、ちょっと気づかせるだけで、自分で善悪を判断して、良い悪いの分別を持って行動するようになってくるのです。もちろん子供と1日1時間以上楽しく遊ぶのが前提です。
あと、親が注意するよりも、絵本で善悪教える方が効果があることもわかってきました。絵本といっても、どれでもいいわけではなく、幼稚園がテキストに使っている月刊誌。具体的に言うと、キンダーブック(フレーベル館)・学習おおぞら(フレーベル館)・プリン(学研)・ぴっかり(学研)・よいこの学習(学研)・ひかりのくに(ひかりのくに社)・エースひかりのくに(ひかりのくに社)・学習ひかりのくに(ひかりのくに社)・ワンダーランド(世界文化社)・ワンダーブック(世界文化社)・ワンダー絵本(世界文化社)が、道徳教育に優れた効果をもっています。
子供同士のトラブル事例を絵本で示して
「こんなとき、どうすればいいの?」
と、具体的に正解を考えさせるからです。いわゆるトラブルシュミレーションを絵本によってさせているわけですから、効果は抜群です。身近な具体例を絵本にしているので、息子にとっても興味がわきやすいんですね。これを短期間に集中的に読み聞かせます。それも寝る直前が良い。とても効果がある。
しかも、これらの本は、2・3回読み聞かせると、ほっておいても自分一人で読むようになります。気に入ったものは何度も読み返します。
で、これらの本は、大量に中古で出回っていますので、ネットオークションで格安で手に入ります。私は、1年分の月刊絵本12冊を500円から1000円で競り下ろし、各社の絵本を150冊ほどオークションで買って読み聞かせましたが、息子のモラルは、かなり向上しました。かかった費用は、新刊の絵本10冊分より安かったと思います。送料は別にして1万円もあれば、150冊ぐらい手に入るので、中古を買わない手はありません。
もちろんベネッセの『こどもチャレンジ』も大いに効果があります。うちの嫁さんは、どういうわけかベネッセの『こどもチャレンジ』を嫌っており、そのために4歳まで『こどもチャレンジ』をやってなかったのですが、中古をネットオークションで競り落としてみると、内容が良く出来ているのに驚いて「しまった失敗した!」と地団駄を踏みました。
嫁さんの偏見など耳をかさずにもっと早くからベネッセの『こどもチャレンジ』を導入していたら、もっと子育てが楽だったのにと苦い経験をしました。あれは、本当によく出来たプログラムです。絵本とビデオと付録で、ウンチトレーニングさせるといった、非常に素晴らしいシステムなんですよね。
しかし、断捨離に凝っている、うちの嫁さんは、毎月増えていく絵本と付録を嫌がっていたわけです。物が増えるのを極端に嫌っているため、ベネッセの『こどもチャレンジ』のように付録が増えていくシステムを毛嫌いしているし、幼児教育に金を使う思想もありません。なので私が絵本を大量に格安でオークションで買うたびに嫌がっていました。しかし、この感覚は私には分からない感覚です。私は子供の頃に、親から本代・教育費をケチられたことが無いので、嫁さんの考えが不思議に思えてしかたなかったです。
そもそも息子の道徳教育に失敗したら、宿屋の浮沈にもかかわる大事ですから、息子の道徳教育は、私たち夫婦の生活にかかわる一大事です。現に幼稚園には、乱暴な子供たちがゴロゴロいます。運動会では、男の子たちが喧嘩で乱闘していました。スクールバスを待ってる間でも息子に暴力をふるう子もいます。それを軽くいなす力をつけさせなければならない。これが宿屋をやっている者の宿命なんですよ。
もし、うちが宿屋でなかったら「やられたらやり返せ」と教育していたかもしれません。しかし、宿屋で、子供にそんな教育をしたらアッという間に宿は潰れてしまう。どんなに理不尽なことをされても、サラリとかわして相手を笑顔にさせるスキルを身につけさせなければならない。
これは、幼児にとって非常に難しいスキルなんです。だから人一倍息子とスキンシップをとってくすぐってみたりして、ある程度の暴力に対する耐性と、それを笑いに変えるためのスキルを身につけさせました。寝る前には、プロレス技のアイアンクローを軽くやってみたり、起きるときは布団をひっぱがしたり、簀巻きにしてみたり、ちよっと乱暴に扱っては息子を笑わせました。もちろん自然と「捌き」を教えています。武道の「捌き」です。攻撃を笑いながら受け流す訓練です。私は、これを『笑い捌き』と名付けています。
その結果、3歳のときは、幼稚園で父親と同じようなことをして友達を怒らせたりもしましたが、そのつど先生が注意してくれて何が悪いのかを息子は教えてもらっていました。そのたびに「先生、すまん」と思いましたが、家庭でやっている教育は、先生たちには内緒にしていましたし、このブログにも書いてませんでした。あくまでも秘密裏に、笑い捌きを教えて、これによって息子は、乱暴な子供たちに対する耐性をもつようになりました。
叩かれても蹴られても怒ることなく笑っていられるようになったのです。息子が笑って、軽くいなせば、たいていのトラブルは防げます。幸い、年少組の時には、1クラス13名という少人数なうえに熱心な先生だったので、先生の監視もゆきとどいており、極端な乱暴者がでる環境ではありませんでした。
(とはいうものの、運動会では男の子同士が乱闘しています。良い悪いは別にして、これは男の子の本能というか、もって生まれた性のようなものなので、仕方ないのですね)
ただ気になることがありました。
どういうわけか、うちの息子は、子供園でつまんなそうな顔をしているのです。
友達が出来てない。
発達が遅いためか友達とコミュニケーションができてない。
自宅でも同じなら「そういうものか」と気にしないのですが、そうではない。
御客様が同じくらいの年齢のお子さんを連れてきたときは、
別人のように生き生きとして、
すぐに仲良くなって楽しそうに遊んでいるからです。
うちの宿の御客様の八割は、ファミリーで、そのうちの半分は未就学児。夏休みや週末には、宿は幼稚園みたいになっているのですが、息子は生き生きとして、さかんに御客様のおこさんと遊びつつ、みんなを喜ばせようとしている。しかし、子供園では、そういう姿をみたことがない。夏休みの間は、私が園に送迎に連れて行ってるんですが、宿での姿と、園での姿が違いすぎる。まるで別人。それは不思議なくらいで、二重人格なのか?と疑うほどに違う。
誤解の無いように言うと、息子は子供園(幼稚園+保育園)が大好きなんです。入園初日から喜んでバスに乗ったし、3日くらい子供園(幼稚園+保育園)を休ませると、子供園(幼稚園+保育園)に行きたいと親に訴えてくるようになるくらい子供園(幼稚園+保育園)が好きなんです。もちろん担任の先生も大好きで、特に年中組の男の先生が大好きだったようで、◆◆先生に会いたいと言うので、休ませにくかったくらいです。なのに、自宅での姿と子供園(幼稚園+保育園)での姿が全く違う。
幼稚園での姿と、自宅での姿が、あまりにも違いすぎる。
これは何故なんだろう?
二年間、ずーっと不思議に思っていました。
どうしても分からなかった。
しかし、最近になって、やっと謎がとけた。
つづく。
↓ブログ更新を読みたい方は投票を
人気blogランキング
ラベル:キンダーブック 学習おおぞら プリン ぴっかり ひかりのくに ワンダーランド 絵本 子供同士のトラブル事例 フレーベル館 トラブルシュミレーション こどもチャレンジ ベネッセ 道徳教育 コロ シエルティ 集団生活 幼稚園 子供園 犬を飼う コロ(シエルティ) コロとの散歩 入園 ネットオークション 武道の「捌き」 宿屋 笑い捌き 捌き エースひかりのくに 学習ひかりのくに ワンダーブック ワンダー絵本 よいこの学習 世界文化社 学研 月刊絵本
【関連する記事】
- 高所作業の詩 その1
- 明日から高所作業だ
- 最強の洗剤・リンレイの『ウルトラオレンジクリーナー』
- オープン21周年の記念品
- 渡部昇一物語【2】 マーフィーの法則
- 渡部昇一物語【1】 知的生活の方法
- 晴耕雨読
- ストーブにヤカンを見直してみた!
- ユースホステルの今後
- ユースホステルの会員は激減するが、その旅行スタイルは絶賛拡大中な件
- 寝る子は育つ その3
- 寝る子は育つ? その2
- 寝る子は育つ? その1
- 吾妻鉱山 最後に・・・
- 吾妻鉱山の人たちが、佐渡鉱山(金山)を見学した結果・・・・
- 吾妻鉱山の医療事情
- 吾妻鉱山 嬬恋村の『軍艦島』
- 吾妻鉱山 修学旅行が、日本橋三越だった理由
- 吾妻鉱山の謎
- 『ブラックマーケティング』と『学力と社会力を伸ばす脳教育』