都会の子供たちは、新学期に向けて夏休みの宿題の総まとめをやっている頃でしょうか?
嬬恋村では、 8月22日から新学期が始まっています。夏休みが短く、 30日ぐらいしかありません。そのために、非常に宿題が少ない。その気になれば半日ぐらいで終わってしまう問題集と、あいさつ運動のポスターと、わずか8ページしかない絵日記、読書くらいしかない。やる気になれば、あっという間に終わってしまうレベルの少ない宿題の量です。そのために、この夏休みの1カ月間、うちの息子はのびのびと遊ぶことができました。
といっても、うちは宿屋です。夏はかき入れ時なのでどこにも遊びに行くことができません。かわいそうに、息子の奴は、夏の間、家から1歩も出ることができないのです。 30日間、ただひたすら家の中にこもっている。引きこもりです。冬眠状態です。これが、小学校卒業するまで、あと6年間も続くとなると、非常にかわいそう。
しかし、それは子供が生まれた時点で分かっていました。なので思い切った、宿屋の改造を続けてきました。どちらかというとファミリーを排除した宿屋から、ファミリー向けの宿に少しずつ改造していたのです。 400坪の庭には子供の遊具をたくさん揃え、 500冊の絵本を買い揃え、子供用のDVDを500本買い集めました。室内にも子供が遊べる場所を作り、ファミリーのお客様には、無料で花火ができるようにもしました。
その結果、子連れのお客様が大勢泊まりに来てくれるようになりました。夏休み中、ずっと引きこもり状態になっている息子は、お客様の子供たちと一緒に遊べるようになった。仲良く遊んで、人間関係をしっかりと学べるようになる環境がようやくできてきたのです。これは、宿の経営にとっても思わぬ効果をもたらしました。リピーターのお客様は非常に多くなったのです。一般的に言って、ファミリーのお客様は、いろんな宿泊を選択することはなく、気に入った宿があると、そこに何度も訪れてくれます。
話は、変わりますが、今年の夏は、雨ばかり降っていていわゆる冷夏でした。避暑地である北軽井沢は、どの宿もお客様が激減し、夏だというのに北軽井沢は閑散としていました。そんな時に、浅間山の噴火です。相変わらず噴火自体は大した事は無いのですが、風評被害は怖い。冷夏に噴火。
「ああ、もう駄目だ」
と思ったものです。とりあえずやる事はやろうと、このブログで、何も問題がないことを伝えたのですが、期待していませんでした。
http://kaze3.seesaa.net/article/468658545.html
しかし、奇跡が起きました。
リピーターのお客様からの予約がガンガンと入ったのです。
まるでうちの宿を応援するかのように、
噴火のニュースの後にガンガン入ってきた。
みんなリピーターのお客様だった。
何人かは過去に火山体験プログラムと言う、うちのツアーを体験したお客様だった。
もう感謝するしかありません。
これでなんとか正月の餅が買えそうです。
前置きはこのくらいにして、本題に入ります。
息子の宿題のことです。
息子の奴は、夏休み初日に宿題の9割を終わらせて、その後は、お客様のお子さん達と仲良く遊んでいたのですが、何を思ったのか、自分で自分に宿題を出すようになりました。どういうことかというと、先生が出した宿題以上の宿題をやり始めたのです。学校の先生は、
「夏休み中に、合計で 400ページ以上の読書をしなさい」
と言っていたのですが、 400ページといえば、 40ページの絵本を10冊を読めば、あっという間に終わってしまいます。息子の奴は、この宿題を 2日で終わらせてしまいましたが、もともと本好きな性格なので、その後も読書は毎日続けました。うちの宿には、子供向けの本が500冊以上あるので、読む本には困りません。一日10冊。 多いときは20冊くらい読んで、夏休みが終わる頃には、277冊8252ページという驚異的な読書量になっていました。
その中には息子の大好きな「かこさとし」の絵本も入っています。「かこさとし」の絵本は、文章も長く難しい漢字がいっぱいあるうえに内容も難しかったりするのですが、幼稚園時代に寝る前に私が読み聞かせているためか、なんとかスラスラと読めてたようです。
最後の頃になると、シートン動物記を読んでいました。シートン動物記を読んだ人はわかると思いますが、小学1年生には、かなり難しい内容です。私も、小学生の頃に夢中になってシートン動物記を読んだものですが、読んだのは小学3年生の時でした。小学3年生ぐらいでないとシートン動物記の面白さはわからないと思うんですが、息子の奴は本当にシートン動物記を理解しながら読んでいるのだろうか?と、少し疑問に思っています。
まあそれにしても、 30日間で277冊8252ページという読書量は凄い記録です。内容を理解してるかどうかは別にして、小学1年生が、自主的に277冊8252ページという読書をしたという事実は凄い。宿題では400ページでよかったのに、その20倍の本を読んだという事実は凄い。これも、宿題が少なかったからできた技です。嬬恋村の小学校では、夏休みの宿題が少なかった。これがよかったんだと思います。宿題が少なくて余裕できたから、できたことだと思います。
うちのお客様の話を聞くと、他の小学校ではもっと大量の宿題が出ているようです。 40日分の絵日記を書かせる学校もあるし、読書感想文を書かせる学校もあるみたいなのですが、それから比べると息子が通う学校は、ユルイゆるい。御客様によると宿題の1番の難関は『自由研究』らしいのですが、嬬恋村の小学校には、ありません。1番の難関らしい『自由研究』が無い。無いからこそ、息子の奴は、のびのびと読書ができた。
そうそう。
自由研究の話です。
自由研究の宿題は無かった。無かったのに息子の奴は勝手に自由研究を始めてしまった。これはどういうことかというと、息子が毎月やっている『ポピー』という教材の付録に自由研究の手引きみたいなものがついていたんです。その『自由研究の手引き』を読みながら、勝手に自由研究を始めてしまった。
これは、読書の宿題の後遺症です。
あまりにも読書をするものだから語彙が広まって、何でもかんでも読むようになってしまった。息子の奴は、幼児の御客様に読み聞かせをするんですが、何を読み聞かせているんだろう?と、近くに寄ってみると、シュークリームの作り方のレシピを3歳児の女の子に読んであげていた。で、3歳児の女の子は、真剣に聞いてるんですよね。レシピのどこが面白いんだろう?
それはともかく息子の奴は、料理のレシピ本を読んで料理を作ったり、工作の本を読んでは何か作ってみたり、読書から発展して、いろんなことをするようになったんです。が、そのうちに『自由研究の手引き』が、なにやら面白そうだと気がついて、勝手に自由研究を始めてしまった。これが、面倒くさくてしかたがないのだけれど、無碍にするわけにもいかず、息子の自由研究を手伝っていますが、内心、はやく厭きてくれないかなあと思っています。なにしろ好奇心だけは強い奴なので、本当に面倒くさいです。
つづく。
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