それはともかく、いつから運動会は、すべての家族が、テントを組み立てるようになったんですかね。場所取りは朝の6時からと聞いていたので、念のために朝の5時半に小学校に行ってみたら、ものすごい人数が並んでいて、駐車場に車が止められないくらいでした。皆さん、巨大なリヤカーみたいなものにテント道具を乗せて、朝早くから行列を作っていました。当然のことながら私は最後尾です。幼稚園のときには、夜12時から場所取りで並んでいたお父さんがいましたが、この分だと小学校も似たようなものかもしれません。
たかが息子の運動会に、テントなんて大袈裟だと思った私たちは、当然のことながらそんなもの持っていません。レジャーシート1枚だけです。それを見た、他のお父さんがたが、
「テントがないときついですよ」
と何人も注意してくれました。そんなわけないだろう。と、私は本気にしなかった訳ですが、それは大きな間違いだったようです。幼稚園の頃だってテントなしでやってきたわけですし、何の不都合もなかったので、テントやバーベキューセットみたいな大げさなものはいらないだろうと思っていたんです。しかし、それが大きな誤算でした。
幼稚園の運動会は9月末でした。涼しい時期なんです。それに対して小学校の運動会は9月の初旬です。残暑が厳しいですね。小学校のある場所は標高600メートルなので、北軽井沢よりも暑いんです。その上、谷間にあるために風がない。もちろんテントのない家庭はうちだけです。どの家もタープテントにキャンピング用のテーブルと椅子を用意し、巨大なクーラーボックスを抱えています。それに対して、我が家は、レジャーシートに小さなトラ箱1個。非常に貧相なんですね。
幼稚園時代は、そういう家族に対して、教室を開放してくれていました。なので、ギラギラと照りつける太陽の下でお弁当食べる事はなかったんです。しかし、小学校では、教室の解放がないので、炎天下の下で弁当食べることになるし、雨が降ったら車の中に避難しなければいけなくなる。そういうことが全くわからなかったので、テントなんか必要ないだろうと思ってしまった。なので、ここにしっかりと書いておきます。
嬬恋村東部小学校の運動会には、テントが絶対に必要です。
他の小学校も、同じかもしれないので、来年小学校1年生になるお子さんをお持ちの方は、その辺を注意した方が良いかもしれません。大袈裟でなくテントが必要なんです。
前置きはこのくらいにして本題です。息子の通う小学校は、何か変だと思えることが、ありました。まず夏休みが、非常に短いこと。短い上に、小学校の5年生と6年生は、夏休みの大半を返上して、登校して鼓笛隊の練習をしなければならないということ。もちろんそのためにスクールバスも動き、プールに遊びに通えること。そのおかげで、夏休み期間中、息子は毎日学校のプールに入りに、遊びに行きましたから、こちらとしては大助かりだったのですが、
「どうして5年生と6年生は、夏休みを返上して学校に行かなければならないのか?」
という疑問が、どうしても消えませんでした。
そしてもう一つ。運動会のことです。
9月の第1週土曜日に運動会がある。
いくらなんでも早すぎましないか?と言う疑問です。
そして、土曜日に運動会を迎えたのですが、その理由がようやくわかりました。小学校の5年生と6年生の演目に、マーチングバンドがあったからです。鼓笛隊だとばっかり思っていたら、マーチングバンドだった。
マーチングバンドというものがどういうものか分からない人のために、 YouTubeの動画をアップしておきます。本当は嬬恋村の小学校の動画をアップすればいいんでしょうが、肖像権の関係で小学校から禁止されているので、参考のために某高校吹奏楽部の画像をアップしておきます。
鼓笛隊だと思っていましたが違いました。
マーチングバンドでした。
マーチングバンドですから、全員が、金管楽器と打楽器で演奏しながらパレードを行います。
問題は、これがクラブ活動の延長ではないと言うことです。
5年生と6年生全員が参加してのマーチングバンドです。
メンバーには障害児もいます。
特別に音楽教育をうけているわけではない、ごく一般の児童が、肺活量を必要し、ミスが目立ちやすいトランペットなんかを演奏しながら、リコーダーの鼓笛隊でも難しいと思われるパレードを行っている。
私は真正面からビデオ撮影をしていたんですが、一糸乱れぬ素晴らしいパレードに、ただただ目が点になり、口があんぐりと開きっぱなしでした。
金管楽器をやった人なら分かると思いますが、トランペットにしても、トロンボーンにしても、ホルン・コルネットにしても素人には音は出せません。 吹けば誰にでも音が出せるリコーダーとは違います。それをクラブ活動やってるわけでもなく、小さい頃から音楽の英才教育を受けてるわけでもなく、単なるド素人の小学5年生6年生に演奏させることもすごいと思いますが、マーチングパレードをさせるわけですから、驚いたのなんの。
専門家に聞いてみたい。
夏休み返上ぐらいで、ハイレベルなマーチングパレードができるものですか?
金管楽器を使いこなせるものなんですか?
もっとも1番驚いたのは、吹奏楽をやっていた、うちの嫁さんかもしれません。もちろんマーチングバンドのある小学校は全国にたくさんあり、全国大会もあるわけですが、それは、あくまでもクラブ活動の一環です。好きで音楽をやってる人たちのグループなわけで、授業でやっている訳では無い。嬬恋村では障害児も含めクラス全員でやってるわけですから、その上であのレベルのマーチングパレードを行うわけですから、これは大変なことです。
というか、大変なことをやってる自覚が、嬬恋村の子供達にあるのだろうか? 子供達の親に、これが凄いことであることが分かっているのだろうか? どうも分かってなさそうな雰囲気に私は衝撃を受けてしまっています。
「そもそも人数分の楽器(トランペットなど)をどうやって揃えたんだろう? あれだけの楽器を揃えるためには、一体幾らしたんだ? 」
という点も、疑問だったんですが、その疑問も地元民が、明確に答えてくれました。
この小学校は、もともと中学校だったらしい。少子化のために2つあった中学校が合併して、 1つになって、余った中学校の1つが小学校になったと。楽器はその時のものと、小学校が合併して余った楽器が集中したのではないか?と言う事を教えてくれました。つまり少子化によって、学校の機材に、様々な余剰品が生まれている。楽器もそうなのではないか?ということを聞きました。
なるほど、そういうことだったのか。
少子化時代というのは、子供達に、こういう恩恵をもたらすものかと感心しました。第二次ベビーブームだった嫁さんの時代は、その逆で、吹奏楽部に入っても楽器が足りなくて、自分で買ったり、 OBから寄付してもらったり大変だったということを聞いたことがあります。値段も決して安いものではありません。
まぁ楽器の謎は解けたとしても、非常に肺活量を必要とするトランペットやトロンボーンをどうやって短期間で覚えたのかが謎です。マーチングパレードつまり動きながらの演奏ができるようになったのか?不思議でなりません。しかも3曲も演奏するわけですから驚きです。しかし、嬬恋村の地元民には、これがどれほど凄い事なのか?よくわかってないような気がします。
とにかく、この村には、驚かされることが多い。
長くなったので、続きは後で・・・・。
つづく。
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