この先生に限らず、うちの息子は、小学校の先生を優しいといいます。担任の先生も、すごく優しいと言い将来は小学校の先生になりたいと言い出しました。こんなことは初めてです。子供園の時は、先生になりたいとか、先生が優しいとか、そんなことは一度も話していません。けれど小学校に入った途端に、小学校の先生になりたいと言い出した。いったい、どんなに優しい先生なんだろう?と思い、空手教室などで一緒に練習している、二年生は三年生に話を聞いてみたら、真逆の反応が返ってきます。小学校で一番厳しい先生だというのです。それも一人や二人ではありません。多くの子供たちがそう言い放つのです。
あれ?
息子の言う話と全く逆だな?
で、思い出したわけです。息子が、顧問の先生がとても優しいからスケート部に入りたいと言う理由です。息子が優しいと思っている顧問の先生はとても厳しい方です。子供たちに厳しく接している。特に礼儀作法を徹底させている。スケートリンクに上がる時、リンクにお辞儀をさせているし、ふざけたことをしようものなら、すごい雷が落ちてくる。まるで巨人の星に出てくる星一徹のような厳しい先生なのです。その厳しさといったら空手教室よりもキックボクシング教室よりもはるかに厳しい。その厳しい先生を息子は誰よりも優しいと思っているのです。最初は、
変だなぁ?
と思ったのですが、よくよく観察してみると、何ということはなかった。小学校の先生は、子供たち一人一人の個性に合わせて指導している。大人の一歩手前まで成長している六年生には厳しいけれど、スケートを始めたばかりの一年生に対しては、とても優しく接している。特にうちの息子は成長が遅れているので、なおさら優しく丁寧に接してくれている。それに対して息子は感動してる。スケートの先生が優しいと感じている。
これは息子の担任の先生にしても一緒で、三月末生まれで成長が遅れ気味の息子に対して、とてもよく面倒を見てくれている。それを息子は微妙に感じ取っている。それで担任の先生が優しいと感動している。小学校の先生になりたいと言い始めている。で、息子が徐々に成長してきて、みんなに追いついてくると、担任の先生はそれなりに厳しくなったようで、
「先生が、前より厳しくなった」
と私に相談してくるようになりました。
「あーなるほど」
と思いましたね。先生は、子供の成長の度合いに合わせて指導しているんだと。すごくきめ細かく見てくれているんだなあと。
こういう指導があると、親の教育がしやすい。うちの宿にはファミリーの御家族がいっぱい来ますが、小さい子には小さい子たちにもわかるように優しく指導してあげて、大きい子たちには、一緒に小さい子たちの手本になるように行動するようにする。そういうことが必要だということが、すでに小学校で体験しているわけですから、非常にありがたい。というか、小学校の教師が、一人一人の個性に合わせて、そこまで細かく見てくれているのか・・・と感動さえ覚えます。担任の先生にしても、スケート部の先生にしても、教育のプロはすごいですね。
まあそんなことはどうでもいいとして、スケート部の先生が、厳しく指導してくれるおかげで、スケート部の部長(六年生)の人徳が磨かれており、うちの息子は、あんな先輩になりたいと感銘を受けていています。
小学校で一番大好きで、尊敬している人は、スケート部の部長さんだと言い切ります。あんな優しくて、すばらしい人はいないというのです。そのうえ将来は、ああいう先輩になりたいと、言い切っている。
私が息子をスケート部に入れさせた理由は、体育の授業で息子に恥をかかせないためです。息子は成長が遅いので、運動の方もいまいちです。なので運動神経を必要とする、スキーやスケートを幼稚園時代からやらせていました。その延長でスケート部に入れたのですが、これには、うちの嫁さんも大反対。スケート部に入ると親の仕事が増えて大変だからです。
毎日のように子供たちを車に乗せて、軽井沢のスケートセンターまで交代で送迎しなければいけない。五十キロもある凍結した山道を走らなければいけない。子供たちの急な病気や怪我(けが)に対処しなければいけない。つまり何人かが子供たちを見張ってないといけない。その上、何万円もするスケート靴を用意しなければいけない。スピードスケートのウェアも必要になってくる。おまけにスケート大会に参加する場合、場所取りやら何やらで、朝四時から出発する必要性も出てきたりする。
ものすごく手間と金がかかる。
だから半端な気持ちではスケート部には入れない。
なので嫁さんは大反対!
現に、そういう理由で、入部した後にすぐに退部する子供たちも多かった。親がそこまで手をかけることができないからです。そんなに大変なのに、入部させる親がいるわけですが、大抵の場合は、親がスケート選手だった例です。普通なら気軽に入部させるわけにはいかない。
しかしそれを押し切って、私は入部させた。
で、あんなにスケート部に入れるのを嫌がっていた嫁さんは、いざ息子がスケート部で少しずつ成長していくと、スケート部にはまってしまった。スケート部で親の行うボランティア作業は、私が全てやるつもりだったんですが、私が行ったのは、一回ぐらいで、あとは全部嫁さんがするようになっていた。
話は変わりますが、台風十九号の影響で、じゃらんや楽天で、復興割りクーポンというもの発行することになりました。これを使えば、宿泊費の半額で泊まれるクーポンです。このクーポンは、それほど人気がなかったのか、いつまでたっても売れ残っていたので、私たちが勉強のために使うことにしました。クーポンの期限は、二月二十八日(金)までです。で、二月二十八日に万座温泉聚楽に泊まることにしました。で、クーポンを使って予約したわけです。
ところが、二月二十八日(金)に、スケート部の反省会という食事会を行うことになった。ダブルブッキングになったわけです。私は、最初に決まっていた万座温泉宿泊を優先するつもりでしたが、嫁さんは、スケート部の食事会を優先したいと言う。あれほどスケート部を嫌っていたくせに、スケート部の反省会(食事会・六年生のお別れ会)に出たいと言う。そこで大げんかになりました。
観光協会の理事をやっている私としては、万座温泉の宿泊をキャンセルしたくない。そもそも、そっちの方が先なので、そっちを選ぶべきだと私は強硬に主張。しかし嫁さんの方は、スケート部の方を優先したいと言う。あれだけ嫌っていたのに、スケート部に思い入れが入っていました。というわけで夫婦の議論は、ずっと平行線だったので、息子の意見を参考にしようと、色々聞いてみたら、息子は万座温泉に泊まりたいと言う。けれどスケート部の部長(六年生)さんをとても尊敬しているという。あんな先輩になりたいとも言っている。
仕方ないだと思った私は、万座温泉のホテル聚楽に、理由を言って、宿泊日程を二週間前の二月十四日(金曜日)のバレンタインデーに変更してもらえないかとお願いしました。ホテル側は快く変更のお願いを聞いてくれました。バレンタインデーですから、本当なら、お客さんがいっぱい来る日だろうし、価格設定も違っているはずなのに、快くOKしてくれたホテル側には感謝しかありません。
心の中で「ありがとう」と思った私は、ホテル聚楽では、お酒などにをしこたま注文してお金落とすことにし、ホテルも、このブログで宣伝しようと決意しました。この時の宿泊については、後日、このブログにアップするとして、こうしてスケート部の食事会議参加できるようになったのです。その食事会は、本来なら明日、ホテルグリーンプラザで行うはずでした。
ところが、コロナウイルス騒動で、イベント自粛のお達しがあった。
息子は、尊敬する六年生の部長さんのお祝いができなくなったのを残念がっていました。
つづく。
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