ウイルスに感染すると、最初にIgM、そしてIgGが上昇し、うまくいけば中和抗体となり、免疫ができます。
すでに感染している人は、逆にIgGが最初に上昇し、次にIgMが上昇する。
どっちが早く上昇するかで、
そのウイルスに感染済みなのか、
未感染なのかがわかるらしいのですが、
日本人が新型コロナウイルスに感染すると、多くの人たちが、
まずIgGが最初に上昇し、次にIgMが上昇することが分かった。
つまり、すでに感染を経験した人と、同じような数値が出てしまった。
つまり日本人の多くは、新型コロナウイルスに対する
弱い免疫を持っている可能性が高いということになる。
しかし、日本人でも重症化する人がいて、
重篤化する患者さんは、欧米と同じように先にIgMが上がる。
つまり全く免疫を持たない初感染パターンと同じグラフになる。
で、児玉龍彦先生が、今回の新型コロナウイルスに似たウイルスに日本人は感染歴があり、そのためなんらかの弱いながらの免疫を持ったのではないか? だから死者が少ないのでは?という仮説を出している。そして若い人ほど重症化しにくい理由は、幼児が何でも口に入れてしまうので、新型コロナウイルスに似たウイルスに感染しやすかったのではないか?というのです。
で、新型コロナウイルスに似たウイルスは、中国沿岸部・台湾・香港・日本・韓国の人たちがすでに感染していた。だから重症化しにくく死者も少なかった。逆に中国内陸部(武漢)では、感染経験が無かったので欧米と同じように重症化する人たちが多かった。そういう仮説を児玉龍彦先生は述べている。もし、これが正しいとしたら、新型コロナウイルスは、そんなに恐れるものでは無いともいえ、十分予防できる可能性が出てくる。あくまでも仮説が正しければの話ですが。
この仮説が正しいとすると、潔癖が必ずしも正しいとは言えなくなってくる。日本人が重症化しないのは潔癖だからではなく、すでに弱毒なコロナウイルスの感染歴があったからであり、そのための抗体をもっていたためであることになる。子供が感染しても無症状なのは、幼児が何でも口にしてしまうために、新型コロナウイルスに似た弱毒なウイルスにあらかじめ感染してしまい、免疫をもっている可能性が強いということになる。
似たような話として森林浴がある。森林浴がヒトNK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化させ、人間の免疫力を高めることは有名な話であるのだが、その森林浴の中には、さまざまな雑菌が充満している。さらに動物、鳥、昆虫、ダニ、バクテリア、細菌、そして植物と、無数の生命体にあふれています。それらに接触することによって、NK(ナチュラル・キラー)細胞が増えるし、未知のウイルス・菌に接触して人間の免疫力を高ていく。
そう考えると、児玉龍彦先生の仮説も捨てがたい気がしてきた。
つづく。
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