と言っても、おもちゃか何かがあるわけでもないので、すぐに布団に寝かせられた。寝ているうちに夕方になり、気がついたら仕事場から母親が帰ってきていた。なので昼間の大半を寝て暮らしていたことになる。もちろん夜も寝たので、運動なんかしてないし、体力もついてない。3歳までは、寝てばかりなので、知能も体力も、同年代に劣っていたと思う。遊び友達も兄もいなかったから、3歳までは引きこもりの時代だった。当然のことながら病弱だった。肺炎で一ヶ月学校を休んだこともあるし、遠足の前日に熱を出して、歯ぎしりしながら遠足を断念したこともあった。
けれど寝てばかりいたので、身長だけがぐんぐん伸びた。誰より大きく育って身長が伸びた。そして大きく育ち、佐渡島の4歳児の健康優良児の大会では優勝して、当時としては高価だったブリキでできた車のおもちゃをもらった。それが生まれて初めてのおもちゃだったかもしれない。虫歯が無ければ県大会に出られたとも聞かされた。寝て大きく育ったのだ。ただし、大きくなって夜更かしをするようになったとき身長がピタリと止まってしまった。
4歳児の健康優良児の大会で優勝してもらった景品。他に積み木等をもらっている。
そんなことはどうでもいいとして、それから50年たった。
50歳をすぎて息子が生まれたわけですが、息子が生まれたときは、標準より大きかった。
「この子は大きくなるな」
と思ったのですが、少しも大きくならなかった。
運動させたために、私と違って健康そのものだったし、頑丈だった。
けれど、身長が伸びなかった。
毎日のように小浅間山登山したし、時々隠浅間山にも登った。
もちろん自力で登っている。
おんぶもダッコもなしの自分で登っている。
頑なに他人の助けを拒否する息子だった。
そして3歳で八ヶ岳・4歳で槍ヶ岳に登るくらいになった。
全ての行程を自力で登ってる。
誰の助けを借りてない。
浅間山にも四阿山にも登っている。
病気ひとつしないし、インフルエンザにかかっても一晩で治癒した。
本物の健康な子供である。
私とは大違いである。
私は身長が大きかっただけの偽物だった。
体格ばかり大きいけれど、実際のところ病弱もいいところだった。
大会で優勝しても、賞状をもらっても、私の息子に比べたら不健康だったと思う。
だから、あの手の大会はインチキくさい大会だと思う。
それに比べて私の息子は正真正銘の健康体。
体力もあるし病気にもならない。
なのに、年齢を重ねるうちに、同級生の皆より相対的に小さくなっていった。
身長が伸びないのだ。
「なぜだろう?」
と、いろいろ調べてみたら、睡眠に原因があることがわかった。
御客さん相手の商売をしているために、息子は夜10時頃まで御客さんにかまってもらっていた。
だから毎晩遅くまで起きていた。
御客さんから、さんざん可愛がられ、
3歳になるまで夜更かしばかりしていた。
これが良くなかった。
身長が伸びなかった原因は、そこにあった。
また、毎日のように登山などの運動をさせたのも原因だったようだ。 私の息子は、大勢の御客さんに遊んでもらい可愛がってもらったので、幼少期の私より社交的だし体力もある。知能テストをすれば高い数値もでる。けれど、年々どんどん背が低くなっていった。
唯一の例外は、2月から4月のオフシーズンだった。この時期には御客さんも来ないし登山もできない。体も鈍るし、睡眠も長くなる。昼寝も多くなる。母子手帳の身長体重グラフをみると、この時期だけ身長が異常に伸びている。つまり睡眠と適度の休息が、身長を伸ばせているという仮説が成り立つ。
「これはいかん」
と思った私は、息子が4歳の頃に、夜8時には強制的に寝かせることにし、息子に会いたがる御客さんの要望も断ることにした。
もちろん私も一緒に寝る。御客さんは減るけど仕方ない。一番大切な時期なので経営のことなど二の次である。これは親なら誰だって、同じことをした思う。金なんかよりも子育てが優先になってしまう。
それに一緒に寝ないと息子が寝付けない。こっちがイビキをかけば息子も寝るから御客さんを放置してでも一緒に寝る。それでも中々息子が寝られないようなら、睡眠前にプロレス技のアイアンクローでもしかけて、息子の腕力を使わせ疲れさせて眠らせた。
すると身長が伸び出した。全く伸びなかった息子の身長が少しづつ伸び出して、少しづつ痩せてきたのである。その結果、小さかった息子も、今では後ろから5番目くらいまでの背の高さまでになった。3月26日生まれということを考えれば、かなり大きくなったと思う。寝る子は育つというが、これは本当だと思う。睡眠は本当に大切なんだと身に染みた。
幼児の頃は、勉強・運動よりも睡眠の方を重視した方が良いかもしれない。中学生くらいになったら夜更かしするようになるだろうから、小さい頃に身長を伸ばしてやるべく、せっせと子供を眠らせるべきなのかもしれない。それを第一目標にしたうえで、臨界期に間に合うように、人徳・知能・運動神経を発達させてあげるのが一番なのかもしれない。
つづく。
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母親そっくりと言われるんですけれどね。