もちろん相部屋です 。
相部屋というのは、見知らぬ他人が同じ部屋を使って宿泊する制度で、ドミトリーというカプセルホテルみたいなシステムです。相部屋ですから値段も非常に安く設定されていて、あまりお金のない若い人たちにとっては天国のような制度です。今流行りのゲストハウスなどが、そのようなシステムで運営されていますけれど、元々はユースホステルがはじめた制度でした。
ところが新型コロナウイルスの発生によって、この制度は崩壊しつつあります。どのユースホステルも、相部屋制度・つまりドミトリー制度をやめてしまいました。もちろん私の宿でもドミトリーは、やめています。 お客さんは全て個室でないと受け入れていません。そうなると、家の宿では、最低でも二人部屋なので、ハイシーズンの時は、一人旅のお客さんを断るか、ふたりぶんの 値段で受け入れるかのどちらかになります。そうしないと経営が成り立たないからです。
私が経営する宿は、最大で24名泊まれる宿なんですが、部屋は7つしかありません。7つしかないので、ひとり旅を入れてしまうと7人しか宿泊できなくなる。 単純計算しても1/3以下の売上となってしまいますので、 今後はハイシーズンに一人旅を受け入れることは難しくなるでしょう。
それでも、 なんとかやりくりをつけて、今日は四人の一人旅のお客様を受け入れることができました。 そのうちの一人は、うちの宿がオープンした頃から、長い間(20年間)、贔屓にしてくれた人だったので、そういうお客さんに、同じような一人旅の人たちが、いる事で、ホッとしています。
なぜならば、ユースホステルの旅のスタイルというのが、見知らぬ旅人同士の一期一会の出会いにあるからです。他人同士が、泊まった宿で仲良くなって旅の情報交換をしたり、仲良く世間話をする。そしてまたバラバラに旅に出かける。これがユースホステルの旅のスタイルなんですね。
話は変わりますが、このようなユースホステル方式の旅のスタイルは、ユースホステル会員以外にも広く普及しつつあります。うちの宿を例にあげると、じゃらんネットや楽天トラベルから予約して宿泊したファミリーのお客さん同士が、家族の垣根を越えてお付き合いをするようになり、最後には住所交換をして、また次の年に、私の宿に泊まりに来て合流するというケースが多くなってきました。
今年に限って言えば、そういうケースが2日に1回。いや3日に2回はあったと思います。そしてこの傾向は、どんどん増えつつあります。特に北関東と関西方面のファミリーのお客さんに、そういうお客さんが多かった気がします。
日本ユースホステル協会かから経営状態のヒアリングがあった時に、
「うちの宿の御客さんの平均年齢が二十歳代」
と申し上げたら、かなり驚かれました。ファミリーが多いために子供達が多い。それで宿泊者の年齢が若いわけですから、当然といえば当然です。そして、 子供達というのは、 すぐに他の子供達と仲良くなって、それがきっかけで、ファミリー同士も仲良くなります。連絡先の交換も、 SNS を通じて簡単に行えますし、旅が終わってからも SNS を通して付き合いは続くわけですから、このような旅のスタイルも昭和時代のユースホステルの旅行スタイルとそっくりです。
ユースホステルの会員が、どんどん減ってひどい状態になっている昨今ですが、ユースホステル方式の旅のスタイルは、ファミリーを中心に、かえって広まっています。それを考えると、今後のユースホステル運動は、ファミリーから始まっていくような気がします。ただそれを支えるだけの宿(ユースホステル)の数が、ないのが残念です。
つづく。
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結局、1人大歓迎のビジネスホテルの都市観光になってしまうんですね。
これでお客さんを逃がしている観光地や温泉は多いと思います。
1人でも塵も積もれば何とやらと言いますし・・。
ただし、普通の観光ホテルが、一人旅を受け入れるようにシフトチェンジしてます。嬬恋村の某巨大ホテルチェーンも、20年前は「うちは一人旅はうけいれない。だって訳ありだろう?」と観光協会の理事会で公言してました。しかし、今では積極的に受け入れていますね。