軽井沢の空手教室(東信会)は、フルコンタクト系空手(元極真会)で、毎年のように極真空手の大会にエントリーして、それなりの実績を出す硬派な空手組織ですが、なのに小学生の空手教室では、空手よりもサッカーやドッジボールといったゲームばかりやっています。東信会の鈴木先生の考えは「子供は、まず体をつくるべき」というもので、空手より運動神経の向上をメインに変則サッカーゲームをさせています。変則サッカーゲームで、いつのまにか夢中になって走らされるのです。
空手もあまり基礎練習をしません。専らパンチングミットを叩くなど、キックボクシング系統の練習が多く、いきなり本気で殴る蹴るの打撃の組み手を行います。もちろん先輩は、さばいてばかりですが、同輩どうしは本気でやりあいます。正座も体に悪いからと、最小限しかやりません。とにかく動かされる。そういう空手教室なので、息子は、この教室が大好きでした。
息子はこの空手教室がいたく気に入って、毎週火曜日が待ち遠しいぐらいに喜んで通っていました。なので、ずっと休みなく練習に参加して皆勤賞をとっていたぐらいです。ところが新型コロナウイルスによって、 空手教室が3ヶ月ほど中止になったのです。それでも6月には再開され、うちもそろそろ参加しようかなーと思っていたら、軽井沢で新型コロナウイルスの患者が次々と出たことによって、空手教室への参加を控えました。うちの息子を感染のリスクから守る必要があったからです。で、今日まで空手教室復帰が延び延びになってしまいました。
しかし、これでは息子の体が鈍って仕方がないので、しばらくの間、軽井沢の空手教室はお休みにして、同じ火曜日にやっている小学校のスケート部の陸上練習に参加することにしました。その第1日目が、今日だったわけです。
で、息子が陸上練習から帰ってくるなり、嬉しそうに
「1000 Mマラソンで2位だったよ」
と言ってきました。2年生の中で、二番目に早かったそうです。1位は、去年のマラソン大会で大会新記録を作った女の子だったそうで、その子には勝てなかったようですが、 2位なら立派なものです。なぜならば、幼稚園時代はビリが定位置だったからです。
息子は3月26日生まれなので、 どうしても運動能力に劣ります。幼稚園の年少組の時の3月生まれのハンデは大きかったと思います。それは年中組の時でも同じで、年長組になるとさらに差が大きく開いたような感じがしました。 息子お風呂の中で、私に
「足が速くなる薬はないの?」
と聞いてきたり、他の子供達とかけっこをするのを露骨に嫌がったりしました。
申し訳ないと思った私は、最低でも週に1回は息子に走る練習をさせ、東信会の軽井沢空手教室に参加したんですが、その成果が、 1年後の今になって、少しずつ出てきたようです。少なくともビリから脱出できた。一緒に走った仲間たちは、幼稚園時代から空手教室などで一緒に練習してきた子供達で、幼稚園時代では、一度だって勝てない相手だったんですよね。
と言うか、勝つ以前に、勝負にならない相手だった。息子は一緒に走るのを嫌がって、走ろうとしなかった。なので、私は息子以外の子供たちの駈けっこの審判ばかりやっていた。息子は、それを一人でポツンと眺めていた。その頃を思えば、大きく成長したと思います。努力は自分を裏切らないというのは本当です。
つづく。
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