ちなみに大きなクマが二頭いたら、それは親子です。体が大きくとも子グマの可能性が高いです。皆さんは、ツキノワグマといったら全て同じだと思ってる人が多いですが、ツキノワグマにも種類があって、広島県のツキノワグマと、群馬県のツキノワグマでは、全く大きさが違うし、生態も多少違っています。群馬県のツキノワグマは、三国系といって、体も移動距離も大きくて、他県のツキノワグマとも積極的に交流します。
私は、晴れていれば毎日のように登山しているので、何十回とクマに会ってますが、オスクマの巨大なことに、毎回驚かされています。それに比べてメスクマは小さい。一番、出会う回数が多いのは、昔なら桟敷山・小浅間山でしたが、今は見かけることはありません。現在、よくみかけるのは鼻曲山登山道の入り口でもある国境平付近が圧倒的に多く、その付近にある放棄別荘地のプレハブ小屋で巣を作っているからです。あと白糸の滝方面から浅間牧場に入る登山道にも出没し、ユサユサと体の脂肪をゆらしながら浅間牧場に入っていくところを何度もみかけています。こいつは17時頃になると、白糸の滝方面から浅間牧場の方に入っていきます。
私は、浅間牧場を息子と散歩するのですが、さすがに浅間牧場で出会ったことはありません。無いですが、11月に降雪があると、クマの足跡を見かけることが何度かありました。つまり11月になっても、まだ冬眠してないということになります。
ところでクマたちは、あの巨体を維持するために、しょっちゅう植物を食べていなければいけないので、エサばかり食べています。しかし、胃腸や歯が、草食動物のものと違っていて、犬と同じ歯であるために、植物と言っても人間が食べられるレベルの、やわらかい植物しか食べられません。だから冬になると降雪の有無にかかわらず冬眠せざるをえないのですが、逆に言うと、クマの大好物は、人間の作る野菜だったりするわけです。
民家近くに迷い込むクマもいますが、大半は母親から別れたばかりの子グマです。クマは2年に一度、子供を産みますが、逆に言うと2年に一度、母クマから離れる子グマがいるわけで、その子グマが民家付近に迷い込むわけです。子グマといっても巨体です。子グマは生まれてから2年ほど母親と一緒に行動します(クマが成獣になるのは4歳)。かわいい子グマにみえるのは、春のうちだけで、秋になると母クマ並みの巨大となります。なので複数みえたら親子である可能性が高いわけです。
で、一般的に母クマは、子クマを二頭生むので、二頭みかげたら、もう一頭、近くにいると思って間違いありません。その状態が一番危険な時です。母クマがどこかに隠れている可能性が高くて、子グマは呑気にしている状態なんです。なので、二頭みかけたら、人生最大のピンチだと思って、一刻もはやく立ち去るべきです。間違っても撮影しようとは思わないことです。
あと、クマ鈴ですが、これはあまり役に立たないことがわかっています。一般的に言ってクマは耳が悪い・・・というか、音に敏感でないからです。しかし人間の話し声には敏感に反応することが分かっています。長くなったので、今日は、ここまでとします。
つづく。
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最近の秋田の熊行動は異常で敢えて人家の周りをうろついているとしか思えないです。
秋田市でさえ住宅地に出没していますしもはや人間を大した動物では無いと学習してしまった様です。
ともかく秋田の熊は人間を畏れないですし凶暴です。
秋田に来た際は県庁所在地であっても少し中心を離れた場所では気を付けて下さい。
秋田で野生の熊と出会ってしまった場合は命終了のアラートが点滅しているに等しいです。