とはいうものの、小学校の2年生にもなると我が家の経済状況を理解しているらしく、買って欲しいとか、レストランに入りたいとは言ってきません。あそこのレストランのカレーライスは美味しそうだねというだけです。何かを買ってくれとか、どこかで食べたいということは一切いません。もちろんうちの嫁さんも、そういうことに対しては厳しいので、1円も現金を使うようなことはしません。
で、今日も朝8時ぐらいにスキー場に出発して言ったんですが、10時ぐらいに戻ってきました。
「どうしたの?」
と聞いたらスキー場のチケットを忘れたとのこと。
これには私も呆れてしまいました。忘れたことには切れたのではなくて、往復1時間以上の距離を使って取りに帰ってきたことに呆れました。もし私ならガソリン代を考えたら現地で正規の料金を払ってスキーを滑り、忘れたスキー場のチケットは次回に使うのですが、うちの嫁さんは、徹底して節約するタイプなので、わざわざ取りに帰ってきた。
「時間がもったいない」
と私なら思うんですが、うちの嫁さんにとっては金の方がもったいないらしい。そういう性格なので息子とスキーに行っても絶対に現金を使わない。
逆に私の方は、息子と一緒にスケート場に入った場合、現地でおやつを買ったり、ポタージュスープなんかを自販機で買ってきて飲ませたりしていたので、このギャップに息子は、がっかりしているもよう。そしてお金を使おうとしない母親に、息子のやつは半ば諦めに近い境地になっている。でもまあ宿屋の嫁さんとしては、1円でも節約したい気持ちはよくわかります。
うちの嫁さんは決してケチというわけではない。
そもそもケチだったら息子を連れてスキー場なんかには行かない。スキーをさせるとか、登山をさせるとか、そういうことには私も嫁さんも金を惜しまない。ただし余計な贅沢は絶対にしない。そのへんは厳しすぎるくらいにストイック。おやつも、飲み物も、弁当も、手作りして自宅から持って行く。現金は使わない。
ただ、子供が無料のスキー場は、とても混雑していて、家族でご馳走を食べたり、アイスクリームを食べたりとか、そういう風景が見られる場所なので、さすがにうちの息子も羨ましくなるらしい。レストランの前を通り過ぎるたびにため息をついていたらしく、
「・・・を買って」
とは絶対に言わないのだが、それを羨ましそうに眺めてはいる。けれど決してお強請りははしない。家の経済状況を知っているためか、決して金のかかる要求はしない。しないけれど、羨ましそうに見ることは見ている。さすがに母親も、可哀想になったらしい。
そこで嫁さんの奴は、アイスクリームの自動販売機があったので、
「アイスなら買っていいよ」
と言ったらしい。息子は大喜びでアイスの自動販売機に向かっていった。そして選択に悩んでいた。なかなか買うものが決まらなかったらしい。で、嫁さんのやつが、その自販機を見てみたら、みんな値段が高かった。高いものは250円。安いものでも170円だった。
「しまった」
と思ったうちの嫁さんは、どれにしようか悩んでいる息子に対して200円を渡して、
「これで好きな物を買いなさい」
と言った。腹黒い母親である。これで170円のアイスクリームしか買う選択肢がなくなった。しかしそんなことには気がつかない息子は、喜び勇んで170円のアイスクリームを買って、30円のおつりを返して
「お母さん、大事なことだから二回言うね」
と言い
「お母さんありがとう。お母さんありがとう」
と嬉しそうに言って、美味しそうにアイスを食べたらしい。腹黒いうちの嫁さんの思うつぼだった。
私が息子をスケートに連れて行ってた時には、アイスを買ってあげても、そんなにうれしそうにはしてなかった。そう考えると、私からもらうおやつは、ありがたみがなくて、嫁さんからもらう、おやつは、とてもありがたみのあるものになる。ちょっと考えさせられてしまった。
つづく。
↓ブログ更新を読みたい方は投票を
人気blogランキング
【関連する記事】
- 息子が九歳になった
- スマホ(インターネット)という罠
- 豆のない節分
- 大学に行くために預金にはげむ息子
- 子供がサンタクロースに手紙を書かなくなってしまった
- 歴史マニアになりつつある息子
- 息子の実験
- おそるべきEテレ
- 息子の投資が危険信号
- 確実にオタク予備軍になっていく息子
- 教育スタイルが御客さんバレた瞬間
- サッカーボールを2回もパンクさせてしまった
- 息子は、嬬恋村ふれあい教室で、オニヤンマ作り
- 「自由研究」と「工作」
- 息子がオリンピックに熱中
- 息子からもらった誕生プレゼント
- 授業参観は、ことばの教室!
- 安物の文具を使ってはダメだったんだなあ
- 1週間の引きこもり生活を終えた息子
- 宿題のない春休みは、子供の天国