2021年03月05日

自転車旅行の思い出【1】東海道

 北軽井沢も徐々に雪が溶けてきました。そのせいか自転車で道路を走っている人を何人か見かけるようになってきました。 すごいなと思ってしまいます。私の宿でもマウンテンバイクをお客様に貸し出しているんですが、あまりおすすめしていません。この辺一帯は山だからです。とてもじゃないけれど、普通の人には自転車が使えません。どこを走っても坂道だから、とてつもないエネルギーを使います。北軽井沢の観光協会にも無料のレンタサイクルがあったりしますけれど、北軽井沢を自転車で観光するのは狂気の沙汰だと思います。

 こんなことを書くと、古い友人から「じゃあお前は何なんだ」と言われるかもしれませんね。なぜならば私は、自転車で全国あちこちを回った過去があるからです。自転車で日本一周したこともあれば、ママチャリで東海道五十三次を走ったこともあります。





 若気の至りと言うか何と言うか、今から30年ぐらい前の話になりますが、友人達ととある実験を行ったことがあります。ママチャリの耐久性を調べたことがあるんです。どのくらい走るとママチャリが壊れるか、調査したことがあるんですね。使ったママチャリは、すでに家庭で10年以上使ったボロボロのママチャリ。

 とりあえず私が第一号となって、東京池袋から大阪までの500 km を走りました。大雑把に言って500 km ですけれど、600 km ぐらいあったと思います。 国道1号線は自転車に優しくないからです。国道1号線は、いつのまにか自動車専用道路になってしまうので、自転車だと大きく迂回する必要性がありますから、 500 km の距離で大阪には到達しません。なんだかんだと言って600 km ぐらい走る羽目になります。

 それはともかくとして、ママチャリがどのぐらい走ったら壊れるのかの実験なんですが、 結論を先に言うと
『壊れない』
ということになりました。もっとも30年前のママチャリなので、中国が多い今のママチャリだと違った結論になるかもしれません。30年前のママチャリに限って言えば、 どんなに走っても壊れないということを証明してしまった。

  じゃあ永久にママチャリは壊れないのか? と言うと、それはちょっと違っていて、ママチャリが壊れる前にタイヤが坊主になってしまうのです。 具体的に言うと700 km を越えたあたりからタイヤが坊主になってしまって、まずはブレーキが効かなくなり、すぐにパンクするようになる。1500 km を越えたあたりからタイヤの中のゴムチューブが劣化してやはりパンクしやすくなる。つまり700 km を越えた辺りにゴムタイヤを変えて、1500 km 越えた辺りでタイヤのチューブを交換することになる。その都度に8000円ぐらい支払うことになるので、新品のママチャリを買った方が安いという結論になってしまった。新品なら1万円ぐらいで買えますけれど、旅先の途中でその辺の自転車屋でゴムタイヤを交換すると8000円ぐらい取られてしまう。 だったら新品のママチャリを買った方がいいんじゃないかということになってしまう。

 あと自転車で東街道を大したことならわかると思いますが、静岡県がやたらと長い。どこまで行っても静岡県。最初に驚いたのは伊豆半島が静岡県ということ。箱根を越えたら延々と静岡県。今でもそうかどうかはわかりませんが、静岡県に入るとコンビニはサークルk しかなかった。愛知県に入ってもサークルk しかなかった。だからコンビニ弁当は、しばらくの間ずっとサークルk のコンビニ弁当ばかり食べることになる。それだと飽きるので、国道1号線沿いにある吉野家のドライブスルーにママチャリで入って牛丼を注文するんですけれど、 この吉野家が融通が利かなくて、店内で食べてくださいの一点張り。こっちはママチャリで東海道五十三次を3日で走らなければならないという事情があったので、ドライブスルーで頼むと言うんですけれど頑固で聞き入れてくれない。仕方がないので、ドライブスルーをスルーして、やっぱりサークルk でコンビニ弁当を買うはめになる。

 あと 、東京から大阪に向かう時に気がついたんですが、 最初から最後まで向かい風だった。考えてみれば当たり前といえば当たり前なんですが、風は西から東に行きますから、東京から大阪方面に自転車で走るということは、風の抵抗を受けながら走ることになる。

 そうそう、箱根をママチャリで超える時が一番つらかった。鈴鹿峠はあれに比べれば屁みたいなもんだった。箱根の山は本当につらかったんですが、ここをマラソンで走る奴がいるということを思うと信じられない。箱根マラソンする人たちを私は本気で尊敬します。

 怖かったのが箱根の山を越えた後のことです。ものすごい下りが待っています。どのくらいすごいかと言うと、普通に走っててママチャリが自動車を追い抜かすんだから始末に負えない。もちろんブレーキなんか効きません。前方に信号があって泊まる時は、ブレーキだけでは止められなくて、足で地面をズリズリすることになる。おかげで靴の寿命が縮まってしまった。だから箱根の山から沼津まではあっという間に到着してしまった。 

 こうやって静岡県に入った訳ですけれど、静岡県に入って衝撃を受けます。東京や神奈川県だと交差点あたりに交番がありますけれど、静岡県に入ると交番というものがない。 交番や駐在所は町のはずれにあるので、旅先で道を聞くということができない。仕方がないので地元民に聞いたりコンビニで聞いたりする。そして、いよいよ困るのが、 静岡県に入ってからで、これは愛知県でも一緒なんですけれど、道路がいきなり自転車に優しくなくなってくるのです。国道1号線がいつのまにか自動車専用道路になってしまうからです。そういう箇所が何箇所かある。

 そして、 どこまで走っても静岡県。どんなに走っても静岡県。長い長い静岡県。やっと着いた愛知県と思いきや、今まで海沿いだった道が急に山道になってしまう。 そして自転車では走りにくい名古屋を通過した頃には、お尻の皮が剥けている。

 自転車旅行の一番の大敵は、お尻の皮がむけることなんです。
 こうなると座って走ることができない。
 大阪までずっと立ち漕ぎするしかなくなってくる。
 ちなみに私の荷物は、10リットルのデイバック1個。
 財布と歯ブラシと下着とタオルしかないので荷物は最低限。
 なので軽いのですが、台風直撃の日に出発したので、ひどい向かい風で、初日にぼろぼろになっていた。
 自転車は風の有無で大きく違ってくる。
 逆に言うと、大阪から東京へくる場合は楽なんですよね。

 長くなったので今日はこの辺で筆を置きます。


つづく。

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posted by マネージャー at 22:13| Comment(0) | 旅と思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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