2021年03月17日

徒歩旅行の思い出【6】鎌倉・大船・江ノ島

徒歩旅行の思い出【6】鎌倉・大船・江ノ島

 これも30年から40前ぐらい前の話です。私は歴史が大好きだったので京都の街の中をよく徒歩で旅をしました。でもそのブームは、5年ぐらいで終わってしまいました。鎌倉を見つけてしまったからです。京都というところはお金がかかるんです。神社仏閣に5・6ヶ所回ると何千円もかかってしまう。

 ところが鎌倉のお寺は、30年ぐらい前だと100円とか150円の拝観料でした。それもかなり有名どころで、それほど有名でないお寺だったら無料で入れたりしました。つまりやすいんです。安いけれど神社仏閣は京都並みに古かったりする。そして雰囲気がいいん。鎌倉というのは武家政権の本拠地ですから、座禅をメインとする宗派が多くて、そういうお寺はなんとなく親しみやすい。その上、実際に座禅会があったりする。今はどうか分かりませんが、30年以上前の鎌倉は、お寺が経営する飲食店も安かった。抹茶とお菓子を頼んでも500円以上は取られたことがないし、元祖けんちん汁などでも安かった。何より人通りが少なかった。

 でも一番気に入ったのは、自然が多いことです。
 鎌倉には鎌倉アルプスと言う登山道もあって、
 そのルートが、素晴らしい。
 切り通しとかもある。
 おまけにちょっと歩けば海があるし、
 江ノ島まで歩いても大して遠いわけでもない。





 まず北鎌倉の駅に降りて建長寺に向かいます。気が向いたらけんちん汁(建長寺汁)を食べて建長寺を散策し、お寺の中にある甘み所で抹茶を注文するとお菓子もついてくる。それを頂きながら森林浴にひたる。たまに煮しめを注文したりしてもいい。初めて行った時には、あたり一面にリスだらけなのに感動したものですが、1時間もいると、雀の数よりもリースの数の方が多いのに閉口する。下手したらゴキブリの数よりも多い。しかもそのリストきたら、集団になってうじゃうじゃといるからたまりません。

 そして建長寺から鎌倉アルプスを縦走する。このルートがとてもいい。幼稚園児の年少さんでも楽勝で歩けるこのルートは、標高150メートル前後の山の尾根歩きで、高尾山と並んで私の好きなルートの一つです。相模湾を望む展望。石仏や緑が爽やかなハイキングコースで、銭洗い弁天経由で大仏に行っても良いし、建長寺経由で瑞泉寺に行ってもよい。適度に運動できて、適度に森林浴がたのしめる。それでいて、お金がかからない。なので私はこのルートをかれこれ30回ぐらい歩いています。

 北海道や九州のユースホステルで知り合った人達と、東京で再会する時は、新宿や池袋で合流するのではなくて、北鎌倉で合流することが多かった。ユースホステルで旅をする人たちは、居酒屋に入って5000円ぐらい使うよりも、北鎌倉で散策しながら抹茶を飲んだり座禅をしたりするのが好きな人たちが多かったので、飲み会に行くよりも北鎌倉で合流することの方が多かった。

 そうそう、旅をするようになってからの私は、居酒屋などの飲み屋に行くことが全くなくなりました。それよりも鎌倉を歩いたり、高尾山を歩いたり、奥武蔵を散策したり、奥多摩を散策することが多かった。久しぶりの友人との再会も、居酒屋ではなく、北鎌倉の駅で合流することが多かった。

 当時は携帯電話というものがなかったので、駅に必ず伝言板というものがあって、何かあったらそこに伝言を残して相手に伝えたものです。何しろ携帯というものがなかったので、ハプニングが起きて合流できなかったこともあったので、15分待って来なかった場合は伝言板に、「銭洗弁天の方に向かってます」とチョークで書いて先に出発したものです。そのままの合流できなくても、その時はその時とあっさりしたものでした。で、のんびりと銭洗弁天方面へ散策してると後ろの方から遅れてきた友人がやってきたりする。昭和という時代はそういう時代でした。


 そういえば正月も鎌倉を散策したものです。鎌倉の隣にある大船に住んでる友人が多かったので、その友人たちと一緒に鶴岡八幡宮に行ったり、大船観音に行ったりしました。意外に知られてないんですが、大船観音は鎌倉の大仏より大きい。あと関係ないですけれど大船観音のそばで笠智衆さんと何回かで会ったことがあります。あの人は映画で出てくる人そのもので、全く一緒でした。スクリーンから飛び出したような人です。関係ないけれど、上野公園で渥美清さんに何度も会ってますが、渥美清さんはスクリーンの人と違ってジャンパーなんかで変装というか、違うかっこうしてましたね。でも顔は隠しようが無く、通行人に見つかると、一挙に寅さんに変身して挨拶し、そそくさと去って行きました。

 それはともかくお参りが終わった後は、由比ヶ浜に必ず向かいます。今はどうなってるかわかりませんが、当時は正月のお参りが終わった後の深夜に由比ヶ浜に行くと、焚き火がズラッと並んでいて、なんとなくそこに人が集まってくる。見ず知らずの人たちが焚き火を囲んで海の彼方を並べるわけです。もちろん流れ星が流れたりもする。そのうちどんどん人が多くなってくるので、江ノ島方面に歩いて行く。ちょっとだるいなと思ったら江ノ電に乗って江の島に向かうんですが、正月だけ24時間営業の江ノ電の中にはカップルしかいないので、一駅だけ取って降りてしまったりする。





 そして、江ノ島までぶらぶらと歩くわけですか、江ノ島に渡るのが目的ではない。江ノ島に架かる橋があるんですが、その橋にずらーっと屋台が並んでいます。今はどうなってるか知りませんが、30年ぐらい前は江の島大橋に屋台がずらっと並んでいて、そこの赤ちょうちんで一杯ひっかけながら、屋台のオヤジと世間話する。居酒屋には行かないくせに、徒歩でぶらぶら歩いて赤ちょうちんに入るのは喜んで入っていたので、このへんは矛盾していたのかもしれない。


つづく。

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posted by マネージャー at 23:55| Comment(0) | 旅と思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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