嫁さんの出産が近づいたからです。
名前はコロにしました。
昔から犬は、安産のお守りとして非常に御利益があるとされています。犬を飼えない家では、犬の人形を飾ったものです。もちろん戌の日の祝いもやりました。戌の日の祝いとは五ヶ月目に入った最初の戌の日に腹帯(岩田帯)を締めて母子の健康を祈願する行事です。戌がお産が軽いことにあやかっていると言われています。
それから二ヶ月間。
私は宿を一人でまわしました。
そして、家内が里帰りして二ヶ月目の三月二十五日。
破水しました。
いよいよ出産というときです。
まさに館林の産婦人科の病院に私が向かおうとしたとき、観光協会会長から電話がありました。
「新聞を見た?」
「いいえ?」
「うちの観光協会のサイトがサイバーテロにあったと、上毛新聞にでかでかと載っている」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?」
そして数分後、群馬県警のサイバーテロ専門の捜査員から電話がかかってきました。私は観光協会事務所でサイト担当者として、大わらわ。そのうえボイラーが故障したり、雪が降ったりで、いろいろ作業が増えてたいへん。その日は館林の病院には行けませんでした。ただし、陣痛促進剤を使っても、陣痛の兆候はありませんでしたので、すぐに生まれるわけでは無いことは、家内から聞かされていました。
私が、病院に出発したのは、翌日の三月二十六日の十一時半頃でした。ちなみに病院までは、車で急いで走っても最低三時間はかかります。途中、何度も家内から電話がかかってきました。家内は最後まで自然分娩でがんばるつもりらしく、生まれるのは、深夜になる可能性もあるとのこと。それを聞いた私は、安心して車を走らせてました。
しかし、安心しながら、ゆっくりと高速道路を走っていたら、携帯電話がなりました。家内の携帯からでしたが、受話器にでたのは家内のお母さんです。
「たった今、緊急帝王切開になりました」
「分かりました。あと30分で到着しますから」
「気をつけて来てください」
そうなのです。気をつけてくるしかなかったのです。車には、車酔いしやすい子犬のコロが乗っていましたから、そんなにスピードはあげられない。しかし、やはりアクセルは踏んでしまった。猛スピードで病院に向かっていた。しかし、思いのほか館林市内で手間取ってしまい病院到着が15時3分ジャストぐらい。それからなんだかんだと、戸惑っているうちに、3分ぐらいかかって病室に到着。
すぐに赤ちゃんと面会。
驚きました。
玉のような子供が生まれるとはよく言いますが、まさにそんな感じです。
実は生まれたばかりの赤ちゃんというのは、私は何度も見ています。顔がしわくちゃだったり、目が閉じていたりとか、顔が真っ黒だったりとか、そういう姿を何回も見ているので、それを想像していたのですが、すごく綺麗な体なのに驚きました。
生まれてすぐなのに、もう目が開いている。
予定日を過ぎて成長してしまったからか?
元気だな。
手足をバタバタさせて着てるものを外している。
帽子も脱げてきている。
生まれたばかりなのに、こんなにパワフルなのは、
きっと愛犬コロのおかげなんだろうな。
つづく。
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