「こんなこといいな♪ できたらいいな〜」
という歌詞はうちの息子も一発で覚えて今でもスラスラと歌えますが、星野源の歌を歌えると聞いても、歌えません。歌詞が入ってこないのです。
そう考えると大杉久美子は、やはり天才だった。この人は、今年六十歳となった私が子供の頃から、アニメソングを歌っていました。 最初の頃は、スポーツ根性もののアニメを主に歌っていたかと思います。アタックナンバーワンとか、エースをねらえとかです。 その後に世界名作劇場の主題歌を歌うようになりました。アルプスの少女ハイジとか、フランダースの犬とか、母をたずねて三千里とか、 あらいぐまラスカルとかです。
世界名作劇場といえば、大杉久美子が定番。その流れでドラえもんの主題歌を歌ったらこれが大ヒットです。実はドラえもんは、日テレでもアニメ化されているんですが、 大ヒットしてなかったのは、大杉久美子の主題歌がなかったからではないかと、私は密かに思っています。
それはともかくとして大杉久美子の声はよかった。ドラえもんの主題歌では、すばらしさは分かりづらいんですが、 母をたずねて三千里の主題歌あたりになると、その声のすばらしさに感動します。
ちなみに世界名作劇場の主題歌の作詞は、初期の頃ならばほとんどが、北軽井沢が誇る有名人である岸田衿子さんが 作詞しています。
アルプスの少女ハイジ
フランダースの犬
あらいぐまラスカル
赤毛のアン
あたりがそうですね。そして、必ず大杉久美子が歌っていました。ちなみに作曲は、渡辺岳夫さんで、この人も天才ですね。岸田衿子さんと大杉久美子さんと渡辺岳夫さんのコンビは最高だったと思います。この3人が、世界名作劇場の流れを作ったと言っても過言ではないと思います。
けれど時代が下ってくると、秋元康・谷村新司・小坂明子・さだまさし・斉藤由貴 あたりが作詞するようになり、森田公一といった有名どころが作曲するようになり、いわゆる流行歌手が歌うようになってしまいました。大杉久美子さんの出番がなくなってしまったわけですが、大杉久美子さんの声を聞けない世界名作劇場って、なにか物足りないし、岸田衿子さんのほんわかした歌詞がないのも、渡辺岳夫さんの曲が聴けなくなったのも淋しかった。
話は、ちょっとずれてしまいますが、世界名作劇場の最高傑作は、個人的にはペリーヌ物語だと思っています。ハイジでもなければ、フランダースの犬でもない。ラスカルでもないし、赤毛のアンでもない。左翼主義者でもあるジブリの作家たちが「資本家のアニメだ」とボイコットして手を貸さなかったペリーヌ物語だったと思います。
これは子供にはわかりにくい。私は、リアルで見ていましたが、当時の私は高校生だったために、途中で「これは凄いアニメだ」と気が付いた。いわゆる「家なき子」の女の子バージョンの話なのですが、内容は「小公子(リトルプリンス)」に近い。けれど小公子なんかよりも、すごく奥が深かった。そのうえ実際のモデルが存在していて、理想的な会社が存在することを知って、ものすごく驚いた記憶があります。
そもそも主人公が、フランス人とインド人のハーフで、旅の途中で父と母を失うにもかかわらず、全く悲しい話になってない。大杉久美子の明るい歌声と、キューティーハニーの曲を作った渡辺岳夫の曲があるために、全く悲壮感を感じさせず、そのうえ物語が、やたらと明るい。最低の状況なのに、やたらと明るい。ジブリの連中が途中で消えているのに、レベルが落ちてないどころか、今までに無い最高傑作になっていたのも凄かった。
まあ、そんなことは、どうでもいいとして、ドラえもんといい、世界名作劇場といい、ひとつの時代を作った大杉久美子が、いつのまにか消えてしまったことには、少しばかり淋しい気持ちがあります。
つづく。
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