(バックに槍ヶ岳)
(バックに燕岳)
これが燕山荘(花崗岩の階段が美しい。燕岳は花崗岩の山なのだ!)
燕山荘は、かって帝国ホテルグループ傘下にあったために、ホスピタリティあふれる接客をすることで有名な山小屋です。と言っても若い人には分からないかもしれませんが、昭和時代の山小屋の御主人には、高圧的で横柄な人が少なからずいて、それでも山小屋に人々が殺到した時代がありました。これは山小屋に限らずユースホステルや国民宿舎にも、そういう横柄なオーナーがいた時期があったのです。そういう時代に令和時代なみの接客をする、まともな山小屋があった。燕山荘です。
しかも、この燕山荘。最高のロケーションであることで有名です。北アルプスが最も美しく見える位置にあり、しかも10月初旬の夜景と来たら、銀河が槍ヶ岳に落ちることで、その写真撮影に人が殺到することで知られています。そんな小屋は、燕山荘しかありません。おまけに夜明け前の早朝となると、燕山荘の東の空に、黄道光と銀河の二つの光の帯による『巨大なX(エックス)の光の帯』の美しいショーが見られます。
(黄道光と天の川のクロス・巨大なX(エックス)の光の帯)
それはともかくとして、燕山荘に到着して驚いたことの一つは、8歳の息子のために、表彰してくれたうえに記念品までいただいたことです。うちの息子は、3歳の時に自力で八ヶ岳に登頂して赤岳小屋に泊まりました。4歳の時には槍ヶ岳にも登って肩の小屋に泊まっています。5歳の時には北穂高山荘。6歳で穂高山荘。7歳で再び槍ヶ岳と登っていますが、表彰されたことなど一度もありません。それだけに燕山荘の粋な心意気に感動します。お子さん連れなら絶対に最初に泊まるべき山小屋です。
おまけに部屋までスタッフが丁寧に案内してくれたうえに、個室まで用意してくれました。その他にも数々のサプライズ。いちいち書きませんけれど「さすがは帝国ホテル系列だ」と感心しました。でも一番驚いたのは、山小屋の設備と清潔さです。ありえないくらいに充実しているし、きれいですし、掃除もいきとどいている。特にトイレがきれい。下界のホテルと何ら変わりない。
と、言っても山に登らない人には分かりにくいでしょうから解説すると、普通の山小屋のトイレは、臭いのです。ぽっとん便所みたいなもので、おまけにトイレットペーパーを流せない。トイレットペーパーは、ゴミ箱に入れるので、それも臭いし、それの山を眺めてウンチするので気分の良いものではないし、清潔感もない。ましてや新型コロナウイルスの時代になると、なおさら山小屋のトイレを使いたくなくなるのですが、燕山荘のトイレは、下界のホテルと変わらないトイレになっている。どうして、そんなことが可能なのかわからないけれど、そうなっている。おまけにトイレが美しい。トイレ掃除がいきとどいている。宿屋の私の目から見ても手を抜いてないことがわかる。
おまけに御飯が美味しい。チーズインハンバーグと金目鯛の煮付けが美味しい。新型コロナウイルスのせいで、食事中の会話は、禁止されているけれど、それを補うためにマネージャーの面白い話が聞けるし、アルペンホルンの演奏もしてくれる。標高2700メートルの北アルプスで、マネージャーみずからのアルペンホルンを聞けるなんて夢のようです。もう言うこと無しです。他の山小屋では、食事中の会話禁止だけで、何の芸もなく、黙々と食事するばかりだったので、燕山荘の素晴らしいホスピタリティには、感動しっぱなしです。
(アルペンホルンを演奏するマネージャー)
おまけに夕日が美しかった。
(槍ヶ岳の夕焼け)
(北アルプスの夕焼け)
(燕山荘の夜)
夜景がきれいだった。
星が美しかった。
特に槍ヶ岳に落ちる天の川が最高だった!
(安曇野の夜景)
(美しい銀河)
(槍ヶ岳に落ちる銀河)
そして、夜明け前に見た黄道光と天の川のクロスが最高だった。
夢なら冷めないで欲しいと思った。
つづく。
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