2025年03月23日

スポーツ教室について語ってみる その2

スポーツ教室について語ってみる その2

 子供が生まれた時に真っ先に考えたことは、勉強ができなくても良い。運動ができなくても良い。のびのびと育って、たくさんの友人に囲まれて幸せな人生を送ってほしい。 だから自由奔放に生きていけるように子育てをしようと考えていました。

  なので晴れてる日は毎日、浅間牧場で愛犬ころと 散歩して遊んでいました。 幼稚園に入る年齢になると、教育委員会から幼稚園に入る手続きはしないのかという電話が来ましたが、「うちは 保育所に入れるので大丈夫です」と断ったくらいです。文部省の管轄でもあり、学校の延長である幼稚園に入れるつもりはありませんでした。仕事が忙しい時だけに限定して、保育所か託児所に入れるつもりだったのです。 そうでない時は親子で1日中 公園で遊ぶつもりでした。 現に息子が3歳になるまで毎日のように 各地の公園に出かけていました。





 ところが私が住んでいる嬬恋村では幼稚園と保育所が合併しており『こども園』 というものになっていました。保育所に預けるつもりで入園手続きをすると、そこは幼稚園だったのです。 保育所の子供も幼稚園でみんなと一緒にお勉強するようになっており、 夏休みや 冬休みで 幼稚園が休みの時だけ、保育所になっているというシステムでした。

  なんだか 詐欺にかかったような気にもなりましたか、まあ 仕方ないかと思い、息子を『こども園』という名の保育所と幼稚園が合体した施設に預けたわけですが、私が危惧した通り『こども園』は、幼稚園そのものでした。 幼稚園を休ませて 親子でハイキングに行くと先生に怒られるのです。

 私は学校という型枠に息子をはめ込みたくなかったので、あえて保育所を選んだつもりだったのですが、無理やり強制的に幼稚園 スタイルの教育施設に入れられてしまった。私の子育ては映画の『サウンドオブ ミュージック』のような自然の中でのびのびと育てることが目標だったから非常にがっかりしました。幼稚園の先生は非常に熱心に 息子のことを面倒を見てくれたと思います。 しかしそれは私の望むところではなかったわけです。

 ところがです。

 息子を幼稚園に通わせると、先生が成長が遅れてると言ってくる。確かに遅れていた。 近所に 息子より1歳年下の男の子がいましたけれど、その子と比べて明らかに劣っていた。会話能力と言うか言語能力が劣って見えた。2歳くらい下の子のレベルにみえた。息子は3月26日生まれですが、 それを考えても圧倒的に遅れてるように見えてしまう。なので幼稚園の先生が、
「発達心理学の先生に見てもらってください」
と言ってくる。要するに『学習障害』を 疑ってる感じなのでしょうが、 専門家でもない人間が『学習障害』の可能性を言ってはいけない 規則になってるので、ひたすら「先生に見てもらってください」 と言ってくる。仕方がないので何度も発達心理学の先生のところに連れて行くわけですが、 私自身が、
「何の心配も無い」
という気分でいるので、発達心理学の先生も、
「じゃあ 大丈夫なんじゃないですか」
という雰囲気になって、世間話をしてそれが盛り上がって終わっていました。
「幼稚園の先生は大げさなんだよ」
くらいに思っていてのんびりどっしり構えていました。


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 しかしそうも言ってられなくなったことが起きたのです。 息子と一緒に風呂に入ると変なところに傷がある。よくよく聞いてみると友達にやられたと言っている。どうやら いじめを受けているようなのだ。幼稚園の先生も「いじめ」という言葉は使わないけれど、明らかに体に傷がついた 状態の場合、個別のトラブルを 報告してきます。おまけに、いじめっ子たちは、4月・5月・6月生まれでした。息子は3月26日生まれで大きなハンデがある上に、成長が遅いと来ている。

 そうなってくると
「何の心配も無い」
と言えなくなってくるのです。

 子供が生まれた時に真っ先に考えた「勉強ができなくても良い。運動ができなくても良い。のびのびと育って、たくさんの友人に囲まれて幸せな人生を 送ってほしい」という考えは甘かったということになる。年配の幼稚園の先生は、

「嬬恋村では子供の数が少なくてクラス替えがないから、自分で強くなければだめ」

と言ってきたのですが、このアドバイスに納得した私は、息子に空手を習わせることにしました。で、スポーツ教室を探したわけですが、車で40分の距離にある『軽井沢風越公園』に空手のスポーツ教室があることを発見しました。そして『軽井沢風越公園』の主催事業である『空手と礼儀教室』に申し込みました。そして週1回の空手教室に通い出したのです。

「勉強ができなくても良い。運動ができなくても良い。のびのびと育って欲しい」と考える親御さんは多いと思います。 しかし現実問題として、のびのびと育つためには、ある程度運動ができて勉強ができないといけない。そうしないと、 みんなからいじめられるから、のびのびと育てるという目標を達成できないのです。 勉強はある程度できないとダメだし、 運動もある程度できないと話にならない。 残酷のようなことだけれど、 それが厳しい現実というものでした。

  息子とその友達と体育館で一緒に遊んだりするんですけれど、 私が「 みんなで かけっこ やろうか」と 子供たちに提案すると、みんな喜んで賛成するのだけれど、うちの息子だけが嫌がって参加しない。 なぜならば 一番足が遅いからです。それがわかってるから息子のやつは絶対に競争に参加しない。ひねくれて、ぼっちになってしまう。そんな状態で「のびのびと育つ」とは到底思えない。 ある程度運動ができて勉強ができないと、「のびのびと育つ」ことは無理なのだ。

 一緒に風呂に入ってると、3歳になったばかりの息子は 涙ながらに「早く走れるようになる薬はないの?」と聞いてくる。幼稚園で肩身の狭い思いをしていることが これだけでよくわかる。私はもう一つ決意しました。 空手が強くなるだけでは問題は解決しない。 運動能力と 学習能力を高めないと 「のびのびと育つ」という目標に達成しないという冷酷な現実があった。



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 さいわい『軽井沢風越公園』には、プール・フットサル場・体育館もありましたから、そこに毎日のように通ってバケット・サッカー・水泳を教えました。毎日。往復2時間をかけて軽井沢に通ったわけです。送迎中 車内では、スポーツに関する映像作品を見せました。昔と違って今は、スポーツを上達するための素晴らしい映像作品がありますので、それをdvdに焼いて見せました。

  うちの息子は、 非常識なくらい好奇心の強い子供だったので、 それらのビデオを熱心に見ていました。例えば E テレに、すイエんサーという科学番組があるのですが、その番組ではどうすればドッジボールで勝つことができるかということを 科学的に実験実証して見せたりします。明らかに運動能力に劣る子供達が、どうやったら 強敵に勝てるようになるかという番組。相手がボールを投げてきた時、 右によけた方が 生存確率が高いか、 左に避けた方が 生存確率が高いか、 そういうことを科学的に検証する番組(すイエんサー)があるわけで、そういう番組を積極的に見せたわけです。

 しかしそこまでしても、運動能力は上達しないものです。 いや 上達はしてたのですが、3月生まれというハンデのために相手に追いつけない。息子をいじってくる人たちは、出席番号の最初の人たち。 つまり 4月生まれとか5月生まれなので、相手は1年近く年上。ちょっとやそっとの運動では追いつけない。特に4歳児は5歳児ぐらいの場合は圧倒的な体力差となっていて壁となっている。その壁がいじってくるわけですから始末に悪い。

 これでよく登校拒否にならなかったものだなあと感心するわけですが、 息子は非常に好奇心が強いために、 幼稚園や小学校を嫌がることはありませんでした。ありがたいことに息子をかばってくれる女の子や、男の子がいたことも確かで、4歳とか5歳であるにも関わらず、ダメなことはダメと悪いことを注意する素晴らしい お子さんもたくさんいたようで、それに救われたということもあります。

 とにかく息子の運動能力が平均値を超えるまで5年ぐらいはかかりました。一部の競技でトップを取るまでは、 それから何年かかかりました。 幼稚園の時は1回も飛べなかった 縄跳びも 小学2年生になる頃は、学年で2番目に長時間 飛べるようになっていましたし、小学3年生の頃にはマラソン大会で2位をとる までになりました。スキーやスケートでもたくさんのメダルを確保しましたし、 スカイランと言う登山マラソンでも毎年上位に入るようになりました。こうなると息子のやつもスポーツが楽しくなるらしく、何かスポーツの大会があると必ず参加したものです。

  ちなみに 息子のやつは、 嬬恋村の空手教室・ キックボクシング教室にも通っています。つまり 2つの空手教室に通っていたわけですが、空手には色々な 流派があって 指導の仕方が全く違うわけです。 軽井沢の空手教室は、空手を教えるというよりも 運動させることがメインでした。 とにかく子供に遊びをさせることによって走り回させるのです。 空手を教えるというよりも遊びながら体を鍛える というスタイルです。だから 空手をやってる時間よりも室内サッカーをやってる時間の方が長かった。

  嬬恋村の空手教室は、それとは全く違っていわゆる武道を教えてました。礼儀作法とか、精神に重点を置いた 教え方で、空手の方も基本をじっくり教える感じです。いわゆる正統派な教え方でした。これは軽井沢の教え方とは全く違っていました。

  不思議なことに、 これはスケートでも同じことが言えて、軽井沢のスケートのスポーツ教室では、 スケートを教えるというよりも 遊びながら 運動させることがメインだったのに対して、 嬬恋村の小学校のスケート部では、スケートを基礎からきっちり 教えるということを実践していました。

  嬬恋村の小学校のスケート部では、5つのクラスに分かれていて、 各自のレベルに合わせて教わる内容が違っていたのに対して、 軽井沢のスポーツ教室の場合は、小学生から中学生まで、ほとんど クラス分けがなくて みんなで一緒に滑ってるという感じです。

  個人的な感想を言うと、軽井沢と嬬恋村ではゴールが違っている気がする。軽井沢のスポーツ教室では遠くを目指してる。スケートとか空手にこだわってない。子供たちの体力とやる気をあげることに 中心を置いている感じがします。それに対して嬬恋村では、 空手の上達・ スケートの上達を目指してる。 どっちがいいとか悪いとかいうことではなくて、ゴールが違ってるんだ と思います。

 話がそれました。
 一旦、話を戻します。

 私が何を言いたかったかというと、子供に
「のびのびと育って欲しい」
と願う場合、ある程度運動ができて勉強ができないといけない。そうしないと、いじめられる可能性がある。そして、ある程度運動ができるようになる方法があるということであり、あるていど勉強ができる方法もある。決して不可能では無いということです。



つづく

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posted by マネージャー at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 佐渡島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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