北海道と言えばキタキツネですが、佐渡島にはキツネはいません。そのかわり狸ならいます。佐渡島では狸の事をムジナと言います。そうです、ラフカディオ・ハーンで有名なムジナです。
ところで、キツネが、狸が、ムジナが、人を化かす(騙す)話は全国いたる所にありますが、佐渡島のムジナ伝説には、他の地方にみられない特徴があります。と言うのは、佐渡のムジナたちには名前があるのです。
たとえば二つ岩の団三郎。
このムジナは佐渡ムジナ界の帝王です。団三郎だけではありません。この団三郎の下には佐渡ムジナ界の四天王と呼ばれるムジナたちがいます。
重屋の源助
湖鏡庵の才鬼坊
関の寒人
東光寺の禅達
これらが佐渡ムジナ界の四天王です。その他にも佐渡ムジナ界には無数のムジナがいます。その無数のムジナたちには皆、それぞれ名前があり様々なエピソードがあるのです。そして、そのエピソードは、とても愉快でユニークなのです。
例えば重屋の源助は重屋という家にとり憑き、その家に住もうとする人をおどかし追出すムジナでした。
湖鏡庵の才鬼坊は人を驚かすのに命をかけたムジナでした。
関の寒人はめったに人前に現われない仙人のようなムジナでした。
東光寺の禅達は東光寺に来る新住職に禅問答を挑み新住職を困らせ追払う事に生きがいをもったムジナでした。
みんな佐渡ムジナ界の四天王だけに、皆とてもユニークなエピソードを持ったムジナです。
でも、佐渡島で一番人気の高いムジナは帝王、団三郎です。この団三郎には本州のキツネたちを相手にキツネとムジナの戦争を挑み勝利した話とか、多くの遊女を囲い多くの手下を従え凄じい御殿で豪勢な暮しをしていたというエピソードは、半端な話ではありません。侮れないなって感じがします。
しかし、そんな団三郎にも最後の時があったらしく、
彼は村人に殺されてしまったそうです。
つづく
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