カップ麺を食べると体調が良くなっていったという信じがたい話を色々な人に話したのですが、たいていの人は大笑いするか、「ばかばかしい」と取り合ってくれませんでした。しかし、苦学生仲間の先輩と、登山仲間だけは、違った反応をしめしました。
まず、登山仲間の反応。
「そりゃ、塩分が足りなかったんだわ。やまでも良くおきるんだわ」
「ほう」
「夏山じゃ、必要以上に汗をかくので、塩が足りなくなる。だから山小屋のカップ麺が異常に美味しく感じる」
「そういえば・・・・」
「特に7日以上のテント泊の縦走をすると、フラフラになってしまう。でも、山小屋の飯を食べると、とたんに元気になる。味噌汁が異常に美味しいんだ。そして、フラフラは、たちまち治ってしまう」
「なるほど」
そして苦学生仲間の先輩の反応。
「お、お前も、やっと気がついたか」
「はあ」
「これは誰もが通過する儀式のようなもんだ。気にするな。塩も醤油もドレッシングも使わない食生活を続けると、そういうことは良く起きるんだよ。最初は誰もが思いつくからな、パンのミミ生活は。いわば通過点さ」
「・・・・」
「しかしな、貧乏生活のプロは、パンのミミ生活といった安易な道を選ばない」
「安易だったでしょうか?」
「安易だな」
「はあ」
「そういうケチケチ作戦をしているようでは、まだまだ半人前。プロの貧乏生活者は、そんな節約食生活はしない。そういうのは、家庭の主婦がやるならともかく、とことん金のない天涯孤独な独り者は、腹一杯美味しいもの食べなきゃ」
「でも、金が」
「アホか、俺たち天涯孤独な貧乏人にとっては、体だけが唯一のたのみなんだ。守るべきは体なんだよ。体さえあれば金は稼げる」
「といっても、金が」
「だからさ、金のことは忘れろよ。そういう発想があるかぎりダメなんだよ。金が無ければ別の方法で美味しい物をたべればよい」
「・・・・」
「おまえ、バイトの休みは何曜日だ」
「土日が休みです」
「よし、その土日で、俺の知ってるラーメン屋でバイトするか?」
「はあ?」
「時給400円と安めで労働時間は、夕方の18時〜22時。日給1600円と、たいして金にはならんが、ラーメンと餃子とチャーハンだけは食べ放題だ。塩分もとれるし、飢餓からも解放される。お前の体力はすぐに回復するぞ」
つづく
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