「泊まって!応援キャンペーン」を利用して万座温泉ホテル日進館に泊まってきたのですが、宿の人に万座温泉の裏話を色々聞かせてもらいました。 おかげで色々な謎が解けました。昔は、万座温泉の源泉・湯畑の近くに日進館の施設があって、そこで色々な温泉に入ることができたんですが、それがどういうわけか取り壊されてしまった 。反対運動なんかもあったんですが、結局壊されてしまった。どうしてあんな素晴らしい施設を壊されなければいけなかったかどうしても不思議だったんですが、その理由が、やっとわかりました。
万座周辺は国立公園なので、色々な規制が厳しかった。ホテルを増設したくてもできなかったんです。増設するためには、古い建物を壊すしかなかった。なので、泣く泣く古い建物を壊して、新しいホテルを作った。そうしないと設備が老朽化して競争に勝ち残れなかった。ただ、湯畑の近くに一箇所だけ、温泉施設が残っていた。残っていたんですが、 それも数年前に土砂崩れで壊れてしまった。なので、これ幸いとまた 新しいホテルを増設することができたらしい。
万座のような国立公園は、どうしても行政の規制が厳しいですから、 勝手に建物を建てることができない。 土砂崩れか何かで施設が破壊されないと、 新築の建物が建てられない。
「それは大変ですね」
「そうとも限りません」
「どうしてですか」
「バブルのときに銀行がやたらと金を貸したがったんですが、規制が厳しくて簡単に箱物を建築できなかったんです。だからバンクーバーとかの外国に支店でも出そうかとか、なんだかんだとぐずぐずしているうちに、バブルが崩壊してしまった」
「それはラッキーでしたね」
「助かりました」
「国立公園の規制のおかげで、助かったようなものです」
正直言って、万座温泉の最大の財産は、温泉です。 ここの温泉は、日本一だと個人的には思っています。これは私が思っているだけではなくて、嬬恋村の人たちは大抵そう思ってる。草津温泉より、万座温泉の方が上だと思っている人が多い。だから、余計な施設なんかいらないです。そういう意味で、国立公園の規制が、この温泉を守ることができたことは喜ばしいことでしょう。
台風19号によって破風岳方面は通行止めが続いている。
ところで、この日進館では、早朝散歩というイベントがあります。もし泊まるのであれば、絶対に参加するべきでしょう。案内人は、万座について非常に詳しい人です。質問すれば、どんどん出てくる。万座温泉の歴史から、自然についてとか、環境省とのやりとりとか、 何でも出てくる。
「このルートは、最近できたルートです。以前は大変な笹藪で、通れたものではなかったんですが、予算がついたんでしょうね、笹藪を伐採してくれたようです」
「自分達で伐採することはできないんですか?」
「国立公園ですから、それはできないんです」
「でも国家公務員だから、2年ぐらいで交代するんじゃないですか? 人によってその辺、おおらかだったり厳しかったりするんですか?」
「そうなんです。人によって随分違います」
「そうなると・・・・」
こんな話で、随分盛り上がりました。
「この辺の植生の変化は、あるんですか?」
「ありますねえ。昔は、高山植物と言うか、この辺独自の植生が見られたんですけれど、最近は下界と同じような植生になりつつあります」
「温暖化のせいですかね」
「だと思います。万座も昔と違って、随分暑くなってきました」
「ということは・・・・」
こんな話でも盛り上がりました。早朝散歩ツアーでは、質問すればするほど面白い答えが返ってきます。ガイドさんは時々、 ねまがり竹のたけのこをとって私たちに食べさせて・・・いや、食べたら美味しいですよと・・・・教えてくれます。
「万座温泉には、いくつの源泉があるんですか?」
「正確には分かりませんが、いくつかあるんでしょうね」
「と言うと?」
「この辺は、3メートルも掘ると、どこからでも温泉が湧き出てくるんです」
「ええええええええええ? それじゃあ堀り放題ですか」
「いえいえ規制がありますから」
「あーなるほど・・・・。あれ? それじゃ水道は?」
「それがですね・・・」
こんな話でも盛り上がりました。
話がつきませんのでこの辺で終わります。
うちの宿でもそうなんですが、宿屋の人とお話をする機会があるとしたら、絶対に話すべきですね。でも普通は、お話する機会がなかなか持てない。宿屋は忙しいですから。けれど「早朝散歩ツアー」とか「星空観察会」といったイベントがあったら絶対に参加するべきですね。そしていろんな質問をするべきです。お客さんの方から、何らかのアクションがあれば、 面白い話がいっぱい聞けるはずです。うちの宿にも「星空観察会」などをやっていますが、 そういうチャンスがあったら逃すべきではないと思います。面白い話がいっぱい聞けると思いますよ。
つづく。
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posted by マネージャー at 23:35|
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