2019年03月05日

息子も、あと1ヶ月で小学生

 息子は5歳ですが、もうすぐ幼稚園の卒園式です。 3月26日生まれなので6歳にならないまま幼稚園を卒業です。明日は、卒園を目の前にした年長組に対して、年中組のお子さんたちが、お楽しみ会を開いてくれて、何やら出し物を見せてくれるらしいです。

 実は、息子は、年長組よりも、年中組のお子さん達と、仲が良かったようです。これは、こども園と言うシステムのおかげです。こども園は、午前中は幼稚園なんですが、後から保育園になります。そして、午後の保育園になると、年齢に関係なく、全員が一緒に遊ぶようになります。

 息子が、年小組の時は、年長組のお子さん達に、ずいぶん面倒をみてもらいました。逆に、息子が年長組になったときには、年中組のお子さんたちと、いろいろ遊んでもらったようです。幼稚園が夏休みになると、こども園は、 1日中保育園になります。そうなると、年小組から年長組まで、各年代のお子さん達と一緒に遊ぶようになります。 3月生まれの息子にとって、結果的に、これが非常に良かったようで、成長が同じくらいの年中組のお子さん達と一緒に遊べるのが楽しかったようです。

 何しろうちの息子は、人より成長が遅れていたので、年中組の子と遊ぶのがちょうど良かったようです。夏休みに、私が息子を連れて保育園になっているこども園向かうと、年中組の女の子が待っていて、息子と手をつなぎながら教室に入ってきました。なんとなく気になったので、送迎のたびに見ていたんですが、よくよく見ると年中組の女の子の方が、お姉さん風を吹かせていました。息子は黙って従うように一緒に遊んでいました。

 幼稚園の最後の遠足の時、その時は私が付き添いに同行したのですが、保育園で仲良くしていた年中組の女の子が、私に挨拶してきました。その時は女の子の成長の早さに驚いたものです。うちの息子は、仲良くしているお友達の親に、挨拶できるほど人間ができていません。

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 話は変わりますが、うちの息子も、あと1ヶ月で小学生になります。小学校に入ったら、今まで以上の苦労が待っています。小学校の先生は、幼稚園や保育園の先生のように、細かく面倒見てくれません。成長が遅れている息子にとっては、これから先が試練の時です。

 幸い知的好奇心が異常に高く、勉強だけはできるんですが、コミュニケーション能力や、瞬発力や、行動の遅さ、給食の遅さ、会話力が低い。逆に言うと、子供特有な下品な言葉を使わないので、それだけは助かっています。

 運動も、登山などの持久力はあるんですが、他の運動になるとちょっと鈍い。逆立ちもできなければ、バク転もできない。球技もサッカーとドッチボール以外は苦手。スキーとスケートはかろうじてできていますが、嬬恋村では、誰もが3歳ぐらいから滑っているので自慢にならない。水泳に至っては、まだカナヅチです。足も誰よりも遅い。

 まぁ、このような結果になったのは、全て親の責任です。この結果は、ある程度予測していました。何しろ、宿屋の息子ということで、息子を育てるにあたって、いろいろな制約がありましたから。

 ちょっとかわいそうだなぁ・・・と思うような事はたくさんいました。

 私は、ファミリーのお客さんのお子さん達が散らかした積み木なんかでも、うちの息子に片付けさせています。一緒に遊んでいるからです。もちろん、息子が全く遊んでなくても、おもちゃが散らかっていたら片付けさせています。息子は、それに対して納得してないようで、
「どうして僕が散らかしてないのに、片付けなくければいけないんだ」
と、毎回泣きながら、おもちゃを片付けているんですが、あえて片付けさせています。なぜならば、宿屋の息子だからです。お客さんをもてなす立場だからです。

 泣きながら玩具を片付けているのを見ると、さすがにかわいそうだなぁと思うんですが、立場の違いというものを理解ないと、おもちゃや絵本をめぐって、どうしてもトラブルも起きてしまう。なので心を鬼にして片付けさせている。

 そのかわり、時々 、軽井沢おもちゃ王国に連れて行って、
「ここでは片付けなくていいよ、君はお客さんだからね」
と言って、さんざんおもちゃを散らかして帰ってきたこともありました。

 しかし、それも最近はしていません。軽井沢おもちゃ王国に行っても、使ったおもちゃをきちんと片付けて帰ってきてます。息子は不満そうに「よその人は片付けてないよ」と言ってくるのですが、あえてきちんと片付けて帰るようにしています。それが結果として、息子のためになると思えば、そうせざるを得ない。

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 なので息子は、5歳児らしくなかったり、年齢相応の下品な言葉を使えなかったり、年齢相応の暴力的な行動や、わがままが言えなかったりする。そういう環境下(宿屋)にいたわけですから、親としては、みていて辛かった。かわいそうだと思った。しかし、これはこれで仕方がない。そういうところで生まれてしまったわけですから。そうしてくれないと宿の集客に影響が出てくる。申し訳ないと思った。けれど、これが息子の将来にとって、良い結果をもたらすはずです。そう信じています。現に多くの御客様のお子さんと仲良くなっている。これが将来の財産になるはずです。今は苦しくても・・・。

つづく。

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2019年03月03日

豪華12大付録とか、豪華15大付録とかで、競っていた昔の児童雑誌

 私が子供の頃は、子供向けの雑誌がたくさんありました。小学館のベビーブックとか、めばえとか、幼稚園とかです。小学校に入ると小学1年生から6年生までの雑誌が各学年ごとにありました。ドラえもんは、私が小学3年生の時に、小学3年生という雑誌でデビューしたものです。当時は、その他にも月刊少年少女雑誌がいくつもあり、学校では、科学と学習と言う雑誌を取り扱っていました。そして、それらの雑誌には、大量の付録が付いていたのです。それはもう、各社が競うように付録が付いていて、本は限りなく分厚くなっていました。年末になると、豪華12大付録とか、豪華15大付録とか、付録の数を競うようになり、雑誌はてますます分厚くなっていったものです。

 もちろんそれらの雑誌すべてを買ってもらえる家などありませんが、そこは友達同士で見せ合いっこしていました。お父さんが出稼ぎに出ている農家の息子さん内では、お金に余裕があったようででいくらでも少年雑誌を買ってもらえてましたから、それを目当てに、よく遊びに行ったものです。

 昭和40年代は、出稼ぎ農家の方が、一般的なサラリーマンよりも裕福だった時代でもありました。お父さんが出稼ぎから帰ってくると、ものすごく高価なおもちゃを買ってもらっていました。そういう家庭のお子さんたちは、分厚い付録が大量に付いている、少年雑誌を片っ端から買ってもらえてた。それを恨めしそうに、サラリーマンの子供たちは眺めていた。

 付録といっても、当時は法律上の制限があって、紙以外のものを付録にすることができませんでしたから、付録はすべて紙製品です。紙を組み立てて貯金箱を作ったり、紙の東京タワーを作ったりしたものですが、紙でできているというのが、ミソなんですね。廃棄するのが非常に簡単なんです。

 実はうちの息子には、こういった幼児雑誌を買ってあげてなかった。うちの嫁さんは、物が増えるのを極端に嫌うので、息子が3歳くらいまで、一切買わなかった。私もまあいいかな・・・と、最初は思っていたんですが、何か心の中がもやもやする。そのモヤモヤが、最初のうちは、なんだかわからなかったんです。

 で、息子が4歳ぐらいになった頃、そのモヤモヤの原因がわかってきた。自分が小さい頃に、親から幼児雑誌を買ってもらった時に、すごく嬉しかったことを思い出してしまった。自分が子供の頃に、本当に嬉しかったことを、自分の息子に体験させてあげてない。それに気がついてしまったんです。

 で、息子に幼児雑誌を買ってあげて、その付録を親子で一緒に組み立ててみると、喜ぶこと喜ぶこと。 5歳ぐらいの子供だと、ものを作るという作業が大好きなんですね。それも、単なる紙から精巧なロボットが完成したりすることが衝撃的なようです。

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 その上、今は昔と違って、付録に紙以外のもの(例えばモーターなど)をつけることができるようになったために、とんでもない付録がついる。紙で出来た付録を組み立てて、それが回転寿司になったり、コインゲームになったり、エアーホッケーゲームになったり、クレーンゲームになったり、ボーリングゲームになったり、ガチャポンになったりする。これで夢中にならない幼稚園児がいるわけがありません。

 しかし、こんなに凄いのに、幼児雑誌が売れてる気配がないんですね。出ていれば、小学館の小学2年生から小学6年生まで廃刊になるわけがないからです。昔大量にあった、『冒険王』などの月刊少年雑誌もすべて廃刊になっていますから、やはり売れてる気配がない。

 逆に売れてるのは、進研ゼミの『こどもチャレンジ』のような通信教育。教育熱心な親が、子供に読ませたい通信教育。幼児の頭を良くすることに特化したような教材ばかりが売れています。そして既に完成された教育教材を幼児に渡すわけです。作るという作業のないもの。完成されたプラスチックの教育教材ばかり。

 どうやら紙で出来た付録で工作するという昔ながらのものは、時代遅れなんでしょうかね。


つづく。

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2019年02月28日

かこさとし(加古里子) からすのパン屋さん

 息子のやつは、テレビは見ないのですが、幼児用の学習雑誌や絵本ばかり読んでいました。特に絵本作家・加古里子の作品にでてくるキャラクターが大好きみたいで、図書館で毎回のように加古里子の本ばかり買ってきます。中でも『からすのパン屋さん』と『どろぼうがっこう』が、 1番のお気に入りのようで、幼稚園で3回。図書館で20回ぐらい借りています。

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 実は息子を寝かせるのは、私の役目で、私は息子が寝る前に2冊から3冊の絵本を読み聞かせるんですが、絵本の大半が、加古里子であり、それも何度も同じものを読まなければいけないので、内容の大半を覚えてしまいました。で、息子にとって加古里子のどこが面白いのか、非常に不思議です。というのも加古里子の本は、非常に昭和っぽいからです。それも昭和30年代ぽい。とてもじゃないけれど、おしゃれなメルヘンチックな本では無い。平成のお母さんが、これを好んで子供に読み聞かせをするとも思えない。そんな本を息子はこよなく愛するのです。

 加古里子という絵本作家は、絵も文章も書きます。絵は非常に緻密に書かれてあるのですが、やぼったく古臭い絵です。どうしてだろうと調べてみたら、この人は元々作家志望の人ではなく、単なる子供好きのおじさんで、昭和30年ごろに子供会などで自作の紙芝居を次々と発表し続けていた、物好きなオッサンでした。

 昭和30年頃といえば、まだ家庭にはテレビもない時代で、子供たちは空き地にやってくる紙芝居おじさんに群がり、飴玉の1個も買っては、紙芝居に群がる時代でもありました。この時代はまだまだ貧しい時代だったので、飴玉の5個も買えない子供たちは、唯一の娯楽である紙芝居を見ることもできませんでした。

 それを不憫に思った加古里子は、教育的な紙芝居を作って、公園で無料で紙芝居を行うんですが、子供たちは見向きもしなかったそうです。たとえ有料でも、プロの紙芝居おじさんの方が人気だったようです。

 おまけに当時の子供たちときたら、トンボがくれば、トンボのほうに行っちゃう。なので、加古里子の紙芝居は、いつも子供がいなくてガラガラだったそうです。有料の紙芝居の場合は、お金がかかっていたら、トンボが来ても紙芝居を見終わるまで動かなかったそうです。

 そこで加古里子は、子供たちに逃げられないような紙芝居を一生懸命に研究して発表しているだそうです。そのせいか、加古里子の絵本は、常に子供目線です。そのために『どろぼうがっこう』のように、ちょっと下品なところもありますが、その辺が、長年にわたって子供たちに支持されてきているところなのかもしれません。

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 ちなみに加古里子くらい大量の絵本を出版してる人を私は知りません。その数は500冊とも600冊とも言われていますけれど、子供会で発表した紙芝居なんかを含めれば、1,000冊以上は書いているはずですから、それも凄い話ですね。惜しむらくは、去年の5月にお亡くなりになったことです。息子が大好きな『からすのパン屋さん』のシリーズをもっと出してくれるとよかったんですけれどね。


つづく。

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2019年02月27日

小学校に入学を楽しみに待っている息子

 どこの家の息子さんも同じだと思いますが、 5歳ぐらいになると、親に対して気遣いをするようになります。うちの息子もご多分に漏れず、バレンタインチョコのお裾分けをしてきました。こうなると、非常に感慨深くなります。4歳くらいまでは、煩悩の塊でしたから、成長したなぁと言う嬉しい気持ちが半分なのと、その成長がちょっと寂しいなと言う気分も出てきました。

 考えてみれば、幼稚園を卒業するのは1ヶ月後。
 4月になれば小学生。
 ちょっと寂しいですね。
 小学生になれば、ますます休みを取りづらくなります。

 息子が生まれ3歳になったとき、保育園に入れるつもりでした。といっても、ずっと保育園に預けるつもりは毛頭なくて、半分以上は休ませて、山に連れて行ったり、いろいろな体験をさせるつもりでした。ところが、少子化のあおりを受けて保育園と幼稚園が合併してこども園となり、午前中は幼稚園。午後から預かり保育というシステムになってしまいました。つまり保育園に預けたつもりが、こども園という名の幼稚園に入ってしまったわけです。

 この辺あたりから計画が狂ってしまいました。こども園といっても、午前中は幼稚園なので、子供を休ませることが難しい。幼稚園は学校教育なので教育指導要領に基づいた教育システムがあるために、子供を休ませると先生からクレームが出てきます。また、全員ないと出来ないお遊戯などをやるために、できるだけ出席してくださいと言われてしまう。

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 話は変わりますが、私はあまり学校というものを重視していません。本人は行きたくなければ、学校なんかいかなくてもいいと思っている人間です。もちろん勉強は重要だと思ってますから、教育にも力が入りますが、それは別に学校でなくても良いと思っている。

 その考えは、 30年ぐらい前から常日頃から言っていたことなので、うちの嫁さんもよく知っています。なので息子が生まれたときに、嫁さんが不安に思ったらしくて、
『まだ学校に行かなくていい思ってる?』
と不安げに聞いてきました。もちろんその考えに変わりはありません。ただし、学校に行かせないというわけではありません。行きたくなければ無理に必要は無いと思っているだけで、息子が行きたければ行けばいいと思ってる。と答えたら、嫁さんのやつはちょっと安心したようでした。

 で、息子を幼稚園にするか、保育園にするか。という点においては、迷うことなく保育園でした。保育園なら遠慮なくじゃんじゃん休めると思ったからです。ところが、保育園が廃止になってこども園になってしまった結果、息子は幼稚園に通うようになってしまったのです。そして、休むことが非常に難しくなってしまった。

 その上、息子のやつは、幼稚園をいたく気に入ってしまった。午後からの預かり保育も息子のお気に入りです。近所のみんなが、幼稚園に行きたくないと駄々をこねる中、息子がニコニコと幼稚園バスに乗ってきます。友達に恵まれたのか、先生に恵まれたのか、それとも好奇心が強いためか、幼稚園が大好きなんです。 3日ぐらい休ませて、北アルプス縦走に連れて行ったり、佐渡島に連れて行ったりすると、
「明日は幼稚園に行きたい」
と言い出します。こうなると私も、行くなとは言えないので、早めに切り上げて北アルプスの縦走路から下山する羽目になります。

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 話わかりますが、嫁さんのやつは、私が大量の絵本を買ったり、息子の幼児教育雑誌を買ったりする姿を見て、私が常日頃から『無理して学校なんかに行かなくてい』と言っていたこと、矛盾しているように思っていたようです。

(関係ないですけれど、最近の幼児教育雑誌は、すごくレベルが高いです。付録に実際に動く回転寿司のおもちゃなんかがついている。もちろん、全部紙で出来ているのは、昔の雑誌と同じですが、レベルが異状に高い。大人が一緒に作らないと完成しないし、不器用な大人だったら確実に苦戦するレベルのものが付録になっている。そういうものを買って息子と一緒に作るんだけれど、この付録が増えていくと、嫁さんが嫌がるのです。)

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 嫁さんは、学校というシステムが好きなようなんですね。私は、過去の自分の体験からして、あまり学校に対して過度の期待を持っていません。嫌なら無理して学校に行かなくて良いと思ってる。しかし勉強しなくていいとも思っていません。むしろ逆です。知育・徳育・体育はとても大切だと思っている。無理して学校に行かなくて良いけれど、勉強はとても大切だと思っているから、絵本や幼児教育雑誌に金を惜しむつもりは毛頭無い。

 そんなわけなので、もし息子が小学校に入ったら、夫婦の間の価値観の違いで、意見が対立することが出てくるかもしれません。ただし、その可能性も低そうです。なぜならば、うちの息子は、幼稚園も保育園も大好きだし、小学校に入学するのも楽しみに待っているみたいですから。



つづく。

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posted by マネージャー at 20:28| Comment(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月16日

5歳児の子供の私有財産

 子供も5歳ぐらいになると、人にプレゼントをあげたい。子連れのお客さんがやってきたら、その子供たちに何かプレゼントしたいと息子は思うようになってきたようです。

 しかし 5歳児の子供に私有財産はありません。お小遣いも持ってないし、あったとしても家の周りにお店なんかありませんから、物を買うということができませんので、お金を所有するということ自体にあまり意味がありません。そもそもうちは宿なので、現金で買い物をすることがほとんどありません。業者を通して仕入れるか、カードで買い物するかのどちらかなので、息子にしてみたら現金の使い方を見る機会もありません。

 もちろん、おもちゃとか絵本とかdvdとかが宿には大量にありますけれど、宿に泊まりになるお客様のための備品に過ぎません。息子の私物では無いのです。この辺ははっきりと所有権の区別をしていますし、そうしないと絵本やおもちゃをめぐって争奪戦が起きてしまうからです。あくまでもお客様のものであって、息子のものでは無い。ただしお客様が使ってないときには、使ってもいいよ。と、かなり小さい頃からしつけてきていますから、自分の所有物でないことが理解できています。

 つまり5歳の息子には、私有財産がほとんどなかったわけです。
 そして、ここが大事なところなんですが、
 それを1番よく理解していたのが5歳の息子であり、
 1番よくわかってなかったのがその親だったんです。

 まず息子は、自分の私有財産が驚くほど少ないことに気がついた後、おやつを少しずつ宝箱か何かに貯蔵することを始めました。いろいろな人たちからもらったプレゼントも、レストランのお子様セットに付いていたおもちゃも、封を開けずにしまいこむようになりました。そして同じ歳位の子連れのお客様がやってくると、密かにプレゼントをあげたりするようになってきたのです。

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 しかし、そのプレゼントの渡し方に問題がありました。最初は一人一人、面と向かって渡していたのですが、こっそりお客さんの部屋に忍び込んで枕元にプレゼントを置いてくるようになったのです。お客さんにしたら不気味でしょうがなかったいます。
「なんでそんな事するんだ?」
と不思議に思って本人に聞いてみたら、サンタクロースがそうしている。と答えるではないですか。なるほどと感心し、それならばプレゼンだったとわかるように、ラッピングしなきゃダメだと、 100円ショップで綺麗なラッピングの袋を買ってきて、ラッピングの仕方を教えました。そして手紙を入れなきゃダメだよと、手紙の書き方も教えました。

 そして去年の12月のクリスマスの頃。雪遊びを目的に小さなお子さん連れのお客さんが大勢泊まりに来ます。息子は、張り切って、たくさんのクリスマスプレゼントを作り、それをラッピングして、何やら手紙を書いて、お客さんの部屋のベットに配っていました。

 ああ、何か微笑ましい光景だな・・・

と親の私はのんきに眺めていたんですが、なんとなく嫌な予感がしたので、息子のラッピングしたプレゼントの中身を覗いてみましたら、御菓子の他に、使いかけの鉛筆や消しゴム、使いかけのシャボン玉セット、JAFの雑誌についているすき家の割引券みたいなものが詰め込まれていました。

 あちゃー

 これは親の私が悪かったと思いました。プレゼント袋に入ってたものは、 5歳になる息子の私有財産しか入ってなかったのです。息子の私有財産といえば、食べずに少しずつ貯めてきたおやつとか、子供会でもらった景品とか、日常で使っている4bの鉛筆とか、使い古された消しゴムやクレヨンくらいしかなかったからです。私は息子を呼び出して、
「プレゼントをあげる時は、使いかけのものをあげてはだめだよ」
と、一緒にプレゼント用のおやつを買いにいきました。

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 そして、中身を全部交換して、親子で一緒にラッピングして、もう一回プレゼントを配り直したのです。しかし、なんとなく嫌な予感が、また込み上げてきたので、一応念のためにこっそり中身確認してみたら、「サンタクロースより」と言う手紙が入っていました。もちろん5歳児が書いた字ですから、へたくそな字です。バレバレなので、お客さんのお子さんは、
「これ、タケルくんからのプレゼント?」
と聞いてきますが息子は
「ちがうよ。サンタさんからだよ」
と答えます。

 あれ? 息子はサンタさんの真実を知ってるのかな?と思ったんですが、そんな息子も窓ガラスに『サンタさんへ、くまのぬいぐるみをください。』サンタさんへの手紙を貼り付けていました。やっぱり息子はサンタさんの真実を知らないのか?それとも知っててやってるのかな?どっちなんだろう?と、訳が分からなくなってきました。

 それはともかく、そろそろ息子にも私有財産を与えないといけない時期がきているのかもしれません。



つづく。

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posted by マネージャー at 21:30| Comment(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月15日

幼稚園の先生「好きな人5人ずつチームを作って」 → 必ずあぶれてしまう子

 私は、昔から無愛想で有名な人間です。宿をオープンした時などは、あまりにも無愛想であったために、それがお客さんの間では有名になり、口コミで広がって、その結果、どんなマネージャーなんだろうと、好奇心が強いお客さんが増えたくらいです。もちろん観光関係者の間でも無愛想で通していました。そうしないと仕事が増えてしまう。なるべく余計な仕事はしたくない。しかし、いくら無愛想にしていても、いつの間にか顔が広がって仕事も増えてきます。いろいろな仕事を仰せつかってしまう。

 話は変わりますが、子供が生まれて、その息子が幼稚園に行くようになると、村人と一挙に距離が縮まります。目立たないように息を殺して生活していても、息子の父親であることがすぐに分かってしまう。原因は幼稚園(保育園)が指定する帽子にあります。学年別に色分けされた帽子を必ず被らされるからです。そんな息子をこども園まで迎えに行って、帰り際に買い出しなんかしようものなら、
「息子の同級生の父親がいる」
「娘の同級生の父親がいる」
とばれてしまいます。つまり学年別に色分けされた幼稚園が指定する帽子というのは、個人情報そのものなんですね。ガソリンスタンドにガソリンを入れるだけで、いつも無愛想な職員が、気さくに話しかけてくる。変だなと思っていたら、息子の同級生の関係者でした。幼稚園が指定する帽子を息子がかぶっていたために、私と息子の正体がばれてしまったわけです。

 こっちが村人に関わらない様に気配を消してひっそりと生きていても、どうしても息子の父親であることがばれてしまう。ばれてしまえば、いろんな情報が入ってくる。で、入ってきた情報に驚愕する。

 嬬恋村の子供たちの双子率が、いとこ率が、親戚率が、異常に高い。そうでなかったとしても、おばあちゃん同士が親友とか、何らかの遠縁関係の同級生たちがうじゃうじゃといる。そのうえ親どうしが同級生とか、先輩後輩とか、近所同士とか、もう無茶苦茶。つまり、息子の同級生たちの多くは、生まれてすぐに大勢の顔見知りの中にいたということなんです。なので、近所同士で遊ぶという事はあまりなくて、いとこが祖父母の元に集まって遊ぶとか、何らかの親戚のところに集まるといったことが起きてくる。この辺が東京などの都会と全く違うんです。みんな顔見知りで、どこかで繋がっている。繋がりの中で生きているので、生まれて直ぐに地域のネットワークの中に溶け込んでいる。

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 しかし、よくよく考えてみたら、私もそうでした。私は佐渡島という離島出身ですが、やはり子供の頃、同じクラスに親戚が2人ほどいました。これは、田舎「あるある」なんですよね。田舎じゃよくある。で、自分の体験からしたら、非常に嫌なことなので、かわいそうだなぁと思っていたんです。同じクラスに親戚がいるのは、親としては気にならないかもしれないけれど、子供としては嫌だった。体験者としては非常に嫌悪。その点、息子は、どこにも親戚がいない。完全無欠のよそ者ですから、気が楽でよかったなあ〜めでたしめでたしと思っていました。

 逆に言えば、息子は、ものすごい濃密に仲良くなれる友達ができにくいといえば出来にくい。0歳児の頃から一緒に遊んでいる従兄弟同士とか、仲良し老人の孫同士と比べたら入園の段階でハンデがある。多くの田舎の幼児たちが、入園前から友達だったのにたいして、息子はそうではなかったからです。

 逆に言うと、息子は、誰とでも仲良くなれるスキルを身につけてしまっている。軽井沢でも、高崎でも、前橋でも、公園で遊ばせると見知らぬ子供とすぐに仲良くなる。で、どんなに仲良くなってもアッサリさよならできる。息子にとって一期一会は日常にさえなってる。ところが、嬬恋村の特に女の子の親友同士は、三歳にして帰宅時間に涙を浮かべながら別れを惜しんでいる。息子には、全く、そういうところはない。

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 話は変わりますが、先日、幼稚園でソリ滑り大会がありました。家族が参加しないとダメなので私が息子を連れてパルコールスキー場に行ってきました。そこでソリ滑り競争のチーム分けするために、幼稚園の先生がこんな一言いました。

「好きな人5人ずつチームを作ってください」

 こういう風に言われると、
 必ずあぶれてしまうのが息子である・・・
 と、私は嫁さんから聞かされていました。

 みんなそれぞれに特定な親友がいる訳ですから、好きな子を探して五人のチームを作るわけです。息子は必ずあぶれてしまう。去年もそうだったし一昨年もそうだった・・・と嫁さんは心配していました。それを見てるのが辛かったせいか、今年は私に「ソリ大会に行ってくれ」と言ってきたんですよね。そして、いよいよ
「好きな人5人ずつチームを作ってください」
という先生の指示があったのです。

 さて今年はどうなんだろうと、
 じっと見ていたら、
 多くの幼児たちが友達を探しているのに対して、
 息子のやつは、次々とできあがってくるグループの数を数えてばかり。
 そして4人しか集まらなかったところに、ちゃっかり入ってしまいました。
 おもわず

「それでいいんかい?」

というツッコみを入れたくなりましたが黙っていました。

 自宅に帰ると嫁さんが家の中から出てきて、今年はグループの中に入れた?と、こっそり聞いてきたので、真相を話したら嫁さんは大爆笑していました。


つづく。

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2019年02月14日

五歳児のバレンタインデー

 子供を幼稚園に通わせている親御さんなら、理解していただけるかと思いますが、朝が大変です。忘れ物がないように、ハンカチ・ティッシュ・濡れタオル・歯ブラシといったものを持たせたりしなければならないからです。で、ある日、息子の幼稚園バックの中を整理していたら何やら見慣れないポケットティッシュが入っていました。かなりオシャレなポケットティッシュで、明らかに我が家の財布で買ったものではありません。

「タケちゃん、このポケットティッシュどうしたの? 」

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 今日はバレンタインデー ですけれど、今時の幼児は、まだたったの5歳だというのに、好きだのなんだのと言って、女の子がプレゼントを渡してするんですね。もちろん5歳児に恋愛感情なんかあるわけありませんから、 1種の遊びなんでしょうけれど。ちなみに嬬恋村は、広大な面積に子供たちがポツンポツンと点在しているために、隣近所で一緒に遊ぶということもありません。

 幼稚園から帰ったら、自宅でポツンと1人で遊ぶしかないのです。つまり同級生と出会えるのは、幼稚園の中だけです。好きな子に告白するのもプレゼントを渡すのも、幼稚園でしかチャンスありません。しかし、この幼稚園と言う場所が、渡すべきプレゼントの足かせになってしまいます。幼稚園に私物を持っていくことができないからです。

 しかし、成長の早い女の子たちには、男の子には及びもつかない知恵がありました。おしゃれなポケットティッシュです。これなら堂々と幼稚園に持っていけます。
「タケルくん大好きだからこれあげる」
もちろん息子も、ものをあげるもの大好きなので、プレゼントのお返しをします。

 しかし、これがまた、全くセンスがないんですよ。

 男の子と女の子の違いというか、そもそもうちの息子に、人にあげて良い息子の所有物があるわけでもなく、プレゼントを買いに行こうにも半径2キロ以内に店舗が全くないところに住んでいる訳ですから、ものを買う体験さえしたことがありません。なので、自宅に帰ったらJAFが発行している雑誌に付いている吉野家の割引券をハサミで切ってそれをお返しに上げているらしいのです。
「相手は喜んだの?」
と聞いてみたら、全く喜んでないらしい。

 どうやら嬬恋村の父兄のみなさんは、育ちが良いらしく、吉野家の牛丼をおいしく食べる人種では無いようで、それだけに割引チケットを貰った女の子たちもさぞかし困った顔をしただろうと思うと、笑いがこみ上げてきて、腹筋が崩壊してしょうがなかったです。

 仕方がないので、息子と一緒に100円ショップに行き、首からかけるタイプの財布を買ってあげました。そしてその中におばあちゃんからもらったお年玉を入れてあげて、買い物の練習をさせました。もちろん、女の子にプレゼントできるようなポケットティッシュを買いにです。で、準備が終わった昨日の2月13日。息子は、インフルエンザにかかってしまいました。これで1週間、幼稚園のお友達とは会うことができません。もちろん、うちの宿も1週間の閉鎖です。お客さんに理由を言って、キャンセルしてもらいました。今一生懸命、館内の消毒をしています。


つづく。

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2018年12月28日

北軽井沢は雪です【粉雪・積雪3pから5pぐらい】

北軽井沢は雪です。粉雪で、積雪3pから5pぐらいです。
危険なのでスタットレスタイヤか、チェーンを持参してきてください。
特に、日没以降は危険です。
なので、日のあるうちに到着するようにお願いします。

また、温泉ツアーは、1130ホテル側が入れてくれないので、
年末年始は行なっていません。
他の温泉に自力で行かれる方は、割引券をお渡ししていますので、問い合わせてください。
おもちゃ王国の割引券もご用意しております。





つづく。

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2018年12月20日

息子の七五三

息子の名前は、倭健(やまとたける)からとっています。
なので、七五三は、倭健(やまとたける)を祭神とする
碓氷峠の熊野神社にお参りしてきました。

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お参りの後は、宮司さんが経営している、しげのやで力餅を食べます。

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これが名物の力餅。
甘くなくて美味しいです。
碓氷峠の名物です。
ぜひ一度食べてみてください。

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これは、あん入りミルク。

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息子はペロリと力餅を平らげました。
力餅は、500円。

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その後、自宅そばの牧の宮神社でお参り。
土地神様にも御挨拶。

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つづく。

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2018年04月26日

何も教えてないのに勝手にルールブックを読んで将棋を覚えようとする五歳児

 はやいもので息子も5歳1ヶ月となり、年長組です。
 来年には、小学生です。
 5歳ともなると、ある日、突然、何かが出来るようになりますから驚きます。

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 今年は、雪が少なかったために息子を連れて雪山に登ることが、ほとんどできなかったためと、消防法の改定のために自力で警報装置などの装着工事を行なうために忙しすぎて、冬の間の4ヶ月間、息子に運動させることができませんでした。冬の間の4ヶ月間、ほぼインドア生活をさせてしまったわけです。

 これには、さすがに息子の体力が落ちただろうと予測していたのですが、4月になって雪が溶けたので山に連れて行ってみたら、全く体力が衰えてないんです。むしろ以前より体力があるんですよ。変だなあ?と思いつつ、五歳児検診をうけると、体重は変わらないのに身長が4ヶ月で5センチも伸びていました。インドア生活していたのに5センチ伸びてるんです。そのうえ体力が全く衰えてないんです。

 また、背丈ほどある鉄棒に飛び乗り、前回りが出来るようになったのには、本当に驚きました。教えても無いのに、ある日、突然、できるようになったんです。さかんに運動させていた時には、出来なかったのに、雪で全く運動できなかった4ヶ月の間に、次々といろんな事が出来るようになった。しかも身長が劇的に伸びて成長曲線にぴったりハマるようになってきた。これは、どういうことなんでしょうか? 幼児には、運動させないで放置しておく期間が、ある程度は必要なんでしょうか? このへんは、専門家の意見を聞いてみたいところです。

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 運動だけではありません。頭脳の発達も著しいようです。音楽ビデオを見たり聴いたりするときは、歌詞カードを読むようになってきたし、誰も教えてないのにお客さんと将棋をやりはじめています。もちろん、ルールなんか分からないので、子供用将棋板に付属しているルールブックを読みながら指している。誰かに教えてもらっているのでは無く、自分で取説を読みながら、自分で将棋のルールを研究している。

 雪が降る前には、私が、もっと簡単な別のゲームを教えようとしたんですが、こっちが教えようとすると反発して覚えなかった。なのに、ちょっと忙しくて息子を放置していたら、勝手にルールブックを読んで、自力で将棋を覚えてお客さんとやろうとしている。

「さすが五歳児ともなると凄いなあ」

と感心したわけですが、よくよく観察してみると・・・ちょっと違っている。息子は、将棋に興味があるのでは無くて、お客さんの関心を買おうとしているのに気づいたからです。最近、お客さんが少なかったので、相手してくれるお客さんに、好意をもってもらいたいために将棋を覚えようとしていたみたいなんです。お客さんがいると分かると、本当に嬉しそうなんです。そして、一緒に遊べないかなあと言っている。そしてお客さんが、将棋をやろうとすると、それにあわせて覚えようとするんです。5歳になったばかりなのに。

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 将棋だけじゃありません。子供雑誌の付録についている腕時計(紙製品)の工作を一生懸命につくっているなあと思っていたら、その完成品をお客さんにプレゼントしていました。親にも触らせないものをお客さんにプレゼントする。これは知能が発達したというより、他人に好意を寄せるようになった。他人のために何かをしてあげたいと思うようになった。それが、自力で将棋のルールを覚えようとする行為に繋がったみたいなんですよね。

 五歳児ともなると、他人に対しての接し方が、今までよりも分かってきたんでしょうね。思いやりの心が育ってきて、それが結果として、五歳児の知能を高めることに繋がったんだと思います。

 なぜならば、ここ数ヶ月間、親の私は、消防施設工事と、その関連の資格習得などの勉強で、息子に対して放置気味だったんです。なにもしてやれなかった。しかし、結果として、それが息子の心と知能の成長に繋がっているわけですから、あえて息子を放置する期間というものもあってよいかもしれません。

 急激に5センチも身長が伸びたという結果を考えてみると、運動させない期間というのもあってもよいのかもしれない。親が手出ししない放置の期間というものも、あってもよいかもしれません。その間にも、自然と体力はついているし、知能も、思いやりの心も育っているみたいですから。


つづく。

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2017年12月15日

四歳児を連れて槍ヶ岳に登ってきた その2

 日没後、私は外に出ました。風は相変わらずでしたが満天の星空。このぶんなら明日の早朝は、すばらしい御来光がおがめそうでした。しかし、山小屋に戻ったら外国人の団体と一緒の部屋にされてしまって、その外国人たちがうるさいうるさい。

 マナーを守らないことで定評のある国の若い団体さんたちと一緒にされるということは、「どうせ子連れ客の幼児(四歳)もマナーを守れんだろう」という偏見が、山小屋側あったのかなと疑いました。というのも他の日本人客の部屋は、ガラガラに空いていたからです。

 そもそも私たちは最初から隔離されるように、部屋を個室のように使っていました。後から次々とチェックインしてくる人たちは、他の部屋に行く。隔離感がはんぱなかった。

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 うちの息子は、どの山小屋に行っても、誰からも絶賛されるほどマナーがよい。絶対に騒がないので驚かれる。これは息子自慢ではなく、そういうお子さんは多いのではないかと思います。自力で三千メートル級の山に登る幼児ならば、そういう躾はできてると思う。

 ところが、うるさかった外国人の団体たちは、九時前には就寝。で、私たちが寝ている部屋はどの部屋よりも静かになってしまった。

「あれ? この部屋、あたりかも!」

 外国人の若い団体たちは、いびきをかかなかった。
 彼らの年齢は若かった。

 しかし、日本人の登山客は高齢者が多くて、いびきでうるさい。
 宿屋である私たちが山小屋利用するのは必ず平日なので、若い人たちなんかいやしない。
 九割が高齢者で酒飲み。
 だから必ずいびきの大合唱になる。

 山小屋は、二十人くらいの相部屋が多いので、その中には、五人くらいの睡眠時無呼吸症候群の人がいる。ましてや空気の薄い三千メートル級の山なら確実に症状が出る。おまけに彼らは山小屋で酒を飲んで寝る習慣があるので、よけいにいびきがうるさい。

 しかし、若い人にはそれがないのです。
 若者でいびきをかく人は少ない。

 私が、十七年前にユースホステルを開業した頃は、若い人たちばかりでした。なので相部屋スタイルのユースホステルでも何の問題もなかった。しかし、団塊の世代が定年退職しだした2006年以降は、急に中高年のユースホステル利用が増え出して、いびきの苦情が若い人たちから出始めてきた。そこで2006年以降は、耳栓を格安で販売するなどの対応をしたり、予約のアンケートでいびきをかくかどうかを教えてもらい、いびきをかく人の部屋を一般人と区別隔離したりした。それでも中々いびき問題は解決しないでいた。

 そのうち若い人たちが個室予約するようになり、いびき問題はユースホステルから自然消滅したわけですが、個室のない山小屋には、いびき問題がいまだに残っていた。そして、これだけは仕方が無いと私も諦めていたのです。

 ところが外国の団体さんは、多少マナーが悪いといえど、二十歳前後の人たちばかりですから、いびきはかきません。夜九時の消灯時間を過ぎたら、爆睡して無音の状態になる。私たちの相部屋は、どの部屋より静かで寝やすくなっている。ああ、この部屋割りは山小屋側の親切だったんだなと思うことにしました。

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 翌朝、さわやかな目覚め。

 そして朝食。またもや山小屋スタッフさんから御菓子をもらう息子は、とても嬉しそうでハイテンションでした。朝食を食べ終わると見事な御来光が登りました。私たち親子は、しばし朝日を眺めながら、うっとりです。

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「頂上だけれど、どうする?」
「風が強いなあ、四歳が登れる状態かどうか偵察に行ってくる。それまでパッキング(かたづけ)の準備していてくれる?」
「わかった」

 で、10分ばかりかけて、大急ぎで偵察に山頂まで登ってみたけれど、やはり強風。風速二十メートル近くもあります。この強風さえなければ、時間さえかければ四歳児でも登れるんですが、風が強すぎて息がしにくい。おまけに、低気圧が近づいており、明日は雨。もし、ここで無理して息子と登ってしまったら今日は確実に下山中に山小屋泊まり。そして明日は雨の中を何時間も歩かなければならない。


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 駄目だ、撤退しよう。

 撤退して今日中に上高地まで行って自宅に帰ってしまおう。今日中に帰ってしまえば、明日の幼稚園行事『芋掘り』に間に合う。息子が楽しみにしていたけれど、欠席させる予定だった行事に間に合う。ただし、そのためには、十二時間のコースタイムを歩かなければならない。しかも、終バスは十七時で時間制限がある。少なくとも十二時間で上高地に到着していなければならない。

 どうするべきか?

 槍ヶ岳の山頂で一分間迷ったあげく、少々無謀だけれど上高地までの下山を決意しました。息子の体力はわかっている。奴は想像以上にパワフルだ。登山中も槍ヶ岳山頂小屋付近では走って登っていた。私や嫁さんよりも元気だった。十二時間くらいの山道なら歩けるはずだ。

 それに万が一、終バスに乗り遅れたらタクシーがある。そのタクシーも十九時に釜トンネルが封鎖されるので、それ以降は使えないけれど、その時は一時間よぶんに歩いて釜トンネル前まで行ってからタクシーを呼べば良い。それなら勝機はある。そう判断しました。

 そして下山を決意したのです。

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 案の定、息子はハイテンションで下山。
 しかも下山ルートの紅葉は、逆光気味で美しい。

 ここを十二時間で降りるのはもったいなすぎるけれど、明日の天候を考えると仕方が無い。十月中旬ということを考えると下手したら雪の可能性もあるから、のんびりもしてられない。

 こういう親の気持ちは、子供にも感染するらしく、息子の足も速くなります。そして調子にのった息子は、途中、崖から滑落しかかかりました。私は、危ない! と絶叫しましたが、その時、奇跡がおきました。息子は自ら側転して身を守り怪我一つしなかったのです。

 私は息子に、前転、バク転、側転、逆上がり、逆立ち、受け身も教えていることはいるんですが、息子は一度も成功したことがありません。だから私は、息子の運動神経の無さに時々、絶望していたんですが、イザという時に側転を成功させて自分の身を守りました。この時ばかりは、教えておいてよかったと思いました。

 芸は身を助けると言いますが、身のこなしに関することは、たとえできなくても根気強く教え続ければ、それが役に立つ時がくるんですね。だから今後も教え続けることにします。

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 四時間かけて十一時に槍沢ロッジに到着。
 コースタイムどおりです。
 上高地まであと、五時間弱の距離。

 休憩一時間を含めても終バスまで六時間あります。なので昼御飯をとりました。息子は嬉しそうに、ビスケット・ソーセージ・サラミなどをほおばります。そして、あと五時間ほど歩いて上高地に十六時三十分に到着。これほどのハードスケジュールは、二十代の若者がメインの山岳会でも『風のたより』でもやったことがありません。それにもかかわらず、楽しそうに登山していた息子は大したものです。

 これは、うちの息子が凄いと言うより、幼児にはそれだけの潜在能力があるということでしょう。きちんと訓練し、疲れないように工夫し、装備と準備を万全にし、楽しいと思わせながら科学的に登山させれば、決して無謀なことではないと思います。

 また登山を行うと、NK細胞が増加して免疫力をあげてると言われています。厚生労働省のホームページに書いてあります。また登山によって足の筋肉を発達させると病気に対する抵抗力も増やします。筋肉は免疫力を上げて『がん』まで撃退してくれます。

 最新の研究で筋肉の健康効果が次々と明らかになっています。 筋肉から生まれる「グルタミン」という物質は、人間の免疫力の源である「リンパ球」を増やす事が分っています。これによって人間の免疫力が高まり、がん細胞をやっつけたり様々な病気になりにくくなります。

 なので息子は病気をしません。インフルエンザをうつされても一晩寝るだけで治ってしまいます。親は一週間も寝込むのにです。


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 話を戻します。

 槍沢ロッジから、横尾まで二時間。そして、横尾・徳沢園・明神と、徒歩一時間おきに山小屋があります。つまり一時間おきに山小屋で休みながら飲み食いするわけですから息子も大喜び。先を急ぎたいのは山々でしたが、息子を喜ばせることも忘れてはいけないので、山小屋で、ふだんできない贅沢もさせなければなりません。

 十六時三十分。上高地バスターミナルに到着。なんとか終バスに間に合いました。けれど、疲れたので私が
「タクシーで帰らない?」
と提案するも嫁さんは却下です。お金がもったいないと言います。もったいないも糞も三人分の差額は、たったの八百円なんですが、うちの嫁さんは、節約家なので露骨に嫌な顔をします。仕方が無いのでバスに乗ることにしました。

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 上高地からバスで沢渡の駐車場に到着。あとは北軽井沢に帰るだけでしたが、せっかくなので松本の日帰り温泉に立ち寄りました。息子は疲れ知らずで、温泉で大喜び。非日常を大いに楽しんでいました。そして回転寿司で久しぶりの魚を食べて帰宅。翌日は、幼稚園の芋掘りイベントに参加して、息子は大量のサツマイモを収穫してきました。

 子供園(幼稚園)を三日間もお休みしていたので、園の先生が、「どこに行ってきたの?」と聞いたらしいのですが、息子は「温泉に行ってきた」と答えたらしく、園の先生方は
「温泉に行ってきたんですねえ」
と私に言ってきました。私自身も「はあ」と曖昧に返事をしてしまいました。今さら槍ヶ岳といっても山を知らない人には「?」ということでしょうし、いちいち説明するのもかったるいので温泉に行ってきたということにしておこうかと。

 ようするに息子にとっては、槍ヶ岳よりも、温泉の方が印象深かったし楽しかったんでしょう。そして、よくよく考え見たら私も、そうたったかもしれないと思い返しました。登山後の温泉と寿司とビール。これが一番最高だったかもしれません。


つづく。

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2017年10月20日

四歳児を連れて槍ヶ岳に登ってきた その1

 久しぶりにブログを更新します。 十月に入ってから、雨ばかり降っていて憂鬱になってしまいますね。今年は、宿を大胆に休館して息子連れて登山ばかりする予定だったのですが、雨ばかりで大幅に予定が狂ってしまいました。今日も雨が降っていますが、気分直しに、 十日前に登った槍ヶ岳の話でもしようかと思います。

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 十日前といえば、ちょうど十月の連休があった時ですが、珍しく晴天に恵まれた連休でした。お客様が出発したあと、大急ぎで部屋掃除をして、十一時頃に、上高地に向かいました。連休最終日と言うこともあって道路が混雑しており、上高地に到着したのは十五時三十分でした。日没まで二時間を切っていたのです。

 四歳児を連れて上高地から槍ヶ岳に登る方法は、一種類しかありません。
 上高地・・明神池・・徳沢・・横尾・・槍沢ロッジ・・槍ヶ岳山荘のコースです。
 大人が普通に歩けば 往復二十四時間。
 やや健脚向きのコースで三泊四日のコースです。
 予備日を入れれば四泊五日でしょう。
 なので幼稚園にも一週間のお休みの電話をしました。
 息子が楽しみにしていた幼稚園行事もお休みです。
 宿屋も月曜日から金曜日まで休館にしてしまいました。

 上高地に到着したのが十五時過ぎ三十分。普通なら上高地で宿泊です。山小屋は、一般の宿と違って、チェックインの締め切りが早いのです。十七時を過ぎてチェックインしようものなら怒られます。山小屋によっては怒鳴られることもあります。

(もっとも現在ではそういうことも少なくなっているかもしれませんが、昔は「山をなめるな」と怒られていました)

 なので普通なら上高地で宿泊なのですが、天気予報を見ると、 三日後に雨が降る予報。急がないわけにはいかなかった。なにしろこっちは四歳の子供連れです。岩場の多い槍ヶ岳のルートを四歳児に歩かせるわけにはいかない。岩が濡れると非常に危険なのです。

 さらに低気圧が近づくと、空気が薄くなって高度障害(高山病みたいなもの)がおこりやすくなります。 四歳児にそれが起きると、それが原因で他の病気を併発することもあります。それらを考えると、少しでも先に進みたかった。なので、 三時間かけて横尾山荘まで歩くことにしました。

 もちろん山小屋の御主人に「非常識すぎる」と怒鳴られないように観光協会を通して予約を入れようとしたんですが、観光協会は「熊が出るから」と受け付けません。夜間に登山道を歩く行為は危険なので、私だってお客さんにお勧めしません。しかたがないのでパンフレットだけもらって、歩きながら自分で交渉をすることにしました。

「もしもし、横尾山荘ですか? 今日泊まりたいんですけど」
「今どちらですか?」
「明神の手前です」

 この答えは正確ではありません。
 まだ上高地にいたからです。
 でも上高地だって、明神の手前です。 四キロほど手前。
 そういう屁理屈で、相手をだまして予約の電話をいれました。

「明神からだと、到着時刻には真っ暗になりますけれどヘッドランプを持っていますか? 」
「もちろん持っています」
「何名様ですか? 」
「大人二人と子供が一人です」
「お子さんは何歳ですか?」
「年中組です」

 四歳と答えると、宿泊を断られる可能性があったので、あえて年中組と答えたんですが、それでも幼児連れとあって電話の相手は急に渋り出しました。

「明神で宿泊されたらどうですか?」
「どうしても今日中に横尾山荘まで行きたいんですよね」
「うちに泊まったことありますか? 山小屋ですよ」
「もちろん何度も泊まったことあります。何十回も止まっています。息子も山小屋に何度も泊まったことがありますので大丈夫です」
「でも幼児ですよね」
「三歳の頃から自分の足で三千メートル級の山に登っていますので素人ではありません。御心配をおかけすることはないと思います」
「・・・・」

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 こうして粘り強く交渉した結果、なんとか宿泊予約が取れたのですが、冷や汗ものでした。もし上高地から電話していることがバレたら確実に断られていたでしょう。だから「明神の手前」と嘘も方便をつかったわけです。

 ちなみに一般的な山小屋は十七時に夕食です。
 そして二十時頃に消灯となります。

 しかし横尾山荘は、十九時までに食事を取ればいいと言ってくれる。ずいぶんのんびりしてるなぁと思ったのですが、その理由が後で分かりました。私たちと同じように遅く到着する旅行会社の登山パーティーの予約が入っていたからです。関西からバスに乗って上高地に来る登山系旅行会社(◆◆旅行社)の団体さんが、私たち親子の前を歩いていたからです。

「うわー、ガイド付きとはいえ、これはありえんわ」

と、自分たちのことは棚に上げて呆れながら後をついていきました。歩く速度も速くて、駆け足に近い速度です。もちろん私たち親子も、ほぼ駆け足に近い速度で歩かないと、日没となって危険になるので急ぎ足です。途中、団体さんを追い抜いて、横尾山荘に到着したのが十八時前。辺りは真っ暗でした。

 横尾山荘の御主人は、非常に優しい方で、ベットは添い寝・食事は取り分けにしてくれました。おかげで安く泊まれました。この山小屋は、幼児連れに対するサービスが良く、風呂も豪華でした。日本一豪華な風呂がある山小屋だと思います。

http://www.yokoo-sanso.co.jp/
http://www.yokoo-sanso.co.jp/information

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息子は久しぶりの山小屋泊に大喜びで、はしゃぎまくっていましたが、なんとか他人に御迷惑をかけずにすみました。ここで息子は山小屋式トイレを経験し、大きなウンチを排泄。消灯は二十一時。朝食は五時の山小屋式タイムスケジュールも体験します。

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 翌朝、私たちは槍ヶ岳を目指しました。四歳児連れの槍ヶ岳方面の出発は、かなり目立ったようで、大勢の登山客が息子を応援してくれます。息子の方も調子に乗って、先頭を歩きたがります。そして槍ヶ岳から降りてくるお客さんを見つけると大きな声で
「こんにちわ!」
と挨拶をします。するとお客さんから

「すごいなぁ」
「何歳かな?」
「がんばれよ」

と応援してくれるので、それが非常に嬉しかったようです。私が息子を追い抜いて先頭に出ようとしようものなら、烈火のごとく怒り出して、ブロックしてきます。自分が先頭を歩かないと気が済まないようです。そして、大勢の登山客に挨拶します。

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 と、このように書くと、うちの息子はさぞかし運動神経が良いだろうと思われがちですが、そういうわけではありません。運動会のかけっこでは、いつもビリです。 十メートルくらいは普通にはなされてしまいます。キャッチボールも五メートルまでで、それ以上の距離が離れるとボールが届きません。バク転も、逆立ちも、逆上がりも、教えてはいるのですが、まだ無理です。 三月生まれのハンデを考慮したとしても、決して運動神経が良いとは言えません。

 要するに息子の運動能力は登山に特化したものなんです。

 かけっこが遅い理由も、登山に特化したためです。私は何度も、山道を走る息子を叱っています。登山道を走ると大怪我するからです。そのために息子は、いつも五割の力でしか走らなくなりました。唯一の例外が浅間牧場で、一面芝生だらけなので、浅間牧場では全力疾走を許しているので、この場所だけでは親よりも速く走ります。けれど、他の登山道では走ると私に怒られるので、ゆっくりとしか走らなくなりました。なので、幼稚園でかけっこをすれば、必ずビリです。

 また、登山という世界は、楽しみながら歩くのがメインですから、競争するという考えもありません。私たちの登山スタイルは、疲れたら休む。そしておやつを食べる。だから息を切らして山に登ることはないんです。

 そもそも四歳児の幼児が息を切らしてまで登山道上ることなんてありません。もちろん親の私は重い荷物を背負っているので、ハァハァーゼーゼー言いながら登りますけれど、息子は息を切らしてまで登りません。疲れたら
「疲れた」
と言って立ち止まります。

 だから、息子が疲れないように、長年培ったテクニックを使います。アミノバイタルゼリーやアミノ酸系ドリンクを飲ませるんです。そうすると疲れないし、水分もとれます。案内表示ごとに写真を撮ったり、おやつを食べたりしてやる気を出させます。

 パブロフの条件反射のように「山を歩くイコールおやつを食べる」というのを徹底的に脳に植え付けるんです。そうすると嫌でも登山好きになってしまいます。また、下山後は、かならず温泉に入って、息子の好物を与えています。最後が楽しければ、楽しかった思い出しかのこりませんので、こうやって簡単に洗脳します。そのために登山すると逆に体重が増えるという逆転現象がおこります。

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 実は、この方法は、登山に限らず、いろんなことに有効でした。 二歳〇ヶ月の時は、この方法によってひらがなカタカナ数字アルファベットなどを二週間ぐらいでマスターさせています。三歳〇ヶ月の頃は、漢字を読めるようにしました。ただし、書けるようにはなっていません。指の力がないうちに文字を書かせるのは危険なので、これは五歳になるまでやらないようにしています。

 話がそれました。
 槍ヶ岳登山の話です。

 横尾山荘から槍ヶ岳までは、普通に歩くと八時間ぐらいかかります。この八時間時間というのが、くせ者で、どんなになだらかなコースでも八時間以上歩き続けると、急激に体に負荷がかかるんです。だから八時間で槍ヶ岳に到着しなければいけません。

 昔、『風のたより』という旅人の集まりで、二十代の若者を数十人連れて、横尾山荘から槍ヶ岳山荘を目指したことがあるんですが、残念ながら到着しませんでした。槍ヶ岳の手前の殺生ヒュツテと言う山小屋までしか到着できなかったんです。

 距離が長かったこともありますが、標高が高くて空気が薄いために体調崩した初心者が多かったために、八時間で殺生ヒュツテまでしかいけなかったんです。あと一時間かければ、槍ヶ岳山荘に行けなくもなかったんですが、その一時間オーバーが、命取りになることが多いんですよね。だから八時間以上の登山になると、
『残業タイムに入った』
と言って、登山リーダーは要注意で、メンバーの様子を見るわけです。

 必要以上に息を切らしてないかとか、靴擦れをしてないかとか聞いた上で、唇を見たり、手の爪を見たりするわけです。そして、極端に紫色の唇をしてる人がいたら要注意なんです。その人は、それ以上歩かせたら、高度障害になる可能性が出てくる。そのあたりは三十年間の登山ガイド経験で、嫌と言うほど体験しているので、四歳児をコースタイムどおりに登らせなければならない。

 で、息子と嫁さんに、後先を考えずに、アミノバイタルやアミノ酸飲料を断続的に与えました。最初は、三十分ごとに休憩して与え、終盤には十分おきに休憩して与えました。休憩時間は一分。それ以上休むと筋肉が固まるから、終盤は小刻みに休憩で、おやつを食べてるんだか、山を登ってるんだか分からなくなるような登山になります。

 私は、もっぱら写真撮影。
 槍沢カールの紅葉は、それは美しかったです。

 みんな紅葉を目指して涸沢とか天狗原の方に行きますけれど、槍沢だって決して負けてはいません。もちろん穂高連峰の魅力も捨てがたいものがありますが、あそこは四歳児には、ちょっと岩場の難易度が高すぎるんです。槍ヶ岳なら、頂上付近を除いて四歳児でも充分に登れるコースですから、穂高連峰は息子は五歳になるまでとっておきます。登るなら来年以降です。

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 十四時。槍ヶ岳山荘に八時間かけて到着。直ちに槍ヶ岳山頂に登ろうかと思ったんですが、稜線上は風速二十メートル近い強風。頂上への登り口に行ってみたら強風のあまり息子は立っているのがやっと。息するのさえ苦しそうで今にも泣き出しそうでした。
「これは無理だな」
と思ったので、頂上アタックは、翌朝に変更して山小屋でゆっくり休むことにしました。

 ちなみに槍ヶ岳山荘では、幼児の添い寝というシステムはなく、四千円くらいの幼児料金が取られます。取り分けのシステムもなくて、取り皿も出してもらえません。ここが八ヶ岳の赤岳山頂小屋と違うところです。

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 しかし山小屋自体は豪華な建物で、料理も美味しいです。うちの息子は、スタッフの人から御褒美のおやつをもらっていました。きっとお子さんがおられるスタッフさんだったのでしょう。四歳児が標高三千メートルの山小屋まで八時間かけて自力で登るということが、どれだけ苦労するのか、どれだけ凄いことなのか自分が子育てしてみて分かっているんだと思います。それが証拠に、若い登山家には、四歳の息子をみても無反応ですからね。

 ちなみに息子は、よほど腹が減っていたのか、御飯が美味しかったのか親の御飯の大半をペロリと食べちゃいました。こんなことなら取り分けにしなければよかった。食事を三人前注文すべきだったと後悔しました。それだけ御飯が美味しかった。

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 ただし、一部の登山家には大変不評でした。というのも山小屋でビールを売ってなかったからです。

「ホームページに山小屋で飲むビールは最高に美味しいと書いてあるから、それを期待して登ったのに、次のヘリの便でも送ってこないなんて詐欺だ」

と怒っていました。うちの嫁さんは「なんでそんなことで怒るんだろう?」と、そういう人たちをクレーマー扱いしていましたが、これは文句を言う人の言い分が正しいと私は思います。ビールは売り切れて、その補充を今後しないんであれば、ホームページにそれを書くべきだったでしょう。
「山小屋の終了が近いのでビールの補充ありません」
と書いてあれば、登山家の連中は自分でビールを持参して登山したと思います。それを書かずに「山小屋で飲むビールは最高」とホームページで宣伝して、欠品してもビールの補充をしたいのであれば、ビール党に言わせれば詐欺師に騙されたも同じです。うちのスタッフの土井くんだったら怒り狂っていたかもしれません。

 ただし、私ならビールなどのお酒は飲みません。高度障害にかかりやすくなるからです。ましてや低気圧が接近してるなら尚更です。念のために息子の体調を確認してみたら全く異常ありませんでした。相変わらず健康そのもので、ハイテンションになって談話室のクライミング練習用の壁を登って遊んでいます。
「こいつは、どんだけ元気なんだ!」
と呆れかえりました。

 それに対して嫁さんは唇が紫色。高度障害になる可能性がありました。無理もありません。出発直前まで連休で満室の宿をきりもりしていたからです。睡眠不足で高度障害にかかりやすくなっていたのです。しかし心配してませんでした。薬も与えているし、対策も伝授しているからです。第一、私たち夫婦は、槍ヶ岳に十数回登っているからです。

 私は、みんなが寝静まったあと、こっそり外に出ました。
 風はあいかわらずでしたが満点の星空でした。
 このぶんなら明日の早朝は、すばらしい御来光がおがめそうなかんじでした。

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つづく。

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2017年09月20日

汚れ無き悪戯 その5・イタズラといえば

汚れ無き悪戯 その5・イタズラといえば

 息子が2歳になって、自分で歩けるようになると、親はイタズラに悩まされます。これはしょうがない事なんですよね。子供は親の真似をするからです。まず最初に行う悪戯は、何から何までスイッチを見つけたら押すことです。子供が生まれるまで気がつかなかったことですが、我々の日常にはスイッチというものもたくさんあるんです。

 電動モーターでストーブに灯油入れてる時に、予約の電話か何かがかかってきて、ちょっと席を外すと、電動モーターのスイッチ入れられて、辺り一面が灯油だらけになっていることが何度あったことか。それも大抵が、チェックインの直前だったりします。もうこうなると時間との勝負ですから、ありったけのバスタオルを床一面に放り投げて灯油を吸い取ります。もちろんバスタオルは二度と使えなくなります。

 私も人間ですから、トイレに行くこともあります。息子のイタズラは、その時におきます。いろんなところにあるスイッチを押しまくるわけです。テレビ・ビデオ・電気・エアコン・パソコン・ストーブ・電子レンジ・トースター・換気扇・・・・。ありとあらゆるスイッチを押しまくります。夏に暖房のスイッチ。冬に冷房のスイッチ。ボイラーのスイッチを切られて、風呂に入ってた日には・・・・。

 でもこれは、まだまだかわいい方で、 三歳くらいになるともっと高度な悪戯を始めます。スイッチを回すということを覚えるんです。こうなってくると、非常に危険です。電子レンジに物を入れて、スイッチを回転させて実際に動かせるようになるからです。そうなると、電子レンジの中に入れるものによっては、電子レンジが爆発物になってしまうから厄介です。この前も、レンジの中に電球入れて動かそうとする息子を寸前で止めて事なきを得たばかりですから。もちろん料理中にガスの元栓を閉められたりもする。

 三歳くらいになると食洗機も使えるようになりました。脚立を使って、何でも洗ってくれます。けっこう操作方法が難しい物でも使えるようになり、カバンでも携帯でも洗ってくれます。さすがに四歳になると、洗うのは食器だけだと理解するようになっていますけれど。

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 私の仕事は宿屋ですから、当然のことながらパソコンで予約の管理をしています。 数万にのぼる膨大なデータが、パソコンの中に入っていて、予約および顧客管理をしているのですが、ちょっとしたことで席を外すと、息子にいじられてデータを消去されそうになることがあります。息子は私の仕事ぶりを、ニコニコしながらじーっと見ているわけですが、最初は
「かわいいなぁ」
と思っていたのですが、これがとんでもない。

 ニコニコしながらじーっと見てる時は、私の作業を観察しているわけです。
 操作方法を研究しているんです。
 だからそういう時こそ要注意なんです。
 三歳だからと言って油断なりません。
 もうアルファベットも数字も覚えているのでパスワードなんかすぐに見破ってしまいます。
 親が考えているよりも子供というのは、頭がいいんですよね。

 四歳ぐらいになると、呆れる位に悪知恵が働くようになります。
 つまり大人の真似が出来るようになってしまうんです。

 例えば目覚まし時計。
 目覚まし時計が止まってしまうと朝起きれません。宿屋というのは大抵は、慢性の睡眠不足に苦しんでいますので、目覚まし時計なしでは起きれないんです。もちろん寝坊したら、お客さんの食事が作れません。ですので、用心のために二つ以上の目覚ましをセットしています。それが二つ同時に故障してしまうことがあります。よく目覚まし時計が壊れていましたので、
「最近の目覚まし時計はよく壊れるなぁ」
「電波時計なのに、どうして時刻が狂ってしまうんだろう? 」
と疑問に思いながら、次から次へと新品を買い足していたのですが、気がついたら10個ぐらいに増えてしまった。

 その増えてしまった目覚まし時計を、息子はずらりと並べてしまう。どれが壊れてて、どれが正しく動作するのかさっぱり分からなくなってしまう。壊れた目覚まし時計を、どこかに隠しておいても、鼻のきく息子は必ず見つけ出して、コレクションのように窓際にずらりと並べてしまう。そして、どの目覚ましが正確に作動するのか分からなくなってしまう。

 仕方がないので、すべての目覚ましをセットしておくと、朝、10個の目覚ましがすべてが正常に動いて、大音響に飛び起きてしまった。調べてみたら、どの目覚まし時計も壊れてなかった。息子が勝手に、時間を狂わせていたんですね。もちろん電波時計ですから、 四歳ぐらいの幼児が簡単にはセットできない目覚まし時計なんですけれど、息子はいともやすやすと、それを狂わせてしまう。親が操作してるのをじっと見ているからです。

 つまり、おとなしそうにじーっと見ていたら、
 もうその時点で要注意なんですね。


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 ある日、嫁さんが私に、「大河ドラマの録画できてないんですけれど」文句を言ってきました。嫁さんは、超がつくほどの歴史オンチなんですけれど、真田丸を見て以来、歴史に興味を持ったらしく、大河ドラマだけはどんなに忙しくても見ているんです。で、夏の忙しい時に録画できてない回が何回かありました。で、調べてみたら本当に録画できていない。というかそれ以前にテレビが写ってない。

「アンテナケーブルが、はずれているのかな」

と調べたけれど問題は無い。機械が故障したのかなと思うと、それも問題なさそう。とにかく電波が入ってない事は確かなので、いったいどうしたんだろうと、数時間ほどさんざん頭を悩ました上に、休憩のためにテラスのソファーで休んでいると、息子がニコニコと何枚ものB-CASカードを持ってトランプのように遊んでるのが見えました。これじゃTVは録画できません。というか、全部のテレビのB-CASカードを抜いたのかよ!

 これなんかまだましな方で、 CDやDVDともなると無惨なものです。勝手に取り出され、鉛筆の中に串刺しにして入れて遊ばれてしまいます。大量のCDやDVDの穴にヒモを通してあそんでる。買ってきたCDが3日もたたないうちに破壊されていることが何度あったことか。

 子供は穴が好きなんですよ。穴があるとそこに何か入れたくなる。CDやDVDには穴があるので、鉛筆を差し込みたくなるわけです。もちろん、おでんのちくわなんかにも穴があるために、食べる前にちくわの穴に指を入れる。5本指に竹輪が5個。ドーナツなんかも穴から覗くことをする。そして目の周りが油だらけになってしまう。とにかく穴があるとそこに何かを入れたがる。

 宿屋やってる関係上、お客さんのゴミを片付けることが多いために、私たちはゴミ箱の中に物をぽんぽん入りてしまいますが、それを見ていた息子は、やはり真似をしてしまいます。
 財布がない、
 sdカードがない、
 クレカがない、書類がない・・・・と思ったら、事務所のゴミ箱に入れられていたということが何度かありました。さすがに四歳になると、そういう所と分別はついてきていますが、 2歳位の時は、それで青ざめたことが何度もありましたので、ゴミ箱のゴミを捨てるときはかなり慎重になったものです。

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 息子も今月26日で四歳六ヶ月なので、ものの善悪はだいぶ分かってきています。そういう意味では、安心なのですが、今度は別の系統のイタズラが目立つようになってきました。倉庫から大量のコンセントを持ってきてそれを次々とつなげて、アート作品を作り上げたりします。うちには、予備の電源タップが30個くらいありますので、それをタコ足にタコ足をつなげて100本足のタコを作って見たり、長ーくつなげてソファーを使って縄張りを作ってみたりです。それを御客様のチェックイン直前に発見したときは、超焦ります。まあ、床が灯油だらけになるよりはマシなんですけれどね。

 あれ? カメラが無いぞ?

 と思った時も、大抵は息子が持っていることが多いですね。そして何百枚も写真を撮っている。その写真が、かなりのアートです。自分の指紋だったり、親の禿頭のつむじだったり、愛犬コロの耳の中だったりする。その無駄な写真を後で消去するのは本当にめんどくさいですので、最近は古いカメラを息子に与えています。そしてsdカードがいっぱいになるたびに、フォーマットをかけています。

 これもおそらく親の真似なんでしょうね。宿屋の人間は、すきあらば観光地の写真を撮って、使える写真ストックしておくものなので、その姿を見た息子は盛んに真似をしているんだと思われます。

 真似といえば、料理もやりたがって困っています。もちろん賄い料理くらいなら一緒に作ったりするんですが、お客さんに出すものを料理させるのはさすがに衛生上まずいですので、なんとか説得してやめさせています。すると息子は、せめて配膳をしたいと言い出します。これも絶対に無理ですので、なんとか説得して止めさせました。すると息子なりに考えたのか、みんなが食べ終わったとの醤油(しょうゆ)・ソース・ドレッシングを集めて持ってくるようになりました。

 まあこのぐらいならいいか

 と、この範囲なら大目に見ています。


つづく。

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2017年09月16日

汚れ無き悪戯 その4・知らないうちに英才教育を受けていた息子

 私も今年で55歳。このぐらいの年齢になると、古くからの友人も色々と出世して、各方面で大活躍しています。企業に勧めているしがないサラリーマンだった友人も多くは、部長や取締役になって、社会に影響力を持つ人間になっています。

 なかには、南極大陸で活躍している人もいます。実は半年ぐらい前に、南極の昭和基地から絵はがきが届きました。もちろん我が家の家宝です。昭和基地の消印のついた絵はがきを持っている人間は、そう多くないと思いますから。

 漫画家として活躍している女性もいます。彼女と知り合ったのは、今は亡き毛越寺ユースホステルというところです。早朝に一緒に座禅をした事は懐かしい思い出です。そんな彼女も、素敵なご主人と出会い、結婚され、男の子の息子さんを出産しています。ちょうどその時、私は、ユースホステルの生みの親であるドイツ人教師リヒャルトシルマンの伝記を出版していて、日本ユースホステル協会からついでにリヒャルトシルマンの漫画を作る計画もあって、その漫画を彼女に書かないかと彼女に打診したこともありましたが、ご長男の出産が間近だということで、断念したこともありました。

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 その数年後に、我が家で子供が生まれたわけですが男の子でした。今の息子です。男の子同士ということで、しばらくすると漫画家の友人から、大量のベビー用品のお下がりが送られてきました。どれもこれもブランドもので、洗濯してもピシャッとしています。量販店で買ったベビー用品は、すぐに毛玉になったり、サイズが小さくなっちゃうんですが、ありがたいことにいただいたブランド物のベビー用品は、全くそんなことありません。感謝感謝です。私は漫画家の彼女に頭が上がりませんでした。もちろんお礼にジャムやら何やらを送りましたが、お下がりとは言え買えば何万円もするベビー用品ですから、ありがたくてありがたくて、申し訳なかったです。

 しかも1回や2回ではありません。何度も何度も、お洋服やら、オモチャ・こどもチャレンジなんかがどっさりと送られてきました。おかげで、おもちゃなんかほとんど買わずに済みました。買わなくても全く困らない。とにかく大量のおもちゃが送られてきていたのです。しかもみんな高価なものばかり。本当にありがたく使わせて頂きました。

 話は、かわりますが、うちの息子は、どういうわけか鉄道好きです。物心ついた頃から鉄道マニアになってしまっています。うちの息子は、鉄道好きです。親子で一緒に登山する時も、電車ごっこで登る位です。おもちゃ王国に行くと、将来に機関車トーマスに乗りたいと言ってきます。

 なぜだろう?

 と、常々不思議に思っていました。実は、我が家の近所には駅がありません。鉄道だってないのです。なのにどういうわけか、鉄道好きになっています。最初は男の子というものは、そういうもんなのかなあと思っていましたが、鉄道のない田舎からやってきたお客さんの話によると、

「近所に鉄道がないから、うちの息子は鉄道に全く興味がないんだよね」
「鉄道に乗った経験がないから、息子は自動車好きなんです」
「鉄道を見たことがないから、ピンと来ないみたい」

と言う事。
 つまり、身近に鉄道がないと、鉄道に興味を持てないみたいなんです。
 そういうお子さんは、自動車に興味を持つらしいんです。
 そうなると、ますます
「どうしてうちの息子に限って鉄道好きなんだろう?」
と言う疑問が湧いてきました。

 確かにうちの息子は、あまり鉄道に乗ったことがありません。 2回か3回ぐらいしか載っていません。ほとんどが自動車で移動です。こういう場合、たいていのお子さんは、鉄道好きにはならず、自動車が好きになるものらしいですね。ところが、うちの息子は鉄道好きなんです。どうして、かなぁ?と疑問が湧いてきて、嫁さんに
「うちの息子はどうして鉄道好きなんだろう?」
と尋ねたことがいました。嫁さんはあきれ顔で答えました。

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「鉄道好きなのは、当たり前」
「え? どうして」
「今までどこに目をつけていたの?」
「はあ?」
「あの大量のおもちゃは、一体何? 」
「?」
「いただいた大量のお洋服を、よく見て」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! そうか、そうだったのか?」

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 よく見てみたら、息子が普段から着ていたお洋服は、すべて鉄道関係のものでした。プラレールのTシャツだったり、機関車トーマスのTシャツだったり、どれもこれも鉄道関係のお洋服ばかり。おまけにおもちゃまで、すべて鉄道関係です。自動車はほぼゼロ。つまり息子は、生まれたときから、鉄道のTシャツと、鉄道のおもちゃで、鉄道の英才教育を受けていたんですね。よくよく考えてみたら、漫画家の彼女のご主人は、バリバリの鉄道マニアだった。すっかり忘れていました。



つづく。

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posted by マネージャー at 05:44| Comment(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

汚れ無き悪戯 その3・文字を使ったイタズラ

 夏休み中、息子は、いつも保育園で私を待っていました。私は、決まって13時に息子を迎えに行ってたのですが、時々 、遅れることがあります。そんな時、息子は玄関先で椅子に座って絵本を読みながら私を待っていました。息子は私の姿を見つけると、とたんに笑顔となって絵本を教室に戻して駆け寄ってきます。

 息子は、保育園に通っています。
 といっても、子供園という施設です。

 子供園というのは、基本的に幼稚園なんですが、幼稚園が終わると、延長保育という形で保育園になります。もちろん延長保育を受けるには、保育園児と言う形で入園します。幼稚園に入園した子供たちは、延長保育を受けることありません。うちの息子は、幼稚園には入っていません。保育園児として、子供園に入園しています。けれど、幼稚園児と一緒に幼稚園教育を受けるわけです。ただし、幼稚園は午前中で終わってしまうので、幼稚園児は給食を食べたらすぐ帰ってしまいます。そして残された保育園児が、延長保育を受けるわけです。これが子供園のシステムです。

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 ところで、幼稚園には、長期間の夏休みがあります。保育園には基本的にそういうものはありません。夏の間、幼稚園が夏休みに入ると、子供園は、朝から晩まで保育園になってしまいます。もちろん息子も保育園に預けます。保育園ですから送迎バスはありません。幼稚園にはスクールバスがあるのですが、保育園にはスクールバスありません。親が連れていくしかないのです。当然のことながら、その役目は父親である私の仕事となります。私が買い出しに出かけるからです。

 夏休みは、 1年で1番お客さんが来る時期で、死ぬほど忙しいので、買い出しのついでに息子を子供園に預けます。そして大急ぎで、宿に戻って掃除洗濯をし、庭や家のメンテナンスをし、ベットメイクを終わらせ、大量のゴミを捨て、昼飯を食らって、ペットの犬を散歩させて、 13時頃に息子が待っている保育園に向かうわけです。毎日忙しさで死にそうなくらいです。本当ならば、 16時頃まで息子を預けておきたいのですが、そういうわけにはいきません。お客さんが、チェックインしてくるからです。電車バスでやってくるお客さんの送迎もあります。 13時までに息子を家に連れ帰って、風呂に入れなければいけません。

 宿屋の人間は、たいてい14時前に風呂に入ります。 15時からは食事の準備があるので、体を清潔にしておかないとならないからです。なので、13時に息子を連れて帰り、一緒に風呂に入るのですが、これがまた一苦労なんですね。小さな子供が、 13時におとなしく風呂に入ってくれるわけがないからです。もちろん風呂から上がったら昼寝をさせるわけですが、これもまたおとなしく昼寝をしてくれるとは限りません。

 そこで役立つのが、絵本とビデオです。私は息子に2歳になる前に、文字を覚えさせたので、息子は暇があれば自分で絵本を読むようになりました。嬉しいことに、子供園のほうでも絵本の貸し出しをしてくれます。息子は毎日、いろんな絵本を借りて持ってきます。そして、私に読んでくれとせがんできます。 2歳で文字を覚え、もう4歳5ヶ月になっているので、かなりすらすらと自分だけで絵本を読めるようになっています。それでも、親に読んでくれと言ってきます。

 まず母親に読ませて、次に父親の私に読ませます。 2人とも読み方が違うので、 2つの読み方を楽しんでいるようです。そして、そろそろ寝てくれないかなーとこちらが思っていると、
「今度はタケちゃんが読むね」
と、お気に入りの絵本を持ってきて、私に読んで聞かせます。私は、日頃の睡眠不足のせいか、息子が絵本を読んでくれると、ウトウトと寝込んでしまいます。気がついたら御客様のチェックイン開始時間の15時頃ということがままありました。

 で、息子のほうは昼寝してくれたかというと、これがまた寝てないんですよ。 1人で他の絵本を読んでたりする。仕方がないので、録画したビデオを見せて、こちらは夕食の準備をします。そうしないと、仕事の邪魔をしにくるんです。

「タケちゃんも料理を作りたい!」
「タケちゃんもゴミ袋のセットする!」
「タケちゃんも皿洗いする!」
「タケちゃんも皿を運ぶ!」

 幼児を育てているお母さんなら分かるかと思いますが、こうなってしまうと、もう仕事どころではありませんから、このような状態にならないように、息子が好きそうなEテレの幼児番組を大量に録画しておいてみせるわけです。

 ここで不思議なことがおきます。大量の幼児番組を録画してあるので、ストックはいくらでもあります。 1回見た番組はもう見ないだろうと思って、別の日付の番組を見せようとするんですが、そうすると息子は怒り出します。気に入った番組を何度も何度も見たがるのです。それこそ何十回と同じ番組を見ようとします。そして同じところでケラケラと笑っているんです。

「この番組、前に見たよね、別の日付のものを見ようか」

といっても、受け付けません。同じ番組だけを何度も何度も見ようとします。

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 これは絵本においても同じで、気に絵本を何度も何度も繰り返し声を出して読みます。もちろん借りてきた新しい本も読むんですが、どちらかというと親に読んでもらうことのほうが多く、自分が自主的に読む本は、やはりお気に入りの本に限られてきます。お気に入りの本だと親にも読んで聞かせます。何度も聞かされる私は、悪いと思いつつも、寝てしまう。

 これじゃ、どっちが親か分からない展開です。

 話は変わりますが、息子が通ってる子供園では、積極的に絵本の貸し出しをしてくれます。なので息子は毎日、いろんな絵本を持って帰ります。最初は庭先の木陰でお母さんに読んでもらい、次に、風呂上がりに、または寝る前に、布団の上で父親の私に読んでもらいます。

 そこで気がついたんですが、息子が借りてくる絵本に1つの傾向がありました。毎回同じ作者なんです。いつも作者が一緒なんです。もちろん、その作者の絵本を一通り読破すると、別の作者の絵本に移ります。どうやら息子は、絵本の作風を理解している様なんですね。一時期は、アニメ「はなかっぱ」の作者である「あきやまただし」の絵本ばかり借りていました。

 こう書くと、息子は「あきやまただし」のファンになっていたみたいに聞こえますが、本人にそういう意図があったとは思えません。たくさんの絵本を読んでいるうちに、知らず知らずのうちに自分の好みが出来上がったんだと思われます。もちろん、息子は「あきやまただし」なんて人に興味を持ってないし、名前も知らないと思います。しかし一時期に、その作者の本ばかり借りていたことは確かなんです。もっとも、現在は別の絵本作家の本ばかり借りています。ブームは一過性だったようです。

 これも子供園に大量の絵本の蔵書があったからで、それを毎日1冊ずつ借りられるから、 3歳から4歳の間に濃密な読書力が備わったのではないかと思われます。それと、子供園にある大量の蔵書は、もう一つ別の効果を息子にもたらしています。絵本のなかには、読んでもらいたい絵本と、自分の声に出して読みたい本の2種類あるということです。これは大量の絵本が身近にないと、幼児には気づけないのです。

 読んでもらいたい絵本というのは、ストーリーのある絵本です。そういう絵本は、借りてきてすぐに、
「お父さん読んで」
と言ってきます。それに対して、自分で読みたい絵本には、ほぼストーリーがありません。擬音がほとんどだったり、童謡の歌詞だったり、単純な単語の羅列だったりします。例えば「お弁当箱の歌」の歌詞をそのまま絵本にしたような本は、大のお気に入りで、 1日に5回も6回も読みます。というか、私に読んで聞かせてくれます。よくもまあ飽きないものだなぁと感心しますが、これも子供園に大量の蔵書があったために、読んでもらう絵本と、自分が読む絵本を使い分けるようになったんだと思います。

 この息子の読書好きは、2歳になる前に、ひらがなカタカナを覚えさせたことと無関係ではないでしょう。また、 3歳以降に漢字を覚えさせたこととも無関係ないと思われます。

 私はよく息子とスーパーに買い出しに行きますが、その時に文字を読むと得するということを学習しています。例えば御菓子売り場に行くと、息子は片っ端からラベルを読み始めます。そして大好きな煎餅という文字を見つけると、
「お父さん煎餅があるよ」
と、私に煎餅をおねだりしてくるわけですが、私は苦笑しながら買ってあげます。すると、それに味をしめて、息子はいろんな商品のラベルを次々と読み始め、自分の好物が入っていたら盛んにおねだりします。私もついつい、買ってあげるものですから、息子にとって文字を読むという行為は、「得をする」とイコールなんです。こうなると絵本に限らず、様々な文字を読もうとします。

 また、自動車で移動している時に、牛丼の吉野家の看板・カツ丼のカツ屋の看板を見つけたりすると
「お父さん、吉野家があるよ 。あそこでご飯を食べようか」
「カツ丼のカツ屋があるよ」
「スシローだ、お寿司屋さんがあるよ、お寿司を食べよう」
なんて言ってきます。

 これがもし、オフシーズンだったら、喜んで、吉野家・カツ屋・スシロー・サイゼリアなんかに入って、親子で食事をするんですが、夏休みの忙しい時は、とてもそんな暇ありません。大急ぎで買い物をして、車の中でサンドイッチをほおばりながら、宿に向かわなければなりません。なぜならば、夏の軽井沢は、ものすごく渋滞するからです。のんびり買い物をしている暇なんかありませんし、外食なんてもってのほかです。気がついたら食事をしてないことなんかザラで、うちの息子も夜の9時ぐらいまで夕食が食べられないことが何度もあります。

 どんなに息子がねだったとしても
 外食なんてできるわけがないのです!
 マックのドライブスルーにも行けないし、
 吉野家に入る時間も無い!


 うちの宿の食事は、品数が多いので、作るのも大変ならば、皿を洗うのも大変で、 3台の食洗機をフル稼働しても夜の9時ぐらいまでかかってしまいます。息子の食事を作るどころではありません。それは息子も分かっているようで、駄々をこねることもなく、じっと腹を空かして我慢をしているのですが、それも少しずつ不満になってきたんでしょう。絵本では無く、大人のよむ雑誌を読み始めるようになってきました。そしてJAFの機関紙である「JAFメイト」という雑誌なんかを読んでいる。

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 ある日の夕方のことです。
「お父さんハサミをください」
と言ってきました。なんだろうと思ってハサミを渡すと、息子は何かを盛んに切り取っていました。それもきれいに切り取っていました。そして切り取った紙の破片を私に渡してきたのです。

「こ、これは・・・・」

 渡された紙の破片は、毎月送られてくるJAFの機関紙である「JAFメイト」という雑誌に付録で付いている提携割引施設の割引券でした。それも、吉野家・カツ屋・・・・。

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 無言の圧力に私の心は、折れそうになりました。
 それにしても綺麗に切ったものだ。
 漢字が読めると、こういう技を使ってくるんだなあ・・・・。
 いや、参った。
 しかし、古い雑誌から切り取ったので、期限が切れているんだよなあ。


つづく。

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posted by マネージャー at 22:37| Comment(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月07日

汚れ無き悪戯 その2・森の中からやってきた少年

 小さなお子さんを連れた御客様が、うちの宿に到着すると、大きな庭にいっぱいある遊具に大はしゃぎします。特に3歳から6歳位のお子さんが大喜びで、滑り台・トランポリン・ゴルフなんかに夢中になって遊びます。すると、どこからともなく4歳位の子供がやってきて、それぞれの遊具について解説したりします。その4歳児はとても人懐っこくて、気がついたら一緒になって遊んだりします。しかし、夢中になって遊んでいると、いつの間にか消えてしまうのです。

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 話が変りますが、うちの宿では、夏の間(6月から9月)にファミリーの御客様に花火のサービスをしています。子供に限って花火が無料でできるんです。費用も一切かかりません。どうしてこういう事を始めたかと言うと、東京では条例があって公園などで一切の花火を禁止している。つまり東京では事実上花火はできないと聞いたからです。だから、東京の子供たちにとって花火というのは、花火大会で見るものであって、ほとんど自分で花火を体験する機会がないと聞いたからです。

 なので、せめて旅先だけにでも花火を楽しんでもらおうと思ったわけです。それで無料で花火を配ることにしました。もちろん、どのご家族も食後に花火を楽しみます。するとどこからともなく、 4歳児がやってきます。そして花火を見ています。お客さんは
「いったい誰だろう? 」
と思いつつ、
「一緒に花火やる? 」
と誘ってくれます。すると、正体不明の4歳児は目を輝かせて一緒に花火をします。

それにしても、いったい誰なんだろう?
迷子なんだろうか?

そう考えた御客様は、正体不明の4歳児に質問をします。

「どこからきたの?」
「森の中から」

えええええええええええええ?
森の中から?
本物の迷子か?
と、御客様は困惑します。

「名前は?」
「ルケタ」
「ルケタ???」

もちろんそんな名前の子供は、泊まり客にも、宿の家族にもいません。ますます不審に思った御客様は、不思議な子供に年齢を聞きます。

「ルケタ君は、何歳なの? 」
「天才」
「・・・・」

思わぬ返答に周りから笑い声が漏れました。そして気がつくと、その子はどこかに消えてしまうのです。まるで座敷わらしのような4歳児ですが、実はこれが私の息子です。

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 一見すると、御客様の質問に対して、酷いデタラメを言っているような感じに見えますが、彼の中では、決してデタラメなんかではありません。大人にとってはデタラメのように見えても、幼児にとっては、ちゃんと筋が通っているんです。息子の正しい名前は、ヤマトタケルからとった「健(タケル)」ですけれど、彼はこれを逆さまに読んで「ルケタ」と自分のことを言っています。彼にとっては、一緒のペンネームみたいなものなのですが、一時期、息子は文字を逆さまに読むことが、ブームになっていました。それで、タケルをルケタと呼んだわけです。

 息子は2歳になる前からひらがなカタカナをマスターしていたので、文字を読むのが大好きなんです。毎日のように、子供園から本を借りてきて、お母さんに読んでもらっていますし、その後に自分も何度も読んでいます。どうして、文字を読むのが好きになったかと言うと、これにも訳があります。

 私はよく息子とスーパーに買い出しに行きますが、その時に文字を読むと得するということを学習しているからです。例えばヨーグルトのコーナーに行くと、息子は片っ端からヨーグルトのラベルを読み始めます。そして大好きなマンゴー入りヨーグルトがあることがわかると、
「お父さんマンゴーのヨーグルトがあるよ」
「このヨーグルトにマンゴーが入っているよ」
と、私にマンゴー入りヨーグルトをおねだりしてくるわけですが、私は苦笑しながら買ってあげます。すると、それに味をしめて、息子はいろんな商品のラベルを次々と読み始め、自分の好物が入っていたら盛んにおねだりします。私もついつい、買ってあげるものですから、息子にとって文字を読むという行為は、快楽を得られる手段になっているわけですね。つまり

 文字を読むこと=得をする

という公式が息子の頭脳にインプットされているわけで、こうなると絵本に限らず、様々な文字を読もうとします。下から読んだり逆さまに読んだりして、自分の名前を「タケル」ではなくて「ルケタ」と御客様に紹介するんですね。

 また御客様の
「何歳なの? 」
と言う質問に
「天才」
と答えたのにも訳があります。うちの宿には毎日たくさんの御客様がやってきますが、その都度彼は何度も何度も同じ質問をされているわけです。同じように4歳と答えるのに、次第に飽きてきます。そうなると少しばかり頭をひねって「 4歳」ではなく「天才」と答えたくなるのものです。

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 一事が万事こんな調子ですから、この夏家に泊まりに来た御客様には、ずいぶん不思議な4歳児に見えたことでしょう。なにしろ変なことを言って笑わしたかと思うと、すぐに消えてしまう。側に親がいるようにも見えない。迷子のように見えるけれど、不安がってる様子はない。子供たちが遊んでいると自然と仲良くなって一緒に遊んでいる。けれどいつの間にか消えていることも多い。どこからきたのと聞いてみたら、
「森の中から」
と答えるだけ。まるで座敷わらしのような、雲をつかむような存在だったので、御客様をずいぶんと、まどわしてしまったと思います。息子の読む絵本の多くには、森の中からやってくる話がいっぱいあるのです。息子はその影響受けて「森の中から」やってきたとか、山の中からやってきたとか、洞窟に住んでるんだよなんて答えたりしたんです。

 いつだったか、子供園の先生に、こんなことを聞かれました。

「浅間牧場にキリンさんがいるって本当ですか? 」
「え?」
「タケルくんが、浅間牧場に行ってキリンさんや象さんあったって言ってたんです」
「・・・・」

 もちろん浅間牧場にキリンさんがいるわけはありません。
 これにも訳があります。

 私は御客様の希望があると、夜に星空案内のツアーを出します。夜の牧場を車で散策しながら、星空を観察したり、流れ星を数えたり、キャベツ畑を案内したり、近くの牧場に連れて行って、草むらに寝そべっている牛たちを見せたりします。その時に行った解説の中にキリンの話が出ることもあります。もちろん息子もお客さんと一緒に付いてきたりします。そして私の解説を一緒に聞いたりします。息子は、その時のことを先生に伝えたんだと思いますが、それが浅間牧場に行ってキリンさんにあったと言う話になったんでしょう。

 ところで星空案内のツアーですが、私は夜の牧場にビームライトを照らして、寝ている牛たちを探します。すると牧場の遥か彼方に光る目玉があったりします。牛たちの体は真っ黒なので、暗闇の中ではなかなか見えません。けれど、牛の目玉だけが光ります。ビームライトを反射して光るんです。もちろん牛の姿は見えません。目玉だけです。その目玉は、キリンに見えたかもしれないし、象に見えたかもしれない。毎日何冊もの絵本を読んでいる息子には、そういう想像力が沸いたって不思議はありません。その想像力を、大人は馬鹿にすることなく大切にしてあげたいものです。


つづく。

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posted by マネージャー at 14:30| Comment(2) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月03日

汚れ無き悪戯 その1・父親のメガネを持ち出す

汚れ無き悪戯 その1・父親のメガネを持ち出す

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 今年の夏はファミリーの御客様が多かったです。
 今までで最高かもしれません。
 喜んだのは4歳5ヶ月になる息子です。毎日のように
「今日はお友達きてる?」
と聞いてきます。もちろん
「たくさん来てるよ」
と答えてやると目をキラキラさせながら御客様のいるロビーに向かいます。そして少しばかり仲良くなると、ドドドーっと走って戻ってきて、おもちゃや絵本を抱えて、御客様のお子さんの所に向かいます。私と家内が御客様の食べ終わった食器を回収しつつ、皿を洗っていると、4歳の息子が何かをもってドドドーッと走っていくわけですが、皿を洗う頃なら御客様のところに行っても怒られないんだなあと理解しているわけです。

 感心するのは、相手の年齢にあわせて持っていくものが違っていることです。

 1歳児には、ぬいぐるみを持っていき、2歳児にはオモチャを、3歳児以上には、工作の材料や折り紙なんかを持っていきます。たまたま幼児が、いなくて大人しかいなかったりしても、相手してくれる大人が居たら子供園(幼稚園)の写真アルバムを持っていって写真を見せて解説したりします。相手の年齢をみつつ、何をもっていったら良いのか良く見ているんですよね。

 最初は、
「どうして、このような対処ができるのかなあ?」
「兄弟がいないのに、どうして対応を変えられるんだろう?」
と不思議に思っていましたが、息子が通っている子供園が、夏休みで幼稚園モードから保育園モードに切り替わっているためだったためでした。

 子供園が幼稚園モードの時は、学年別のクラス分けになっていますが、その幼稚園が夏休みになり、保育園モードになると、年少組から年長組まで一緒のクラスになります。各種の年齢の子供たちが一緒にあそぶことによって、年齢によって対処が違うことを、そこで学んでいるんですね。その結果、宿屋の御客様にも応用できているようなのです。

 だから、年齢によって相手が喜ぶ物が違うということが理解できたんですね。もちろん幼稚園には幼稚園の良さがあるんですが、託児所の親戚関係にある保育園には幼稚園にない良さがあるんですね。幅広い年齢の子供たちと一緒にいることで、非常に貴重なものを学べるからです。

 話を戻します。
 私が夕食後の皿を洗っていると、そのわきを息子がドドドーッと走っていきます。
 その姿をみると御客様のお子さんの年齢が分かります。

「今日は、ままごとセットか! 4歳児の女の子と仲良くなったな?」
「今日は、ミニカーか! 4歳児の男の子と仲良くなったのか」
「今日は、幼稚園のアルバムか! 大人と仲良くなったな」
「今日は、ぬいぐるみか!さては、1歳児か2歳児と仲良くなったな?」

 こんなふうに、息子の行動を尻目に私と家内は、せっせと皿を洗う毎日でした。うちの料理は、最低でも10皿はでます。デザートを合わせれば13皿。御客様が20人なら460皿を洗うことになります。息子なんかかまってられません。なので息子は、御客様のところに、いろんな物を持ってドドドーッと走っていきます。折り紙だったり、アルバムだったり、オモチャだったり・・・・。いろんなものを持って走っていきます。

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 ところがある日、息子が、しなりしなりと歩いている時がありました。良く見ると、私のメガネをかけて御客様のところに行こうとしています。私のド近眼メガネでは歩きにくくてしょうがないだろうに、フラフラになりながら御客様のところに向かったのでした。その姿に私は、ただ笑ってみていました。

 翌日、初老の御客様から、こんな話がありました。

「本を読もうとしたんだけれど、老眼鏡が無くて読めなかったんですよ。それをタケル君(息子の名前)の前で話したら、翌日の夕方に、タケル君がメガネをしてやってきたんですよね。前日の私の話を覚えてたんですね。で、マネージャーのメガネを持ってきたんだと思います」

 そうか、そういうことか!
 やっと謎が解けた。
 老眼鏡の御客様に、私の近眼メガネをもっていったのだ。


つづく。

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2016年09月04日

幼児用遊具をごっそり導入

 夏も、そろそろ終わりに近づき、やっと一息つけるくらいの御客様の数になってきました。おかげさまで今年も大勢の御客様を迎えることができたわけですが、今年の御客様には、本当に良くしていただきました。うちの息子(3歳)を客室に招待してくれて、御客様のお子さんと一緒に遊んでもらったり、一緒に花火をしてくれたり、また息子のトイレまで面倒見てもらったり、思わず目頭が熱くなるような気遣いに、こちらとしては、ただ頭が下がり、こっそり料理の皿を多くしていました。で、ファミリーの御客様に感謝のつもりといっては何ですが、幼児のための遊具を買っちゃいました。予定では、これらの遊具の他に、まだ幾つか増やそうかなあと思っています。たとえばロッキングチェアとか、ハンモックとかです。ただ、雨だと使えないので、もう雨は降らないで欲しいなあ。

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 ちなみに息子の様子に変化が見られるようになりました。子連れの御客様が見えると、御客様のお子さんに、自分のオモチャや絵本を差し出すようになってきたのです。これはあきらかに、御客様が息子にしてくれたことを息子が真似しています。うちの息子は、御客様の御家族から社交術を学んだようなのです。ありがたいことです。

 で、気が付いたんですが、予約してきたファミリーの御客様は、ほぼ9割が新規の御客様だと思っていたら違っていました。十五年くらい前に一人旅で、うちに宿泊した学生さんたちだったりするんですね。2004年の噴火の時に一緒に噴火を見に行った学生さんだったりする。その学生さんが十数年後に幼児を連れて泊まりに来て、昔話に花を咲かせたりするんですね。元ヘルパー(ボランティアスタッフ)だった女の子も、立派なお母さんになって旦那さんと娘さんを連れてきたりする。もう、こうなると同窓会みたいですね。また、ありがたかったのは、こんなに台風が多く天気が悪い夏だったにもかかわらず、ほぼキャンセルが無かったことです。やはり年に一度のイベントだからでしょうか? 御家族の皆さんの日程を合わせるのは難しいんでしょうね。


砂場

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水遊び

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滑り台

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遊び小屋

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つづく。

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2016年08月18日

9月5日(月)は、飾り寿司教室が、あります。

9月5日(月)は、夕食はありませんが、飾り寿司教室が、あります。
参加費無料。
見学だけでもオーケー。
飾り寿司食べ放題です。

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知らなかったんですが、海苔巻きは千葉の郷土料理なんですね。千葉県では、アンパンマンとかクレヨンしんちゃんとか、いろんな巻き寿司があるようです。ちなみ、こういう巻き寿司は、魚を使わないので、ちいさなお子さんにも食べられますね。ちなみに前回は、去年の5月に行っています。以下は、その時の写真です。

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つづく。

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2016年07月23日

動物園の象と三歳の息子

 熊本の大地震で、動物園のライオンが脱走したと言うデマを流して逮捕された人がいましたね。

 第2次世界大戦中の日本で、上野動物園の動物たちがたくさん毒殺された事件がありました。アメリカ軍の空襲によって、猛獣が脱走して人々に危害を加えないためです。多くの動物たちが毒殺されたわけですが、ただゾウだけは、毒入りの餌を一切食べなかったと言います。当然のことながらゾウたちは日に日に飢えていきます。すると餌を貰うために、必死になって芸を始めるんですね。餌欲しさに、いろんな芸をしてみせるわけです。それをゾウの飼育員さん達は、涙を流して見守ったと言います。

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 話は変わりますが、夏本番になって、うちの宿もお客さんが大勢押し寄せるようになってきました。当然のことながら、私たちは 3歳になる息子と一緒に遊ぶことができません。遊ぶどころか、構うことさえもできません。かといって、子供を嫌がるお客さんも少なからずいるので、お客さんの前に出すわけにもいかず、 1日中、奥の部屋に閉じ込めてしまうことが多いのです。親としてはとても不憫ではありますが、宿屋をやっている以上、仕方のない事でもあります。毎日20人近くの食事を作る訳ですから、とてもではありませんが子供にかまっていられるわけがありません。

 しかし、息子は3歳になったばかりです。

 1日中、家の中に閉じ込められてしまったら、退屈するのは当然ともいえます。最初は、教育テレビを見ていたり、ジグソーパズルをやって遊んだり、日本地図や世界地図のパズルをやって遊んだりしているのですが、それでも寂しさに耐えかねて、親のところにやって来ます。ところが、私たちは包丁を持って料理を作っているので危険でしょうがない。なので、子供部屋に追い返すのですが、 3歳の息子は寂しそうに泣きながら戻っていきます。 

 けれど、少しでも親の顔を見たいのか、厨房と隣接しているトイレの中に入って、大きな声で数字を読みあげたり、漢字を読みあげたりします。実はうちのトイレのなかには、数字のポスターや小学1年生の漢字のポスターが貼ってあるんです。それを大声で読み上げていくわけです。暇なときならば、「すごいなぁ」と褒めてあげるんですが、それを期待して読んでるんでしょうね。

 かまってほしいんでしょう。

 しかし料理で忙しいために、無視するしかありません。そうすると、息子はますます大声で漢字のポスターを読み上げます。まるで第二次世界大戦中の上野動物園のゾウたちが、飢えに苦しみながら必死になって飼育員さんに芸を見せている姿にだぶって見えてきます。

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 親としては、非常に切ない思いではありますが、無視するしかありません。そもそもそれどころではないからです。お客さんを相手に、夕食を作るために、毎日が戦争状態なので、かわいそうだけれどかまってあげることができない。

 もちろん、保育所に連れて行くという選択肢もありますが、それにも限界があります。土日は休みだし、連れて行けば連れて帰らなければならない。しかも、保育所の先生からいろいろな申し送りがあったり、預けるにしてもかなりの準備がいるので、そんな暇は無いんですね。保育所というのは、もう少し便利なものかと思っていましたが、実はそうでもないんです。子供にとっては、とても大切な場所ではありますが、いろいろとこまごました準備が必要なので、それに時間がとられてしまうんです。

 なのでどうしても、この夏は息子を家に閉じ込めてしまうことが多くなってしまうんですが、そんな息子の精一杯の訴えが、トイレに貼ってある数字や漢字のポスターを読み上げることなんですね。上野動物園のゾウたちが、飢えに苦しみながら必死になって飼育員さんに芸を見せているごとく、一生懸命、親たちに自分の芸を見せているようにも見えます。

 長い前置きはこれくらいにして本題に入りたいと思います。

 私は息子が2歳になる前に、ひらがなとカタカナとアラビア数字を覚えさせました。だいたいどれも2週間ぐらいで覚えてしまいました。というか、むしろ2歳ぐらいの方が、 3歳の頃よりも覚えるのは早いようです。年が若ければ若いほど、覚えるのが早いようです。すぐ忘れますけどね。まあそんな事はどうでもいいとして、私は、ひらがなとカタカナとアラビア数字を覚えると、絵本が読めるようになるかと思ったんですが、これが全くダメでした。

 ひらがなを覚えても、絵本は読めないんです。
 今にして思えば、当然と言えば当然なんですけれど。
 しかし、どういうわけか当時の私にはわからなかった。

 ひらがなを覚えても、絵本が読めるわけがないんですよね。
 abc が読めても英語の本が読めるわけでは無い。
 もちろん発音することはできるけれど、読書はできない。
 なぜならば、単語を全く知らないからです。

 だから2歳の子供にひらがなやカタカナを教えるのは、あまり意味のあることではなかったのです。むしろ日常で使う単語を憶えさせた方が、よほどよかったのです。というのも、知ってる単語が出てくる絵本は2歳の息子にも読めたからです。

 ひらがなを覚えさすときに、積み木を使っていました。表に消防車の絵があって、裏に「し」がある積み木で「し」を覚えさせると消防車の単語を知っているから消防車が出てくる絵本なら読めるんです。つまり消防車という単語なんかをたくさん教える方が、よほど読書力がつくんですよね。

 つまり読書力というのは、単語力であって、
 語彙の幅広が絵本を読む力なんですね。
 決して『ひらがな』だけで読んでるわけではない。

 それに気がついた私は、息子の語彙を増やすことにしました。手始めに、息子の大好きなジグソーパズルを大量に買い与え、毎日ジグソーパズルを一緒にやったんです。幼児用のジグソーパズルには、いろんな動物があったり、自動車があったり、魚があったりします。ジグソーパズルをやりながら、動物の名前や、魚の名前や、自動車の名前を覚えさせたわけです。ジグソーパズルのなかには日本地図のパズルもあったし、世界地図のパズルもありました。

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 で、息子が1番熱中したのが日本地図のパズルです。
 47都道府県の漢字もだいたい読めるようになってきました。

 すると、面白いことに息子の生活が一変してしまったんです。まずEテレを見なくなって、すぐチャンネルを変えるようになってきたんです。そしてニュースをじーっと見るようになってきて、新潟県と言う単語がアナウンサーから出てくると、「新潟県!」と何度も絶叫するようになってきたんです。明らかに、それまでと違う世界が見えて来たようです。 47都道府県の単語をマスターすることによって、息子なりに世界が広まったんでしょうね。やはり、読書力というのは、単語力なんですね。

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 逆に言うと、息子に会話力が今一つ足りないのは、単語力が足りないせいなのかもしれません。幼児の女の子が、男の子よりも早く会話能力に目覚めるのは、それだけ単語力が早く身に付いているためかもしれませんね。

 それはともかく、息子の語彙を広めるために、 3歳の誕生日の頃から漢字を教えることにしました。絵本には漢字がほとんど使われてないにもかかわらず、どうして漢字を教える気になったかというと、これは非常に単純な話で、そっちの方が覚えやすいからです。

 例えば『しょうぼうしゃ』よりも『消防車』の方が息子にとっては圧倒的に覚えやすいんですよね。あと、どうせ覚えさすなら『しょうぼうしゃ』と『消防車』を同時に覚えさせた方が能率的なんです。どっちにしろ語彙を広めるのが目的なので覚えやすい方を使った方が便利なんです。

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 第一、そっちの方が息子のほうも喜ぶんです。興奮するんです。いつだったか、靴下・靴・長靴の3つの単語を同時に教えたら、すごく興奮していました。それまで息子にとっては
『くつした』と
『くつ』と
『ながぐつ』は、全く別の存在だったんだと思います。それが、靴下・靴・長靴の3つの漢字カードを並べてみることによって、何か1つの法則性を発見したようで興奮がしばらく収まらなかったみたいなんです。 3歳児にとって、漢字というのはそれほど衝撃的なものだったようです。おそらく息子にとって、新しい世界が見えてきたんだと思います。最近は、幼稚園・動物園・遊園地の中にも法則性を見つけて興奮していました。いろんなところに法則性があることに少しずつ気づいてきたようです。ほんとうなら、そのたびに大げさに誉めてあげればいいのですが、残念ながら今は忙しいので、あと40日間くらいは、放置しなければいけないのがちょっとつらいところですね。


つづく。

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posted by マネージャー at 15:24| Comment(4) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月24日

いつか家族で音楽会をやりたい

 息子が保育園に入園してから、 2か月以上経ちましたけれど、 6月は特に保育園の行事が目白押しでした。家庭訪問に、父兄参観に、給食参観に、保育園の清掃から、保育園の草刈。また地域の子供会の集まりで、公民館の清掃作業や、避難訓練。もちろん予防接種や健康診断もあります。とにかくいろんなことが、続けざまに行われて、 6月は目が回るほどの忙しさで、嫁さんは驚いていました。幸いなことに、うちは自営業なので何とか都合がつくんですけれど、もし奥さんが会社勤めだったら、本当に困ってしまうのではないでしょうか?

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 それはともかくとして、このようにたびたび保育園に嫁さんが呼び出されて、息子の姿を観察する機会を得てしまうと、うちの嫁さんは息子に対して不安を感じるようになってきます。同級生よりも、ワンテンポ遅いというのです。つまりちょっと、鈍いと言うんですね。

「3月生まれなんだから仕方ないよ」
「でも、動きが遅いんだよね。先生が指示を出しても、すぐには動けないのよ。みんなはすぐに、次の行動に釣れるんだけれど、息子は、周りが動いてからようやく自分が動くんだよね」
「それは空気を読んでる証拠」
「・・・・」
「心配いらないって」

 と、こんな風に説得して、嫁さんのやつを安心させているんですが、嫁さんのやつは、やはりどっかに不安に思っているようです。いつだったかこんな事を私に言ってきたことがあります。

「2歳児の女の子のなかには、自分自身が選んだ洋服でないと着ない子もいるんだよ。女の子はすごく成長が早いんだよね。うちの子は、成長がゆっくりしてるんだなーって」
「ありがたいじゃないか、うちの息子は、 3歳になっても、どんな服を着ようが無頓着だから。そっちの方が絶対いいって」
「・・・・・」

 まぁ嫁さんのやつも、人間にはいろいろ個性というものがあって、成長の速度を気にしてはいけない事は分かっているようです。しかし、ちょっと不安に思っているところもあるようです。機会があるごとに、息子の動作が、他の子供たちでもワンテンポ遅れているという話を、私にしてきます。その都度、心配ないと私は断言してるわけですが、これには根拠があります。

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 脳科学の本を何冊か読むと、成長は早いということが、必ずしも良いことでは無いと書いてあるからです。もちろん悪いことと言うわけでもありません。要するに個性なんですよね。成長が早ければ早いなりに長所も欠点もあるし、その逆もあるわけです。まあそんな事は、建前としては誰もが知っていることなんでしょうけれど、実際に成長が遅いと、お母さんとしては焦ってくるみたいなんですよね。お母さんでなくても、教育熱心なお父さんも焦りを感じる人もいるらしく、子供の成長の遅さを嘆いているお客さんも何人かおられました。

 もちろん、子供の成長が早い場合、知能指数としてIQが高くなります。
 当然のことです。
 精神年齢を肉体年齢で割った数がIQの数値として出る訳ですから。

 2歳児が 3歳児並の精神年齢を持っていたらIQが150になるわけですが、それが子供にとって良いことなのかというと非常に微妙なんですよね。成長が早いと好き嫌いが確定してきます。自分の意思が確立してくるということですから。つまり自分自身が選んだ洋服でないと着ないようになってしまいます。そうなると、とても育てにくいんですよね。ハイキングに連れて行こうとしても、ハイキングは嫌いと言われてしまうかもしれない。漢字を覚えさそうとしても、漢字は嫌いと言われてしまうかもしれない。自分の意思というのが確立してしまって、親の染めたい色にそめられなくなるんですよ。

 うちの息子は、そういう意味では安心なので、ハイキングに連れて行っても嫌がらないし、数字でも漢字でも喜んで覚えてくれます。親が教えなくても勝手に覚えてくれる。成長が遅いからこそ、勝手に覚えてくれるんです。

 やり方は簡単で、お風呂の中に数字や文字ののポスターを貼っておいて、親が勝手に文字を指さしながら読むだけでいい。それだけでいいんです。そうすれば勝手に真似をしますから、別に覚えさせる必要はありません。親がカタカナを指差して声を出して読めば、息子の方で勝手に真似してカタカナを指差して声を出して読みます。

 2歳児から3歳児ぐらいなら、子供は喜んで親の真似をしますから簡単になんでも覚えさすことができます。けれど成長の早い子供には、それが少し難しいかもしれません。自分の意思が確立してしまって、好き嫌いができてしまうからです。そうなってから文字を読むのは嫌いになっていたら、文字を覚えさそうとすると苦労するんです。だから成長は、多少遅くても私は構わないと思っています。

 まあそんな事はどうでもいいとして、保育園に通うようになってから、息子は歌を歌うようになってきました。きっと保育園で歌を歌ったりお遊戯をしたりしているんでしょう。これは非常にありがたいことで助かっています。というのも、そろそろ息子に何か音楽を教えようかと思っていたんですが、こんな田舎にはピアノ教室なんかあるわけがありませんので、保育園が歌を教えてくれるのには本当に助かっています。脳における言語を理解する部分と音楽を理解する部分は、ほぼ同じであると言われていますから音楽教育をしてくれる保育園というのは本当にありがたいですね。

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 ちなみにうちの嫁さんも、嫁さんの姉も、幼い頃からピアノをやっていました。嫁さんの実家に帰ると、応接間に大きなピアノが置いてあります。そのせいか、嫁さんは英語とかの外国語は大好きで、つい最近まで、嬬恋村の英会話教室で勉強していました。嫁さんの姉に至っては、大学で英語を学んでおり、スチュワーデスになろうとしていた時期もあったくらいです。そういえば、うちのスタッフの土井くんも子供の頃からピアノをやっていましたので、語学は苦手ではありません。彼はその昔、盛んに韓国旅行をしていた時期があって、趣味で少しばかりの韓国語をマスターしていました。ハングルを読めたんですよね。

 すごいなぁ・・・・

と当時は思ったものですが、この彼の能力と幼い頃からピアノを学んでいたことと、私には無関係に思えません。その土井くんは、韓国人と仲良くなって、韓国人の自宅に短期のホームステイをしたこともあるんです。私も、外国人とは仲良くなれるのですが、ホームステイに取り組むほどの言語能力がありません。とても韓国人の家にホームステイする勇気はありません。言語能力がないからです。

 ちなみに、私は土井くんと一緒に韓国旅行をしたことがあります。 2人で、ハングルの印鑑を作ってもらったこともありました。今から25年も前のことです。当時は今と違って、親日的な韓国人も多かったんですよね。特に戦前をしてるご老人たちは、親日的で、日本語もペラペラで旅行中に私たちに話しかけてくれました。昔のボロボロになった白黒写真を私に見せて
「子供の頃に習った日本人の先生だよ。素晴らしい先生だった」
と、懐かしそうに話してくれました。その後、デパートが崩れたり、橋が落っこちたりしたがために、韓国に行くのを避けるようになり、今ではすっかりご無沙汰しています。ご無沙汰しているうちに、いつの間に、また韓国に行こうという気が起きなくなってしまいました。

 実は土井くん以外にも、楽器ができて外国語のできる人を大勢知っています。それだけに、息子にも何か楽器を教えてあげたいんですけれど、嬬恋村に、北軽井沢にそんな教室があるわけがなく、かといって自分ができるわけでもないので、こうなったら、家族全員で一緒に音楽の勉強をやろうかなぁと思っています。親が楽しそうに楽器を演奏していれば、今なら息子も真似をするかもしれませんからね。

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つづく。

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posted by マネージャー at 06:41| Comment(7) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月16日

3歳3ヶ月になる息子と湯の丸山に!

 先日、3歳3ヶ月になる息子と湯の丸山に行ってきました。
 レンゲツツジが綺麗だったですね。

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 3歳3ヶ月になると、足腰もかなり丈夫になって、ほとんど自力で登れるようになってきました。もっとも急登の多い湯の丸山だと、さすがの私も肩車するわけにもいきませんから、自力で登ってもらう以外に手は無いのですけれど。

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 いつもは浅間牧場を散歩しているのですが、アップダウンがなくて、平坦すぎるために息子のやつは走ってばかりいる事の方が多いので、親も追いつけなくなってしまい、困っていたところなので、今回はちょっと高めの2,000メートル級の山に登ってみたわけです。

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 当然のことながら、幼稚園(こども園)はお休みすることになります。嫁さんはいい顔しませんけれど、私は、じゃんじゃん休ませて、山に連れて行ったり、博物館や動物園に連れて行ったり、おばあちゃんのいる館林の実家に里帰りさせたり、旅行する方針でいます。実際、先日も妙義グリーンホテルに泊まって妙義山に登ってきました。

 なので、息子の幼稚園の出席率は50%くらいです。

 そのために、息子が幼稚園が大好きで、今日は幼稚園に行く日だとわかると、朝から張り切っています。自分で名札をつけて、幼稚園の帽子をかぶり、幼稚園の鞄を持って、うれしそうに出かけます。脳科学的に言うと、これが大切なんですよね。大好きな幼稚園に行くのを、少しセーブするぐらいの方がいいんですよ。そのほうがもっと幼稚園が好きになる。

 もちろんうちの嫁さんは、不安げです。

 嫁さんは超がつく真面目な奴なので、そもそも幼稚園を休ませること自体、最初は信じられないという顔をしていました。最近は慣れてきたようですけれど。ちなみにうちの嫁さんは、妊娠しはじめると盛んに育児本を読んでいました。毎週図書館に行っては、何十冊も借りてきて、それを真面目に読んでいたんですよね。私もその中の数冊を、いくらか斜め読みに読んだんですが、どれもインチキ臭く思えて、途中で読むのをやめました。

 と言うか、その手の本は、中学生の頃からさんざん読み漁っていたので、免疫ができていたんですよね。教育関係の本とか、育児関係の本は、戦前のものから、つい最近にブームになった方まで、大抵は読んでいるんですけれど、どれもこれもインチキくさいなぁと思っています。個人的には、あまり信用していません。

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 逆に、こいつは面白いなぁと思った本は、動物学の本や、脳科学の本です。脳科学と言う言葉は、日本人が作った言葉で、昔は認知学とか、神経学と言われていたようです。しかし、最近になって国際的に脳科学と言われるようになったようです。

 まあそんな事はどうでもいいとして最近は脳科学の本が大量に出回っています。
 トンデモ本もありますし、難しい専門書もあります。
 育児関係の脳科学本もあります。
 それらの脳科学の本を読むと、今まで言われてきた通説と
 全く逆の報告が出てきて驚かされることが多いです。

 例えば、テレビやゲームが脳の成長によいという報告があったりして、最初は「ほんとかよ?」と驚いたものです。では大宅壮一が、テレビに対して「1億総白痴化」と言って揶揄したのが間違いだったかというと、そういうわけではないんですね。テレビは確かに脳を成長させるのですけれど、中毒性があって、それだけを見続けると脳の成長は止まるんですよね。これはゲームでも一緒で、そればかりを続けると、その中毒性のために脳が退化するわけです。そういうことが、猿を対象とした事件で明らかになっています。

 脳の成長は、テレビやゲームを含めて、読書や音楽や運動や勉強することなど、いろいろなことをやらないと成長しないわけです。それも「もっとやりたい」と思っている時に止めるのがミソらしい。

 ほんとかな?

 と思った私は、息子が1歳11ヶ月の頃に「ひらがなカタカナ」を覚えさせる時に実験してみました。息子がどんなに、ひらがなに夢中になったとしても、 5分で止めてみたんです。それを一日に3回ぐらいやったんです。すると、驚くべきことに息子は2週間で文字を覚えてしまいました。カタカナも2週間で覚えちゃいました。もう一つ言うと、最後の一回は寝る前にやりました。寝る直前にやると記憶が定着すると言われていますから。

 脳科学ってすごいなぁ

 と、当時の私は驚いたものです。で、 30分ぐらい勉強させたらどうなるんだろうか?という実験もやってみました。ひらがなもカタカナも覚えてしまっているので、漢字を使った実験です。見事に失敗しました。 30分も勉強させたら、漢字を見るのも嫌になったわけです。

 なるほどなー

 と思った私は、漢字の勉強をさせることを1年間やめました。で、 1年経った時に漢字の勉強再スタートさせています。もちろん、5分以上の勉強はさせていません。本人が、どんなにやりたがっても、 5分たったらやめます。すると、面白いことに、息子が漢字に夢中になったんです。漢字カードを見せるたびに興奮して、嬉しそうに興奮して絶叫して勉強します。けれど5分たったらやめます。どんなに息子がやりたがっても中止します。漢字カードしまってしまいます。けれど親が漢字カードを隠していても、どこからか息子は見つけ出して、ひとりで息子は漢字の勉強しています。

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 どうしてこういう事になったかというと、5分でやめるために息子は脳に快感をもったんですよね。それを逆手にとったわけです。好奇心を煽ると、脳が快感を感じる。脳が快感に感じることによって、脳が成長する。これは、テレビでもゲームでも食事でも一緒らしくて、快感に感じることによって脳が成長する仕組みになっているのですね。

 ただし、それが中毒症状になってしまうと、成長を阻害するらしいのですね。だからわざと漢字カードを隠して、幼稚園を休ませて山に連れていくわけです。妙義山で岩登りをさせてみたり、湯の丸山で美しいレンゲツツジを見させます。

 もちろんテレビもみせますし、ゲームもさせます。
 ただし、5分で終了です。

 ここで気がついたんですが、 NHKの教育テレビの幼児番組は、ほとんどの場合5分で終わるのです。なかには20分の番組もありますが、そういう番組も、3分くらいでコーナーが変わったりして、5分以内に別の番組になるんですよね。 NHK教育テレビは、絶対に脳科学を応用していると思いました。

 これは幼児番組に限らず、高校生相手の教育テレビ放送も同じなんです。昔と違って番組が長くありません。 10分または20分で終了します。しかも番組の中で、いくつもコーナーが分かれていて、5分ごとに内容が変わっているんです。そのせいか昔の教育テレビの放送よりも格段と面白くなっています。

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 話を戻しましょう。
 本題は、脳が快感を覚えると脳が成長するという話しでした。

 真偽のほどはわかりませんが、もしこれが本当なら、スパルタ教育によって勉強を詰め込むことは、脳の成長を阻害する行為であるといえます。つまり、脳が成長する0歳から10歳までの間は、スパルタ教育は良くないということになります。

 もちろんスパルタ教育をすれば、知識を詰め込む事ができると思いますが、脳の成長はかえって阻害されるということになります。知識が増えても、脳の成長が阻害されるのであったら、将来に重大な禍根を残します。

 よく成績が伸び悩む高校生とか、熱心に勉強するのになかなか成績が伸びない子供もいたりしますけれど、そのような子供たちのなかには、幼少の頃にスパルタ教育を受けて脳の成長がうまくいかなかったケースも中にはあるかもしれません。

 そうでないにしても、幼少期の頃に、厳しく躾すぎてしまうと、脳に快感が少なくなり、思ったほど脳が成長しないという事あるかもしれません。脳に快感を与えるためには、ある程度は優しくしてあげないと、躾がストレスとなって脳の成長を阻害してしまう可能性も出てくるかもしれません。

 逆に、子供の頃に勉強しなくても後に大きく成長するケースがよくありますが、脳が順調に成長したために、たいして勉強しなくても成績が良くなっちゃう事例かもしれません。のびのびと育てられた子供達が、あとで大きく成長する事例も多いと思います。その代表的な成功例が、ドイツのシュタイナー教育なのかもしれません。

 というのも、私が、そういう人たちを何人も見ているからです。私は自然ガイドを職業としていますので、頼まれて超有名私立高校のお子さんを相手に自然ガイドをしたりするのですが、超有名私立高校のお子さん達は、ガリ勉をしてないんです。というか勉強してないんです。もっと言うと、遊びの感覚で勉強してるんです。いや、好奇心や興味の対象が、たまたま高校の勉強だったと言う感じです。

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 ガリ勉をする高校生というのは、それよりもちょっとだけランクの落ちる中堅有名私立高校の学生さんなんですよね。すごい超有名私立高校のお子さん達は、無理して勉強してるんではなくて、楽しんで勉強してるんです。学校の先生を達は、勉強しすぎないようにセーブしているくらいです。ちょうど私が、息子から漢字カードを隠すような感じです。

 で、共通して言える事はこういうところの学校のお子さん達は、好奇心が本当に強いんですよね。好奇心が強すぎて、めちゃくちゃ良い子に見えてしまう。最初は、ガイドの私たちが話を真剣になって聞いてくれるので、本当に良い子だなぁー礼儀正しいなーと思っていたんですが、そうじゃないんですよね。単に好奇心が強いために、人の話を聞こうと真剣になるだけなんです。

 で、親から勉強しろと言われたことがあるか?と聞いてみたら、予想通り、言われたことがないと全員答えています。逆に親と一緒にアウトドアに行ったとか、親子で旅行ばっかりしてたとか、親と一緒に鉄道の写真ばかり撮っていたと言う人が多かったんですよね。そういう子供さん達と何度か自然ガイドで接しているうちに、巷に出回っている育児本とか教育関係の本が、非常にインチキ臭く思えてきたのです。

 で、動物学や、脳科学の本をもっぱら読むようになりました。

 それらの本の中で、面白かったのが「ミラーニューロン」に関する記事です。ミラーニューロンというのは、まねをする脳細胞のことで、ものまね細胞と言われてますが、これがあるために赤ちゃんは親の真似をするんです。親の笑い方とか泣き方とか怒り方を真似をする。だから
「子供は親が育てたようにしか育たない」
と言われるわけです。

 そしてこのミラーニューロンが発達しないと、空気の読めない子供に育ってしまうんです。
 それほど重要な脳細胞なんですね。

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 最近はスポーツ科学の世界で、このミラーニューロンを重要視しています。
 ミラーニューロンを使って
 イメージトレーニングすることによって、
 脳内で練習することが流行っています。

 まあそんなことはどうでもいいとして、このミラーニューロンのシステムを簡単に説明しますと、他人の表情を見てその人が今どんなことを感じているのか、やろうとしてるのか、頭の中で相手の表情の真似をして「こういう気持ちなのか」と相手の心情理解しているのです。相手を思いやる気持ちは、このミラーニューロンの発達なくして生まれません。相手の表情を真似をする脳細胞が発達して初めて、思いやりの気持ちが生まれるわけです。

 つまりミラーニューロンを鍛えることで運動能力や言語能力が高くなるだけでなく、人の気持ちがわかる空気が読める子供に育つわけです。恐ろしいことに脳科学者によっては、ミラーニューロンの発達には臨界期があるのではないかと言う人もいます。

 この記事を読んだらときには、本当なのだろうか?と半信半疑だったのですが、息子が生まれたこともあったので、ちょうどいい機会だと思って、生後2ヶ月の頃に、例の舌だし実験をしてみたら、本当に真似をしたので驚いたものです。ミラーニューロン恐るべしと思いました。

 なので息子に対して、親の真似をするたびに誉めていました。そしたら、空気の読める子供になるのかなーと思っていたんです。結果は、このブログにも書いてある通り、すごく空気の読める息子になっています。脳科学というのは、本物のサイエンスなんだなぁと思ったものです。

 ちょっと文章が長くなりすぎましたね。
 続きは後日に書きます。


つづく。

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2016年06月03日

行方不明になっていた7歳の大和くんが、発見されて、本当に良かった

 北海道の大沼公園で行方不明になっていた7歳の大和くんが、発見されて、本当に良かったですね。陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で、 1週間ぶりに見つかったらしいですね。演習中の陸上自衛隊員が見つけたと言うから驚きです。行方不明になった七飯町の山林から北東に約6キロの地点。土曜の夜に歩いて小屋にたどり着いたとのこと。発見時、食べ物はもっておらず、服装は行方不明時と同じだったようです。

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 うちでも夫婦共々とても心配していました。それにしても、大和くんの健康力とサバイバル能力は凄いと思います。感心しました。こんなことを言うと、不謹慎かもしれませんが、この大和くんの並外れた体力は、ご両親の愛情ある教育の賜物だと思っています。今回は、それがちょっと行き過ぎたのと、不運の連鎖が続いたためだと思いたいです。お父さんも心底反省していると思います。

 それにしても本当に良かった。
 良かった!!

 関係ないですが、息子が生まれたときに、付けたい名前の1つが「大和」だったんですよね。「大和」にするか「タケル」にするか、散々悩んだ上に「タケル」にしたんです。もし次男が生まれたら「ヤマト」にしようと思っていました。で、 「タケル」の漢字を日本書紀の「武尊」にするか、古事記の「健」にするか、散々悩んだ挙句に、字画の関係で古事記の「健(タケル)」にしたんです。健康に育ってほしいという意味も込めていますが、ヤマトタケルのミコトにも因んでいます。

 そして息子は、幼稚園が大好きなんですが、それにも理由があります。近所に、一緒の幼稚園バスに乗ってに通う年長さんがいるんですけれど、そのお兄ちゃんが、とても親切で優しいお子さんなんです。いつもうちの息子の手を握って、幼稚園バスから教室まで連れていってくれるのです。いろいろ面倒みてくれるので、うちの息子は幼稚園が大好きになったんですよね。そして、その優しい近所のお兄ちゃんの名前は
「隼人君」
といいます。

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 ここで歴史好きの人ならピンと来ると思いますが、「隼人」と言えば、日本で最も古い一族の名前で、ヤマト族(宮城)とハヤト族(鹿児島)は、古くから兄弟のような間柄でしたよね。いわゆる海彦山彦の伝説も、海彦がハヤト族。山彦がヤマト族と言われています。ヤマトタケルの命が、「あずまはや」と3回叫んだ嬬恋村で、息子である「健(タケル)」が、近所の「隼人君」と仲良しなのは、何か運命を感じますね。

いつかハヤトくんが、うちに遊びにきてくれないかなぁと思っています。近所のおじさんとして、できる限りのことをしてあげたいですね。できれば、息子と一緒にハイキングなどにも行きたいんだけれど、ハヤトくんは、幼稚園嫌いらしいので、なかなか他人の私とは馴染めないかもしれません。


 まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、 3歳2カ月となったうちの息子も、親の真似で、いろいろお手伝いをしてくれるようになりました。ベッドメイクから、掃除から、花壇の水やりから、タマネギの皮剥きなど、いろんなことを手伝ってくれるようになってきています。最近は、植木鉢の球根を集めたり、庭木の剪定に凝っています。

 もちろん邪魔なんですが、邪魔扱いしてはいけないのですよね。
 こういうお手伝いを邪魔扱いにしてしまうと、
 全く何もしない無気力な人間になってしまうからです。
 そして、暴れん坊になってしまう。

 長年、宿屋をやっていると、その辺のところが他人様より見えて来てしまう。いろいろなご家族を見てきた結果、悲しいことに、その辺は痛いくらいに分かってしまっています。なにしろうちの宿は、おもちゃ王国の近くにあるので、夏休みとか連休になると幼児連れのご家族たちが、大勢泊まりに来てくれます。それらを何人も見てきた結果、 1人の暴れん坊よりも、静かな3人兄弟の方がまったく手がかからないことを肌で疑似体験したものです。

 これは宿屋の視点ですが、小さなお子さんが 3人ぐらいいても、手がかからなければ、すごい楽だなぁと思ったものです。逆にたった1人でも、暴れん坊のお子さんがいたら、静かな3人のお子さんよりも子育てが大変なんですよね。特に多動児だったり自閉症の気があったりすると、親御さんは本当に大変です。はたから見ていても、本当に大変だし、宿屋としても対処するのに大わらわです。そういう意味で、うちの息子は本当に手がかからないので、助かっています。もしあと3人ぐらい生まれたとしても、同じように手がかからないのであれば、子育ては楽勝な気がします。


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 あと子育てが楽だと、きつい躾をしなくてもよいという利点もあります。
 今回の事件のように、自動車に降ろして放置しなくてもよい。

 しかしそのためには、躾の時期を誤らないことが重要なんですよね。 2歳から3歳までの間に、きちんと躾行うとその後が楽なんです。この時期を間違うと、非常に難しくなってしまう。たとえば子犬なんかは、 6カ月間檻の中に入れて、そこから出さないでいると、非常に臆病になってしまいます。絶対に檻の中から出たがらない。これを変えるのは非常に難しい。

 これを臨界期といいます。
 適切な期間を逃すと、本来もってる力を失うことです。

 そこまでいかなくても、生後4カ月まで家の中に閉じ込めておくと、あまり走らない犬になってしまう。軽井沢のドックランなんかに行くと、走らない犬ばかりが集まっています。牧羊犬なのに走らないんです。なぜ走らないのかなーと思って、いろいろ聞いてみたら、 4カ月間家の外に出さなかったと言う。そう言う愛犬家たちばかりなんです。これでは犬も走らなくなります。

 牧羊犬が、ガンガン走るようになるためには、生後2ヶ月ぐらいから外に出して走らせなければいけない。けれど、ペットの本などでは、第二回目のワクチンを注射する生後4ヶ月ぐらいまでは、外に出してはいけないと書いてある。だから生後4ヶ月ぐらいまで外に出ない犬ばかりが増えて、走らなくなってしまうんです。

 これは人間にもいえることで
 臨界期をはずした幼児教育はリカバリーが難しいといわれています。

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 あと、躾方なんですが、基本的に親の真似をさせるのが1番効果的です。子供は親の真似をします。驚くほど真似をします。それを利用するのが、 1番効果的なんですよね。動物学をやった人や、犬を親子で多頭飼いしたことのある人ならよく分かるかと思いますが、どんな動物でも親の真似をして大人になっていきます。決して、殴ったり叩いたりしてしつけている訳では無い。ライオンでも狼でもクマでも一緒です。叩いたり怒鳴ったりしてしつけているわけではない。真似をさせているわけです。

 だからうちの息子に対しても真似を推奨するようにしてきました。もちろん悪い手本を真似することもあります。けれど、それは親が悪いのであって、真似する行為自体は悪くないので、叱ったりはしません。包丁を触るなど、とくに危険な行為で無い限り、真似するという行為を褒めた方がいい。

 というか、それが動物の本能というものであって、それを抑制する方が不自然なんだと思います。だから真似をするということが、正しいんだと思うようになると、しめたもんです。勝手に空気を読んで、勝手に自己判断して行動してくれるからです。つまり手がかからないんですよね。

 うちの息子を床屋に連れていったときは、まず私が最初に頭を刈ります。それを母親と一緒に息子に見せます。楽しそうに見せるんです。自分もやってみたいと思わせる。もちろん母親も床屋でカットしてもらいます。その後に息子を床屋の椅子に座らせれば、意外に簡単におとなしくしたままで居てくれます。もちろんそばにいて、
「かっこよくなったなぁ」
とさんざんヨイショします。息子はいい気分でカットされていますから、ものの5分で床屋さんは終わってしまいます。こんな楽な事はないですけれど、これは本来、動物に備わった真似をするという能力を使っただけに過ぎないんですよね。

 これをどんどん良い方面に伸ばしていけば、殴ったり怒鳴ったりすることをほとんどせずに、きちんとした躾ができるんです。要するに動物が持っている本能をうまく利用すれば良いだけのことで、変な理屈や理論はいらないんですよね。


つづく。

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2016年05月27日

今日は息子の遠足。

 今年の5月はずっと天気は良かったですね。そのせいか、毎日お客さんが途絶えなかったです。平日にもかかわらず昨日まで何人ものお客さんを宿泊していました。おかげで今週は忙しくててんてこ舞いでした。けれど今日は雨のせいか、たった1人だけです。

 そうなんですよね。
 今日は雨なんです。
 北軽井沢も、朝から雨が降っています。

 3歳2ヶ月になる息子が、ちょっと可哀想なんです。というのも、今日は息子の初めての遠足の日だからです。幼稚園の遠足なのに、雨とはちょっとかわいそうです。

 ここで、お子さんのいない人たちに説明しますと、 3歳2ヶ月になる子供にとって、遠足という行事は非常に重要な行事なんです。これは、息子が生まれるまで自分もわからなかったことなんですが、 3歳2ヶ月の幼児にとって、非常にハードルの高い行事だったんです。

 まず水筒の水を飲む練習をしなければならない。そして、レジャーシートを芝生に広げて座る練習をしなければならない。弁当箱を自力で広げて、自分で食事をしなければならない。これが3歳になったばかりの子供にとって、非常にハードルが高いんです。だから幼稚園の先生から、家庭で練習するように言われています。子ども園の過去の事例においては、お弁当を上手に食べられなくて、弁当箱をひっくり返す悲惨な事例が沢山あったようです。

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 私自身のことを言えば、 7月生まれだったので、遠足で苦労した記憶はなかったと思います。うちの息子よりも8ヶ月早く産まれてますからね。けれど、 3月26日生まれの息子にとっては、かなりハードルが高いですよね。仕方がないので、何度かお弁当作って、浅間牧場で遠足の練習をしました。

 まず自分ひとりでレジャーシートを広げて座る練習。そして自分ひとりで弁当箱を開けて食べる練習。お弁当箱を膝の上に乗っけて、それを食べるのは、 3歳2ヶ月の幼児にとっては非常に難しいようで、いつ弁当箱をひっくり返すかハラハラドキドキしながら見守るのですよね。そして水筒の水を飲む練習。地面に落とした大好物を食べずに処理する練習。最後にこれがいちばん難しいのですが、食べた弁当箱やレジャーシートを上手にしまって、ゴミを拾う練習。どれをとっても、 3歳2ヶ月の幼児にとって非常にハードルの高い作業なんですが、この練習を行うことによって、社会性が、かなり身につくことがわかりました。

 それにしても遠足という行事は、素晴らしいですね。

 子供の頃には、単なる娯楽ぐらいにしか思っていませんでしたが、これは非常に有益な社会勉強の1つです。自分のことを自分でやる勉強なんですね。もし、遠足という行事がなかったら、私はいつまでも子供のやることに手を貸していたかもしれません。

 実際、毎日のように息子と浅間牧場を歩いたり、息子と小浅間山にハイキングしていますから、幼稚園の遠足よりも、遥かに過激なアウトドアを息子に毎日のように行っているのですが、幼稚園の遠足はそれとは全く別次元のものです。私と一緒に山登りしても、体力がついても社会性を身につける訓練になるとはとても思えませんから。

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 ちなみに、息子は水筒と弁当箱を非常に気に入ったらしく、弁当箱を常に持ち歩いて、お客さんからもらった、ままごとセットのプラスチック製の卵焼きやらニンジンやらを詰め込んで、遊んでいます。きっと親に弁当をねだっているんだろうと思いますが、ここで空気を読んで弁当箱でご飯を作ってあげると、ますます言葉のコミニケーションの勉強ができなくなるので、今日の遠足行事が終わったら、言葉で「弁当がいい」と主張しない限り弁当箱のご飯を作るのは中止です。

 うちの息子は、事あるごとに空気を読んでくれるので、本当に世話のかからない良い子なんですが、そのせいで、いつまでたっても会話能力が上達しないので、もっと自己主張ができるようにしないとダメだなと思っています。


つづく。

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2016年05月05日

3歳1ヶ月の幼児が、空気を読むことの功罪

 今日は、5月5日の子供の日です。

 例年ならゴールデンウィークも終了というところなんですが、今年はカレンダーが良いためか、5月8日まで御客さんが続いています。本当なら息子のために、ささやかながら祝って上げたいのですが、忙しすぎて今日もかまってやれませんでした。つまり息子は、4月28日から5月8日までの10日間、ずっと引きこもりのままなんです。

 ちょっと可哀想ですが、仕方が無い。
 こども園も休みなので、
 24時間引きこもり生活です。

 息子の唯一の楽しみは、親子で行う客室清掃とベットメイクですが、これだって本当に忙しい時は、息子をベビーサークルという監獄みたいなものに隔離します。もちろん息子は、1歳半の頃からベビーサークルをよじ登って脱出していましたが、2歳半の頃から、トイレのために脱出しても、自分の意思で檻の中に戻ってきます。つまり親が、そこに入れると、そこに居なければならないと自覚して、自らにそのルールを当てはめて律しているわけです。

 3歳になったばかりなのに、忙しそうに働いている親たちの空気を読んで、けなげなまでに自分を律してしまう息子の姿に、親の心中は焼けるような思いです。私は「ゴールデンウィークが終わったら、おもちゃ王国に連れて行ってあげるからな」と切ないおもいで仕事をしていました。

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 それはともかく、息子がゴールデンウィーク中に、やけに静かにしているなあと思ったら、ジクゾーパズルに熱中していたんですね。これには驚きました。3歳児は、私が考えていたよりも知的レベルが高いんですね。ジクゾーパズルに熱中できるんですからね。しかも、一日に何回も、壊しては組み立てている。3歳1ヶ月ともなると凄いもんです。脳の発達が著しいです。

 しかし会話はできない。
 このあたりが遅れている。
 空気は読むけど、会話はできない。

 そこで100円ショップで買ってきた、いろんなジクゾーパズルを与えてみたんですが、好きなジクゾーパズルと嫌いなジクゾーパズルがあることに気が付きました。好きなジクゾーパズルというのは、食べ物のジクゾーパズルです。乗り物も嫌いではありませんが、やはり食べ物がいいらしい。逆に建物のジクゾーパズルは嫌いで見向きもしません。食べ物。それも果物やケーキのジクゾーパズルが好きなんです。

 そういえば、息子は、おもちゃ王国のパンフレットを親の前で、よく眺めています。会話がうまくいかないので、こうやって親に空気を読ませているのです。

 目の前にお菓子があっても「くれ」とは言いません。ただ、ひたすら、物欲しげにジーッと見ている。しかも見ていると、御客さんがくれたりする。勝手にとったりしないし、欲しいとも言わない。ただ、ジーッと見ていて欲しいそうな空気を伝えるだけ。もし伝わらなくても、じっと我慢している。

 逆に言うとゴールデンウィークのジクゾーパズルも、親の忙しい姿をみて空気を読んで、一人でジクゾーパズルで遊んでいるのかもしれません。また、好んでフルーツのジクゾーパズルばかりやるのも、ひよっとして、果物を食べたいという意思を示して、親に空気を読ませているのかな? という思いが頭をよぎりました。

 そう思うと切なくなって、フルーツをどっさり買ってきて、食事の時に与えるんですが、嬉しそうに食べている。ああ、よかったなあ・・・・と思っていたんですが、良くないんですよね。本当に良くない。それに気が付いたんですよ。

 親も息子も、お互いに空気を読み合っていたら、
 ますます息子の会話能力が身につかないからです。

 息子は、2歳0ヶ月の頃から、ひらがな・カタカナ・数字・アルファベットも読めるのに、会話が今ひとつできないのは、そういう事が原因かも知れないんですよ。これは逆説的になりますが、子供には、我が儘である時期が必要なのかもしれません。でないと会話力が身につかないかもしれない。

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 逆に言うと、自己主張する強い意志が、会話力を高めるのかもしれない。幼児に必要なことは、空気を読むことでは無く、自己主張することなのかもしれない・・・と思う、今日この頃ですが、宿屋をやっているかぎり、これは、どうしようもないですね。そういう環境下に私も息子もいるわけですから。


つづく。

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2016年04月24日

健康と食事について

 今年は桜が咲くのが早いようです。嬬恋村では、毎年ゴールデンウィークに桜が満開になるのですが、今年は今がピークのようです。軽井沢でも、少しずつ桜が咲いています。今日は、夏になったかのように暖かかったので、さらに桜が咲いたかもしれません。もう春なんですね。

 春といえば、毎年自治体が行っている癌に対する健康診断がありました。 3歳になったばかりの息子を連れて、夫婦で健康診断に行ってきたのですが、 3歳ともなると、かなり空気が読めるようになるので、息子はおとなしく椅子でずーっと待っててくれました。

 面白かったのは、今年からポイントカードが付いたことです。がん検診の1つ行うとポイントカードにスタンプが押されてます。 4つのがん検診を行うと、 4つのスタンプが押されて、次のがん検診が1回だけ無料になるか、もしくは万歩計がもらえるシステムになっていました。要するに、自治体はできるだけ多くのがん検診を住民にさせたいわけですね。

 そういえば、同じペンションの仲間で癌でお亡くなりになった人がいましたが、その方はいちども健康診断を受けてなかったです。そのために、癌の病気がわかったときには.もう手遅れでした。このような悲しい出来事を防ごうと、自治体も必死なんでしょうね。

 健康診断が終わってから、 1週間ぐらいがたつと、特定健康診断があります。いわゆるメタボ診断です。めんどくさいと言ったらないですが、これも村民の義務なので、3歳の息子を連れて夫婦で出かけました。

 特定健康診断というのは、体重身長などを測り、血液を検査し、食生活をチェックして、心電図や血圧をはかり、メタボにならないように指導するための検査です。非常にめんどくさい検査で、あちこち移動するために、私は息子の手を引っ張りながら検査を受けます。

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 うちの息子は、非常に行儀が良いので、その辺の椅子に座らせておいても、静かに座って待っているのですが、周りの大人達はそれを許しません。3歳児というものは、ちょっと目を離すと、どこにでも行ってしまうものだと言う概念があって放置すると怒られてしまうので、仕方なく私が息子の手をつなぎながら移動します。

 例えば、体重をはかる時など、カーテンの中に一緒に入るときにも、息子を一緒に連れて行きます。外で待たせてもいいんですが、 一部の大人たちがハラハラするらしいんですよね。で、この特定健康診断では、いろいろなことを聞かれて、その都度、書類に記入されていくんです。

 朝食事をしたかどうかとか、
 どんな薬を飲んでるかとか、
 普段の血圧はどうなってるかとか、
 まあいろんな事をしつこくしつこく聞かれるわけです。
 いい加減うんざりしながら答えるわけですが、
「何歳ですか? 」
と聞かれたので、
「 54歳です」
と答えました。
すると係りの人は、
「いえいえ、坊やの年齢です」
「・・・・・」

 息子はこういうところに来ると、たちどころに空気を読んでおとなしくなるんです。これは宿屋の子供たちの特徴かもしれません。毎日いろんなお客さんがやってくる中で、瞬時に空気を読んで、お客さんに合わせる作業は、私も家内も日常的にやっているので、息子もそれを真似しているんでしょう。

 そのせいか、係りの人やお医者さんが、本来なら必要のない息子のお腹にまで聴診器を当てたりしてくれました。うちの息子は、いつもこのような調子で、ちょっと得をします。もっとも本人には、まったく自覚はないでしょうけれど。

 そういえば、私も、礼儀正しくて、お行儀の良い子供さん達が泊まりに来ると、ガンガンサービスしちゃうなぁと、人のことは言えないなぁと思ったりします。本当はこういう事はあってはいけないんですが、そこは人間ですから、可愛いらしい子供さんを見ると、ついついデザートで頑張ってみたりしてしまいます。これはどこの宿さんでも一緒でしょうけれど。

 それはともかく、 54歳ともなると、食事に対する考え方が若い頃とずいぶん違ってきてますね。オープンの頃から、 15年前からうちの宿に泊まっているリピーターさんなら分かるかと思いますが、うちの宿は10年くらい前までは、お客様にキャベツを出してなかった。日本一のキャベツの産地であるにもかかわらず、オープンしてから5年ぐらいはキャベツを出さなかったんですね。その理由は、キャベツを徹底的に研究した結果、野菜の中でもキャベツは最も多くの農薬を使うことがわかったからです。

 だからキャベツを出さなかった。
 私自身もキャベツが好きじゃなかった。
 それに、キャベツは、何か安っぽい感じがしたんです。
 野菜の中でも1番安いのがキャベツ。
 それをてんこ盛りに出すのに気が引けたわけです。

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 しかし現在は、キャベツをじゃんじゃん出しています。キャベツの美味しさを知ってしまったからです。嬬恋村には市場に出回らない幻のキャベツや、伝説のキャベツがあって、これがまた美味しいんですよ。一口にキャベツと言っても、いろんな種類があって、料理ごとに使うキャベツは違ってくるんですよ。

 しかし、もっと本音を言うと、キャベツが癌に効くからです。癌に対する最強の野菜と言われています。特に、乳癌や肺癌、膀胱癌、前立腺癌、大腸癌などの癌に効果があるとされている野菜なんです。ニンニクの次に各種の癌に効果があると言われています。ちなみに3番目に癌に効き目があると言われてるのが、人参なんです。

 私も54歳ですから、似たような世代の友人が、数多く癌で亡くなっています。明日は我が身ということを考えると、キャベツを食べないわけにはいかないのですね。

 また、うちのお客さんの中にも、何人かが癌で亡くなっています。
 癌を発病したけれど完治した人もいます。

 それを思うと、お客さんに、キャベツやニンジンやニンニクを出さないわけにはいかない。だからうちの味噌汁は、人参や白菜や大根がたっぷり入っています。どれも癌に効果のある食材です。というか、最強の癌対策野菜です。もちろんキノコもたっぷり入っています。こいつも癌にいい。だから、癌が気になるなら、うちの朝食の汁物をたっぷりお代わりしてほしいです。

 ニンニクは、直接出すわけにはいきませんから、ステーキソースにこっそりまぜてあったりします。たまにお茶会で、にんにく揚げを出したりもします。

 料理もこの数年間でずいぶん変わりました。昔は、 1人あたり250 gの肉を焼いたこともありましたが、今はやめて、少量にして品数を増やしています。小さな皿を10皿以上、出すようになりました。少量のおかずを多数出すようになったのも、健康を考えてのことです。夕食だけで 30品目を食べられるようにメニューを変えたんです。

 もちろん豆腐は必ず出します。

 リピーターのみなさんは、毎回豆腐が出てくるのに不思議に思ってるかもしれませんが、豆腐に含まれるイソフラボンはガン細胞の増殖を抑制するんです。豆腐などの大豆製品を多く摂取している人は乳ガンや前立腺癌になる率が低いことは有名な話です。

 私は前立腺がんの疑いで入院したことがあります。結局なんでもなかったんですが、それ以降、毎日豆腐を食べるようになりました。また、私の母親が骨粗しょう症になったこともあって、嫁さんにも豆腐を食べるように勧めています。なぜならば、イソフラボンは、抗酸化作用や抗腫瘍効果があるうえに、骨粗しょう症を予防したり、コレステロールを下げる効果があると言われているからです。

 話は飛びますが、息子が産まれてから、この3年間。食事について色々考えさせられることが多くなりました。子供が生まれると、食事に対して勉強することが多くなります。特にアレルギーを持っているお子さんのお母さんは、なおさらだと思います。そういうお母さんは、素晴らしいお食事をお子さんに作っているんですよね。 3歳児健診の時に、メニューが素晴らしいと先生にほめられたりするわけです。

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 逆に、全くアレルギーのないお子さんのお母さんは、パンと牛乳ばかりだったりして、先生から注意受けたりするんですね。

 つまり健康だと健康のありがたみが、今ひとつわからなくて、ついつい食育がおろそかになったりする。むしろ、 1つぐらい病気があった方が、健康に対する危機意識を持てるために、食事に気を付けたりする。

 年をとっていくと、体にガタが来たり、友人が病気でなくなったりしますので、どうしても健康を考えてしまう。だから、息子が生まれた時にも健康であればそれでいいと考えたし、宿屋の料理も、どうしても健康を中心にメニューを考えてしまいようになる。食育を考えるようになってしまうんですよね。


つづく。

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2016年04月21日

庭仕事を手伝う3歳児

 息子が、こども園に通うようになってから1週間ぐらいがたちます。うちの息子は、初日から1人でバスに乗って出かけたにもかかわらず、こども園が大変気に入ったようです。毎日行くのが、楽しくてたまらないという感じで、迎えに来るスクールバスに1人で乗るのも楽しくてたまらないようです。

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 ちなみに、こども園の先生方も素晴らしい方々で、毎日細かい報告を電話でしてくれます。下手したら親の私たちよりも息子のことをよく観察しています。私が子供だった頃よりも100倍以上って手厚く保護されていますね。私が保育所に通っていた頃は、こんなに手厚くなかったです。だから息子を託児所に預けても託児所が素晴らしいと思えたんでしょうね。

 今から50年ぐらい前の保育所は、現在の託児所と変わらなかったと思います。
 下手したら現在の託児所の方が50年前の保育所より手厚いかもしれません。
 逆に言うと、待機児童が問題になっている原因は、
 保育所が手厚くなったために
 人手が足りないためでは無いかと思えてきました。

 前にも書きましたが、50年前に私が保育所に通っていた頃は、何か工作をするときに家庭から持ってこさせるような行事があったときは、保育所の先生は、幼児に対して持ってくるように言っていました。当時はコピー機もないし、わざわざプリントを印刷する手段もない。電話だって普及率は半分以下だったと思います。もちろん私の家にも電話はなかった。迎えに来る人だって必ずしも親とは限らない。近所のお母さんが、ついでに連れてかえるケースもあるし、どうしても伝達手段が保育園児に限られていたわけです。

 例えば、翌日に七夕飾りを作る行事があった場合は、幼児に笹竹と折り紙を持ってくるように言っていたんです。当然のことながら、忘れてくる子どもたちもいます。私もその1人です。で、忘れてしまって、笹も折り紙も持ってこなかった私は、他の子供達が七夕飾りを作るのをじっと見ていました。

 問題が起きたのは、保育所からの帰り際です。私の祖母が、自分の孫だけ七夕飾りを持ってないのに怒りだしたわけです。慌てた保育所の先生は、大急ぎで保育所の裏にある笹竹を私と一緒に取りに行ってきて、 3分ぐらいで七夕飾りを作っちゃって、それを私に持たせ、
「おばあちゃんには自分が作ったって言うんだよ」
と言ったわけです。もちろん私は先生との約束を守って、自分がこの七夕飾りを作ったと言い張ったのですが、そんなことが自分の祖母に通用する訳がなく、祖母はますます激怒していきました。

 ここで重要な事は、 50年前の佐渡島の保育所では、折り紙と笹竹の用意は、子供達に直接言っていたという事実です。今では考えられないことですが、当時は、こういう事が通じたんだと思います。当時、保育園児だった私自身も、これによって忘れ物をしたらどうなるかということを経験できたので、貴重な体験だと思っていました。だから私は保育所の先生との約束を守ったんだと思います。当時の私にしてみたら、祖母の方が、モンスターペアレントに見えていたと思います。

 しかしこの体験も、現代の価値観からしてみたら、180度変わりますね。

 コピー機や電話が発達した今の世の中なら、物忘れをしがちな園児に、七夕飾り用の笹竹と折り紙を持って来るように言うこと自体が信じられない行為であると思うし、忘れ物した園児に七夕飾りを作らせないと言うことも問題になる行為かもしれません。なにより
「おばあちゃんには自分が作ったって言うんだよ」
と園児に嘘をつかせた行為は、大事件に発展するかもしれません。そういう意味では、1960年代の保育園というのは、のどかな時代だったのです。

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 まぁそんな事はどうでもいいとして、本題に入ります。

 息子がこども園に通うようになると、ショックを受けますよと、いろいろな方々から忠告されてはいたんですが、その意味がようやく分かってきました。こども園に通いだして間もなく、息子がトイレに入るたびに
「最高だぜ」
と雄叫びをあげるようになりました。年配の園児の真似をしてるんでしょうね。このほかにもいろいろな言葉を覚えてきています。良いも悪いも、上品な言葉も下品な言葉も覚えてきます。世の中のお母さんたちが、こどもの友人を選びたがるのは、こういうことが影響しているんでしょうね。

 以前、子供は育てたようにしか育たないと、このブログに書いていますが、こども園に通いだしてからは、これが別の意味に作用しますね。今までは、なんだかんだと言って親の影響が大きかったのですが、これからはこども園の影響も大きくなってくると思います。トイレで「最高だぜ」と絶叫する息子を見るたびに、そう思うようになりました。

 ただし、私はあまり心配をしていません。うちは自営業なので、親の方が圧倒的に息子に接する時間が長いんです。息子は、こども園から帰ったら、楽しそうに親の仕事の手伝いをします。ベットメイクをしたり、ワックスをかけたり、ゴミを片付けたり、何でも親子で一緒にやります。多少邪魔なのは仕方がないとして、 0歳児の頃から息子は、ずっと一緒に仕事をしていました。でも息子にしてみたら、遊んでるのと一緒なんです。
 
 動物学をやった人なら、こんな事は常識なんですが、いかなる野生動物も子供は親の真似をしながら成長します。しかも親と遊びながら成長します。ライオンも狼も狐も、子ども遊ばせながら教育するわけです。だから私も、遊びながら息子と一緒にベットメイクしたり、客室の掃除をしています。息子と遊びながら、時には叱りながらやっています。これがいつまで続くのかわかりませんが、行けるところまで行こうと思っています。

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 話は変わりますが、現在ゴールデンウィークのお客様を迎えるにあたって、毎日忙しい日々が続いています。まず、 1,000坪もある庭を整備しなければいけません。大きな花壇を耕して土を入れ替えて、肥料を入れて、花の苗を植えるわけですが、これが大体、毎年5万円から8万円位かかるんですよね。しかも1週間ぐらいの肉体労働が必要なんです。

 もちろんその作業をしている最中に息子もそばにいて、手伝おうとしてきます。どうしても子供は親の真似をしたがりますので、私が車輪で土を運んでいると、息子も一緒になって運ぼうとします。スコップやクワで土を耕していると、息子もそれをもって耕し始めます。それはいいんですが、先ほど苗を植えたばかりの花壇を踏みつけたり耕したりするので、邪魔で邪魔でしょうがない。

 しかし邪魔だと言えないのが辛いところです。
 もし言ってしまったら最後、息子は二度と手伝わなくなります。
 そういうものなんですね。

 いったん息子から興味を奪ってしまうと、後でどんなに興味を持たせようとしても、二度と振り返ってくれなくなるんです。これはインターネットで調べれば似たような事例がどんどん出てくる。そもそも自分の体験からして、そういうものだった。だから、どんなに邪魔でも、邪魔だと言えない。 1万円分ぐらいの花壇を破壊されても、これは痛い授業料だと思って我慢しなければなりません。そこが辛いところです。

 おかげで、大量の鉢植えが庭に存在します。

 この鉢植えの中には、非常に無惨な形をしたチューリップや水仙やムスカリなどがありますが、これらの大半は息子のお手伝いの結果です。ちょっと残念なことになりましたが、これも子供のためなので、仕方ないかなーと思っています。もし、家にお泊まりになるお客様で、このブログを読んでいる人がいたら、無惨な姿の鉢植えを見たとしても、
「どうしてこんな変な鉢植えがあるんですか? 」
なんて思わずに、スルーしていただけるとありがたいです。

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つづく。

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2016年04月14日

嬬恋村が、日本一子育てがしやすい村になった理由

嬬恋村が、日本一子育てがしやすい村になった理由

 前回、日本一子育てがしやすい嬬恋村という記事を書いたら反響が大きかったので、勘違いをされても困るので続編を書くことにしました。

 実は嬬恋村は、もともとは裕福な村ではありません。今から10年前は、超赤字の自治体で、夕張市とどっこいどっこいの村でした。かなり、ヤバい自治体だったんですよ。

 嬬恋村は、幼稚園保育所小学校中学校の給食が無料だし、小中学校で教材等して使われる購入費も大半が無料に成っています。また、中学生の英検受験料が、年5,000円まで補助が出ますし、幼稚園保育園の保育料も無料です。また、嬬恋村では子供が生まれると、第一子・第二子に5万円のプレゼント。第三子に10万円。第四子からは15万円も支給されます。こういう地方自治体は、日本中探しても、嬬恋村しかないかもしれません。

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 でも、最初から、こういう村だったわけではないんですね。 10年以上前は、すごい赤字を抱えていて、村長以下、役場の役職ある立場の人たちも、給料を返上するような事態まで陥っていたんです。昔は、子育てに優しくするどころではなかったんです。どうしてそういうことになったかというと、当時は、 12年も続く革新系の村長だったために、やたらとばらまきをやっていて、村の財政が極端に悪化していたんです。

 その象徴ともいえるのが、幼稚園の統合問題で、新しい箱物(新しい幼稚園)を作って、財政をかなり悪化させた事件がありました。これがきっかけで、リコール運動というか、財政改革を訴えている新しい村長(保守系)を支援する動きがあって、新しい村長が誕生したのです。

 面白いのは、12年も続いた革新系村長をやめさせるために先頭きって動いたのが、村の中学校の校長先生も務めたこともある、思想的に左側だった人でした。左側の人が、左側の村長を追い詰めたのです。ようするに、こういうことに、右も左も関係ないんですよね。

 ちなみに私はこの人から、嬬恋村の歴史や、地質学を学んでいますから、かなりお世話になっています。それだけにこの先生のことをよく知っていますが、自腹を切って、新聞の折り込みチラシに、村長のばらまき財政を止めさせる訴えの自腹の広告を何度も出していました。もちろん私も、お手伝いしています。

 まぁそういうことがあって、今度は保守系の村長が誕生したわけですが、新しい村長は、行政改革を熱心に行いました。そして10年ぐらいで村の財政は良くなってきて、お金も余ってきたので何十ヘクタールと言う国有地を買い取って、道の駅でも作ろうかというところまでなったのです。

 しかし、議会では、それよりも子育て支援をした方がいいんじゃないかという話になって、子育てに多額の予算が使われることになったんですね。なぜそういうことを私が知っているかというと、私自身が観光協会の役員をやっていて、その役員仲間に村会議員や、商工会の役員や、色々な役員さんがいるからなんですね。もちろん私の師匠筋にあたる、地元の元校長先生のブレーンの人たちからの情報もあります。

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 まぁそんな話はどうでもいいんですが、ここで重要な事は、子育て支援のための予算は、どっかから沸いて出てきたお金では無いということです。嬬恋村という小さな地方自治体が、一生懸命行政改革を行ってきた結果なんですよね。

 その行政改革は、ちょっとやり過ぎじゃないかと思うことも多々ありました。もう少し観光に予算を増やしてくれればよかったのにとか、何も嬬恋村郷土資料館の館長を辞めさせることも無いのではないかとか、思っていました。もちろん思っているだけで、私自身は黙っていましたけれど。

 しかし、そういう努力が実ったからこそ、子育て支援をするための予算的なバックグラウンドができたのではないか?と私は考えています。こういったお金は、どこから湧いてくるのではなくて、いろいろなところを切りつめないと、出てこないんですよね。要は、いかに無駄をなくすかですよ。

 でも、自然災害に対する対策は、切り詰めては駄目なんです。安全のための資金は絶対に減らせない。前村長が、負けたのは、村の災害積立金にまで手をつけて、ばらまこうとしたからです。だから村民が怒った。嬬恋村は、何度か川が氾濫して橋が流されている。それの対策として、災害積立金を200億位をプールしていたけれど、それを使ってばらまこうとした。それに村民が怒ったんですよね。そういう失敗を前の村長はしている。

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 そういう意味では、以前の革新系村長は、いろいろな大失敗をしていると思います。ばらまき財政の原因を作った以前の村長が行った最大の失敗は、幼稚園の統合から始めたことです。そして新幼稚園という箱物を作ってしまった。

 幼稚園の統合ではなくて、小学校の統合から始めれば良かったんですよね。そうすると、いくつかの小学校が余るわけです。その余った小学校を、幼稚園として施設を利用すれば、大きな箱物作る必要はなかったわけです。余計なお金がかからなかったはずなんですよね。

 それを反省したのか、どうなのかわかりませんが。村長が変わってから役場がやった事は、小学校の統合を最初にした事です。小学校の統合で、いくつかの小学校が余ります。そのうちの1つを、幼稚園の施設として、再利用したわけです。

 もちろん元々は小学校ですから、幼稚園としては大きすぎます。その大きすぎる利点を利用して、幼稚園と保育園を統合してこども園にしたわけです。そして巨大なグランド(野外運動場)を2つに分割して、半分を駐車場に、半分を巨大なドックランみたいなものにして、そこで幼稚園児保育園児を遊ばせるわけです。まぁよく考えたと思いますね。

 こうやって予算を節約していき、その結果、給食が無料、教材購入費が無料、英検受験料が年5,000円まで補助。幼稚園保育園の保育料が無料。第一子・第二子に5万円のプレゼント。第三子に10万円。第四子からは15万円。ということになったんだと思います。村長・議員・役場の三つが、無い知恵を絞って出した結果なんだと思います。

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 ちなみに私は1人の一般的な村民なので、以上の認識に誤りがあったら申し訳ありません。私の知ってる範囲で書いてみました。ひょっとしたら、このほかにも、いろいろな要因があったのかもしれません。

 それはともかくとして、嬬恋村がここまで変化すると、若い人たちが浅間高原に移住してこようと思う人たちは、長野原町や軽井沢町ではなくて、嬬恋村を選ぶようになるかもしれませんね。だって、これだけ手厚い自治体は、よそにはなかなかないかもしれませんから。長野原町や軽井沢町も、真似しにくいだろうなぁ。

 ただし、嬬恋村にも問題点は残っています。それは職業です。働き口が少ないんですね。今後は、どうやって就職先を増やすか?というところが、重要になってきますね。まだ余ってる小学校を利用して、私立学校を誘致するとか、工場かなにかを誘致するとか、何か対策を立てないと、せっかく、子育てのために充実した制度も、あまり使われないということになるかもしれませんから。私が嬬恋村に移住してきた時は、12000人いた人口も、いまは、たったの9000人台です。なんとかしないとねえ。


つづく。

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posted by マネージャー at 07:33| Comment(1) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月12日

日本一子育てがしやすい嬬恋村

 今週の月曜日には、全国の幼稚園保育園で入園式があったと思います。私の友人たちも、それぞれ入園式があったようで、 Facebookなどに写真が沢山アップされていました。そーゆー私の家でも、息子が月曜日に入園式でした。当然のことながら、私も入園式に出ようかなーと思ったんですが、嫁さんが嫌がるので、やめておきました。もっともその日は、私自身が商工会で研修があったものですから、それに欠席するのも義理を欠くと思ったのも確かです。

 ところで、このことは書こうか、書かないでおこうか散々迷ったのですが、さんざん迷ったあげくの上に、今日書くことに決めました。

 実は嬬恋村は、今年から保育園も幼稚園も給食も小学校で使う教材も無料なんですよね。と、こんなことを書くと、幼児のお子さんを持つ全国のお母さんたちが、激怒するんではないかと思ったので、ここに書く気が起こらなかったんですよね。

 うちの宿には、子連れのお母さんが、たくさん泊まりにきてくれますが、多くのお母さんたちが、毎月10万円くらい払ってお子さんを幼稚園に入れているのをしているために、どうも書く気になるなかったんです。息子の入園式の晴れ姿を、ブログでアップする気にはなれなかったんですよね。

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 嬬恋村は恵まれているけれど、全国的には珍しいケースであって、多くのお母さんたちは、非常に困っておられる。現にスタッフとして、時々 、ボランティアで宿を手伝ってくれる土井くんのところも、幼稚園に 10万円くらいかかると言っていました。土井くんは、埼玉県の浦和に住んでいるんですが、周りには私立の幼稚園しかないんですよね。だから彼は苦労しています。これは、都心部ならほとんどのお母さんが抱えている悩みなのではないでしょうか?

 それに比べて嬬恋村のお父さんやお母さんたちは本当に恵まれています。嬬恋村くらい子育てのしやすい村はないかもしれません。うちの嫁さんが妊婦の時も、わざわざ役場の職員の人たちが、家庭訪問に来てくれたこともありましたし、幼児や子供のためのイベントも盛りだくさんにあります。いろんなことが、至れり尽くせりで、これぐらいに恵まれている村は全国的に見ても珍しいかもしれません。だから、ちょっとブログには書きにくかったんですよね。

 で、今日、その実態を書こうかなーと思ったのは、観光協会の会議で、その現実を知らない人たちがいたからです。全国が嬬恋村と一緒だと思ってる人たちがいるんですね。都会のお母さんたちが、幼稚園に毎月10万円を払っているという話をしたら、信じないんですよ。
『そんなわけないよ』
と私自身が笑われちゃうわけです。

 嘘つきにされちゃうわけです。
 3人の子供を育てているお父さんが、信じてくれないんです。
 幼稚園10万円もかかるわけないだろうと思っているわけです。
 嬬恋村は10万円どころか、無料なんですよ。
 無料の送迎バスがあって、
 給食費から教材費まで無料なわけです。
 そして、 1クラス13人。

 おまけにこども園ときたら、やたらでかいんです。小学校を改造しているわけですから、ものすごく大きい。その辺にある児童公園の10倍ぐらいは広い敷地に、大量の遊具が並んでいる。にもかかわらず子供たちが少ないために、ものすごい勢いで遊んでいるのですね。幼児たちが、鬼ごっこをしていたりするんですが、全力疾走で100メートルぐらい走り回ってても息を切らしてないんです。なかには、小学校で使っていたと思われる椅子や机を担いで走り回ってる子どももいたりする。要するに野生児なんです。

 こども園が、野生児養成所になっている。

 うちの息子も、毎日のように小浅間山に登ったりするので、かなりの野生児だと思っていたら、とんでもない、とんでもない。毎日こども園に通っている子供たちも、うちの息子に負けず劣らず野生児なんです。なにしろ元小学校の運動場の大半が、わずかな数の幼児たちの遊び場になっているわけですから、広いこと広いこと。そこで、鬼ごっこなんかすれば、幼児たちの運動能力は、半端無いわけです。もう少しで逆上がりができそうな幼児たちが、鉄棒にぶら下がって楽しそうに遊んでいるわけです。目が点になりました。

 どうりで嬬恋村には、児童公園が無いわけです。児童公園がないから、私はわざわざ息子を軽井沢まで連れて行って、軽井沢の児童公園で遊ばしていました。だからうちの息子は、軽井沢の幼児たちといっぱい知り合いになっています。要するに軽井沢は、児童公園が必要なんですね。しかし嬬恋村は必要ない。巨大なドッランみたいなところで、犬ならぬ幼児が走っている。

 とにかくこの村は恵まれすぎています。おそらく日本でいちばん子育てのしやすい村では無いかと思います。けれど地元民が、恐ろしいほど気がついてないんですよね。当たり前だと思っている。今日、それに気がついたために、あえてこの文章を書く気になった次第です。田舎と、都会では、こうも違うものかと。


つづく。

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posted by マネージャー at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月08日

息子の3歳の誕生日

 息子が3月26日の土曜日に3歳の誕生日を迎えました。やっと3歳です。当日は、お誕生日の人がお客様の中に2人たので一緒に誕生祝いをしました。お客様から、たくさんの差し入れをいただきました。ロールケーキや、大きなイチゴが4箱に、お酒、蝋燭など。うちの息子もお客様からプレゼントをいただいたりしました。

 ありがとうございました。
 おかげで、賑やかな誕生日になりました。

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 また、よく来られるお客様が、お孫さんを連れて行きました。とっても可愛いお孫さんですが、うちの息子より6ヶ月若いお孫さんです。可愛いですね。女の子のせいか、言葉もよく喋ります。しかも英語を話します。

 そのうえ、すごく良い子なんですよね。

 うちの息子も、手がかからないのですが、 2歳半になる、この女の子も、すごく行儀が良いんですよね。おとなしくて、立派で賢いんです。きっと、ご両親の育て方が素晴らしいんだと思います。もちろんおじいちゃんおばあちゃんのサポートも、かなり的を得た事をしているんだと推測できます。

 で、このこのおじいちゃんおばあちゃんなんですが、私とほぼ同じ年なんですよね。つまり50代。人間の知能が1番ピークの時ですから、やはりというか孫との接触の仕方もうまいんですよね。それらを見させていただいて、色々と参考になりました。

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 これは子供を育てていてつくづく思うことなんですが、子供は育てたようにしか育ちませんね。そういう意味では、さすが、このおじいちゃんおばあちゃんの孫だなぁと思いました。おじいちゃんもおばあちゃんも、とても素敵な方ですから。もちろんお母さんも、いい味を出していました。きっと素晴らしいお母さんなんでしょうね。でないとこんなに良い子に育ちませんから。

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 ちなみに、この2歳半の女の子を連れて、真田丸歴史ツアーに出かけたんですが、最後まで本当によいこでした。全くと言っていいぐらいグズらないんですよね。大人向けの難しい歴史ツアーだったのに、それだけに絶対に退屈だったはずなのに、最後まで良い子でおとなしかったのには本当に驚きました。本当なら、ありえないです。 2歳半でこれですから、男ならジェントルマンと言われて大絶賛されているはずです。すごいですよ。おそらくこの子が、北軽井沢ブルーベリーYGHに参加した最年少のお客さんかもしれませんね。


つづく。

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posted by マネージャー at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする